「いつでも解除できます」と書けばCVRが上がるというのは本当か?──190社で見た、不安を消したのに下がった話
こんにちは、野津です。
今日はこんな質問をいただいたので、お答えしていきます。
ボタンの下に「いつでも解除できます」と入れたほうがいい、とよく聞きます。
うちのサイトにも入れたのですが、正直あまり変わりませんでした。
書き方が悪いんでしょうか?
なるほどなるほど。
これ、たぶん書き方の問題ではありません。
結論から言うと、不安を消す一言は「足すこと」ではなく「順番を決めること」で初めて機能します。
順番に説明しますね。
まず、効くのは本当です
ボタンの真下や右に置く短いコピーを、クリックトリガーと呼びます。
これはよく効きます。
メールマガジンの購読ページで、ボタンの下にこう足したケース。
「いつでも購読解除できることを100%保証します」
これだけで、成約率が33%アップしました。
証券口座の解説サイトでは、リンクの下に一文を添えています。
「※無料ですぐに開設できます」
クリック率は1.5倍になりました。
オランダのコスメ通販では、注文ボタンの真下に送料の条件を明記。
売上が60.1%伸びています。
「取り返しがつく」と伝える型も強いです。
「48時間以内はキャンセル無料」(Airbnb)
「いつでも解約できます」(Spotify)
「あなたの許可なしにSNSへの投稿はしません」(Filmarks)
なかったことにできる、と分かると心のハードルが下がる。
ここまでは、教科書どおりです。
ただし、伸び方には性格がある
改善幅をまとめていくと、施策ごとの癖が見えてきます。
不安除去の一言は、だいたい30〜100%の範囲に収まりました。
安定して効くけれど、跳ねはしない。
一方、いちばん伸びたのは別のところでした。
ボタンの言葉を、行動が見える形に変えたケース。
主語と動詞をはっきりさせる。
こちらは平均で2.5倍前後です。
不安除去は、床を上げる施策なんですね。
天井を上げる施策ではない。
問題は、ここからです。
でも、消したのに下がっています
190社の改善現場では、「正しいはずの一言を足したのに反応が落ちた」というご相談が、実はとても多いんです。
3つ、実際の結果を見てください。
ケース①:教科書どおりの一言が、9%のマイナスになった
ある資料請求フォームでのテストです。
ボタンの下に、こう足しました。
「登録はいつでも解除ができます」
さきほど33%アップした事例と、ほぼ同じ一言ですよね。
結果は、CVR 3.67% → 3.34%。
約9%のダウンでした。
同じ言葉で、上がるサイトと下がるサイトがある。
ケース②:「無料」を足したのに、4割落ちた
問い合わせボタンの文言テストです。
「お問い合わせを送信する」
↓
「無料で問い合わせる」
「送信」をやめて「無料」を足す。
これも定石です。
結果は、CVR 2.96% → 1.75%。
最強ワードのはずの「無料」を入れて、大きく落ちました。
ケース③:具体化したのに、20%下がった
ネイル予約サービスのボタンテストです。
もとの文言は「予約する」
そこから、いくつかのパターンを試しています。
「メニューを選択して予約」 +42%
「予約へ進む」 −1%
「このサロンに予約する」 −10%
「このサロンで予約する」 −20%
どれも「具体的にする」という同じ方向の言い換えです。
なのに、プラス42%からマイナス20%まで振れている。
何が起きているのか
ひとつ、はっきりしていることがあります。
不安には、大きさの順番がある。
カゴ落ちの理由を大規模に調べた調査では、こうなっていました。
予期しないコスト(送料や税金) 48%
アカウント作成を求められた 24%
配達が遅い 22%
セキュリティが不安 18%
いちばん大きいのは、送料や税金です。
その人にとって最大の不安を消していなければ、小さな不安をいくつ消しても数字は動きません。
冒頭のご質問に戻ります。
「あまり変わらなかった」のは、おそらくこれです。
書き方ではなく、消した場所の問題。
もうひとつ、言葉が不安を連れてくることもある
前の記事でも触れたのですが、こんなテストがあります。
「30日間無料トライアル」
↓
「30日間無料で使う」
中身はまったく同じ。30日、無料。
それでも遷移率は132%に改善しました。
「トライアル」という単語が、"登録したら営業から電話がかかってきそう"という連想を生んでいたのではないか、という仮説です。
安心させるつもりの言葉が、逆に警戒を呼ぶ。
これも普通に起きます。
実は、答え合わせが残っています
ケース①の資料請求フォームの事例には、続きがあります。
担当者の方は3週間後、まったく同じ場所でもう一度テストをしていました。
下がった一言を、別の言葉に差し替えたんですね。
今度は、数字が上がりました。
何を、何に替えたのか。
そこに、上がるサイトと下がるサイトを分けているものが、はっきり出ています。
足す前に、順番を決める
自分のサイトを見直すときは、この3つを順番に確認してみてください。
その一言、お客様がいま実際に抱えている不安に答えていますか?(あなたが心配していることではなく)
その不安は、その人にとっていちばん大きい不安ですか?(もっと大きいものが残っていませんか?)
その言葉自体が、新しい不安を連れてきていませんか?(「解除」「トライアル」「登録」…)
「いつでも解除できます」と書けばCVRが上がるのか。
答えは、上がることもあるし、下がることもある。
分かれ目は、足したあとではなく、足す前にあります。
190社を見てきて、私がたどり着いた結論です。
最後に
……と、ここまで読んで「じゃあ、どの不安から消せばいいの?」と思った方へ。
実はいま、その判断手順を1本の記事にまとめています。
どこから直すか。何を直すか。
そして、上がるか下がるかを、テストする前にどう見分けるか。
今日の3つの失敗例も、答え合わせのテスト結果も、すべて数字つきで載せます。
来週、有料記事として公開予定です。
楽しみにしていてください。
記事公開しました。
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あなたのサイトのボタンの下、いま何と書いてありますか?
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