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「書かない取材ライター」が実践する、テーマがブレない構成案のつくり方

以前「書かない取材ライター」というスタイルをめちゃくちゃオススメしたい、という記事を書いたことがある。

「書くことが大変だけど、記事に関わる仕事は続けたいし、取材は楽しい」
そんなあなたにおすすめしたいのが、「取材と編集だけ」をする編集者スタイル。

たとえば、1記事3〜4万円の仕事をライターさんに執筆だけ1.5〜2万円でお願いして、取材・編集・ディレクションを自分で行います。

すると、取材+編集と先方とのやりとりで3〜4時間の稼働時間で1〜2万円ほどの単価になるので、収入アップ&たくさんの案件が受けられるようになるのです。

この「取材&編集」スタイルが本当におすすめで、私は今でも実践している。編集のみよりも単価があがるし、取材という“オイシイところ”を味わえる。自分で取材をしているから、音源の聞き返しも少なくて編集の効率も上がるのだ。

ただ、この取材&編集スタイルでは1つだけ、大きなハードルがある。

それが、自分の取材の意図とライターさんから上がってきた原稿に“ズレ”が生じてしまうことだ。


上がってきた原稿、思っていたのと違う問題

ライターさんに取材音源だけをポンッと渡して「あとはお任せしました!」と執筆をお願いする。1週間後に上がってきた原稿を見ると、構成も伝えたいこともズレていて、かなりの赤入れをする…なんてことがある。

もちろん、スキルの高いライターさんであれば、取材の意図を汲み取って良い記事に仕上げてくれるが、中にはうまくいかないことも多い。

そんなことが続くと、編集者は「自分でやったほうが早いじゃん症候群」に罹って、結局、自分で取材をして執筆をするスタイルに戻ってしまうのだ。

メディア運営でも例外ではない。私が運営しているメディア・チームでそんな事象が頻発してきたときに、「ある方法」を試したら効率も品質も爆上がりしたので、その方法を綴っていく。

編集者が構成案までガチッと決めたら、効率も品質も爆上がりした

大前提、「期待通りの記事が上がってこない」のは取材した編集者の責任だと思う。音源だけを渡すのではなく、取材メモや意図をしっかり伝えて、記事の方向性を指示するまでが編集者の仕事だ。

そこで重要になるのが「構成案」。

従来、私やチームの編集者が取材して音源をライターさんにお願いする場合は以下の手順だった。

1.編集者が取材をする
2.音源をライターさんに渡す
3.ライターさんが構成案をつくる⇒編集者か編集長がチェック
4.執筆して初稿を提出
5.編集者が編集する

この方法だと、構成案のチェックに手間がかかったり、大きく構成がズレた時に大事故につながったりしていた。それを解消するために、取材した編集者が構成をつくるスタイルに変えてみた。

1.編集者が取材をする
2.編集者が構成案を考える
3.音源と構成案をライターさんに渡す
4.執筆して初稿を提出
5.編集者が編集する

このスタイルに変えてから、編集の工数や修正の戻しの回数が大幅に減った。構成からガラッと変えたり、上がってきた原稿をほぼ全直しすることもなくなった。結果的に編集者の仕事も楽になって、記事の品質も上がる。良いことしかない。

構成の段階で「質問」までイメージする

これは私のやり方だが、構成案をつくるときは以下の要素を含めるようにしている。

・記事のテーマ
・読者イメージ
・仮見出し
・質問
・内容(箇条書き)

とくに、最近やってよかったのは「質問」まで入れてしまうこと。見出しと内容だけだと「この内容、うまくつながらないな〜」と、組み換えに時間がかかってしまったり、記事にした時に不自然な流れになってしまう。

先に質問で全体の流れを決めておくと、自然な会話の流れで記事を構成できる、と私は思っている。

参考までに、私が取材をしたときにライターさんに共有する構成案が以下だ。

## テーマ:スタートアップで働きながら海外を飛び回る。実現するための「自由と責任」
## 読者イメージ
・旅が好きで、いつか旅をしながら仕事をしたい。でも今の会社や、会社で働くことが自分に合っているので、いわゆる“海外ノマド”な働き方はしっくりこない
・海外と日本を往復する自由な働き方には憧れる。リアルを知りたい。
## リード
「いつか旅をしながら仕事をしたい。でも会社での仕事にもやりがいを感じていて、実現できないのかな…」
「海外と日本を往復する自由な働き方には憧れるけど、実際どうなの?」
今回はスタートアップで働きながら、年◯ヶ国を旅する〇〇さんに聞きました。

###見出し スタートアップ × 日本と海外を行き来するきっかけ
―― 〇〇でご活躍される〇〇さん。現在はどんなお仕事を中心にされていますか?
・スタートアップの役員をしている
・〇〇の業務をしている

――スタートアップでがっつりフルコミットされているイメージですが、その一方で海外渡航も多いのだとか。
・年間◯回、◯ヶ国ほど旅をしています
・基本的には時差が少ない東南アジアが多い

仮の取材の構成です

この構成案をつくるのに30分〜1時間ほどかけているが、編集工数が減るので、最終的な編集にかかる時間はそこまで変わらない。

おすすめは、取材が終わった後すぐに構成案をつくること。取材メモや記憶を頼りに構成案をつくってみてほしい。すると音源を聞き返す必要もないので、意外と時間をかけずに構成案が完成する。

さらに「構成を自分がつくる」という意識があるので、取材中も記事の構成やヒキを意識しながら取材をする癖がついてくる。取材後に自分が構成までつくるようになってから、取材スキルが格段に上がったなぁと実感している。

「ぜんぶ自分でやらなくてもいい」と思えると、ライター・編集者のキャリアが広がる

単価を上げたい、効率よく仕事をして稼働時間を減らしたい、取材だけをやりたい…

取材ライターとしてある程度仕事をしていると、いろんな悩みが出てくる。中には「取材は好きだったけど、ライティングが合わなくて…」と、取材ライター自体をやめてしまう人も少なくない。

私自身も「書くことがつらい」と感じていたひとり。

取材も楽しい、コンテンツをつくるのも楽しい。でも、納期に追われながら仕事で「書くこと」をしている時間が苦痛だった。

そんなときに「編集だけ」「取材と編集をする」というスタイルを見つけてから、取材記事をつくるのがまた楽しめるようになった。しかも自分ひとりでは生み出せない数の記事に関わることができるようにもなった。

総じて言えるのは「ぜんぶ自分でやらなくては」という意識を手放してみること。執筆が苦手であれば人に任せていいし、取材が苦手なら自分は音源からの執筆のみに切り替えてもいい。取材が好きなら、取材だけをする道もある。

ライターのキャリアにつまづいたときは、「ぜんぶ自分でやらなくてもいいのかも」と考えてみてほしい。そうすると、ライターの道もひとつじゃないことに気がつけるはず。

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