中国の女性が進めるファッションの断捨離
最近は上海も温かくなってきましたが、街なかや職場を眺めていて気づくのは、女性の装いが以前に比べ大幅に簡素になったということです。
日常で見かけるのはゆったりした装いのファッションが多く、メイクをしたり華やかに着飾ったりしている人を見かけることはほぼない、と言っても良いくらい少なくなりました。
職場でも上司への重要な報告やクライアントとの会議といった特別な予定がない限り、メイクをしないという選択をする女性が増えているように感じます。
筆者は「現代中国は経済だけでなく、社会現象や文化までもが、かつての日本におけるバブル崩壊後の歴史を辿っている」という仮説を持っています。
そして、このような中国の空気感は1990年代後半から2000年代の日本、バブルが弾け等身大の自分や機能性を重視し始めた時期。ユニクロや無印良品が発展した土台となった潮流が、より大きな形で発生していると感じます。
こうした動きがなぜ起こっているのか、今回は中国における女性の意識を解説した記事を紹介します。
女性たちの目覚め:魅力を捨て危険を遠ざける
着る自由よりも重要だったのは、着る安全だった
春の新作が並ぶなか、クローゼットには静かな変化が起きている。
かつてはセクシーであればあるほどファッショナブルだと見なされていた。体を締め付け、曲線を強調する、そんなアイテムたちが常連だった。
しかし今は違う。
服から化粧品に至るまで、より実用的で心地よく、自然な選択へシフトする女性が増えている。歯を食いしばらなければ着こなせないような服は、着実に市場を失いつつある。

例えば、一世を風靡したスキニーパンツ。体型に極めて高いハードルを課すこのパンツを履くために、かつて無数の女性たちが歯を食いしばって減量に励み、細長い筒に無理やり脚を詰め込もうとしていた。
だが今、多くの人が正気に返っている。
「こんなの人間工学的じゃない。食い込みや締め付けは百歩譲って我慢するとしても、自由な動作が全くできない。全身が締め付けられて息苦しくなる」

美しさが唯一の尺度ではなくなり、心地よさが揺るぎない選択基準となったとき、中国の女性たちは今、自らの手で美しさを捨てようとしている。

「最近はセクシーな美女なんて滅多に見かけなくなった。みんなダボダボで、ゆるい格好ばかり。これが今の流行りなんだろうね」
「本当にそう。若い人ほどゆったりした服を着てる」
「ゆったりしてるのが楽なんだもん。心地よさ優先。今となってはストッキングでさえ、締め付けが強すぎて無理」
美しき拷問器具
もし「美しき拷問器具」を最も象徴するアイテムを挙げるとすれば、それは間違いなくハイヒールだろう。かつてはそれを履いて艶やかに歩いていたものだが、今やクローゼットの奥底に放り込んでおきたい存在でしかない。
暖かくなってきた頃、ある女性は出張で上海を訪れた。道中、彼女はハイヒールを履いた人を一人も見かけなかった。目に飛び込んでくるのは、スニーカーやサンダル、厚底靴ばかりだ。
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