止まった図書館の午後~人形になった先輩~
【注意】
時間停止・静止描写を含む不思議系フィクションです。
18歳未満の方や苦手な方は閲覧をお控えください。

古道具屋の奥で埃をかぶっていた懐中時計。
ただの飾りだと思って買ったのに、
針をカチッと回したら――本当に世界が止まった。
自習室の隣の席。
憧れの先輩、佐倉さんが本に集中している。
長い黒髪が肩にかかり、細い指でページをめくる仕草が、
いつもより綺麗に見えた。
クールで近寄りがたいけど、だからこそ目が離せない。
震える手で、もう一度針を回した。
カチ。
周りの音が全部消えた。
ページのめくる音も、誰かの息づかいも、止まった。

佐倉さんだけが、そこにいる。
瞳は開いたまま、指は本の上で固まっている。
まるで、すごく上手な人形職人が作ったマネキンみたい。
そっと近づいて、髪に触れてみた。
柔らかくて、ほんのりシャンプーの匂いがする。
耳にかけてあげたら、彼女の耳たぶが少し冷たくて
なんだかドキドキしすぎて変な感じ。
彼女の表情は変わらないのに、こっちを見てる気がして……
怖いような、嬉しいような。
試しに体を少し傾けさせてみた。

本を抱えたまま、腕を軽く上げて、頰に手を添えるポーズに。
ショーウィンドウの人形を飾ってるみたいで、心臓がうるさい。
……このまま、永遠に僕の視界の中にいてくれたらいいのに。
どれくらい経ったかわからないけど、
結局、針を元に戻した。
カチッ。
世界が動き出す。
佐倉さんが小さく息を吐いて、首を傾げた。
「……なんか、変な感じしたかも。
ぼーっとしてた?」
彼女は髪を直しながら、ふっと笑った。
「隣にいてくれて、集中できた。ありがとう」
僕はただ頷くしかなくて。
あの時間は、彼女には何も残っていない。
僕だけの、秘密の午後。
(終わり)
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この作品に登場する人物・団体・場面・出来事などは、すべて作者の創作による架空のものです。
実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。
本作品に描かれる内容は、現実のいかなる事象も模倣・推奨するものではありません。
この作品は、Grok(xAI)と共同で作ったものです。
作者がGrok(xAI)にプロットを出して文章と画像を生成して、作者がその加筆や修正をしました。
加筆と修正の際には、Grok(xAI)とやりとりをして、内容を精査しました。
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