【沖縄・八重瀬】廃材がアートになる場所|久夫美術館で出会った海と宇宙の感性
廃材から生まれる創造の世界と、作家・知名久夫さんとの出会い。海や宇宙を感じる作品群を通して、本物に触れることと育ちについて考えた、沖縄・八重瀬の時間。
「年間パスポートを買ってしまった美術館がありました!!」
以前から気になっていた、八重瀬町具志頭にある久夫美術館に、ようやく行くことができました。
その“やっと来られた”という巡り合わせにも、意味があるような気がしました。

館内に入ると、廃材を生かして建てられた建物、流木を鉛筆に見立てた作品、沖縄の海や宇宙とのつながりを感じさせる展示の数々。
そこは、美術館というより、感性が目を覚ます場所でした。

「もったいない」を作品に。
その言葉どおり、捨てられるはずだったものたちに、新しい命が吹き込まれていました。
実は少し前、海の学校で廃材を遊びに生かす発想に感動したばかりでした。
そしてまた今回、別の場所で、同じようなメッセージに出会った気がしました。
捨てられるものの中にも、可能性は眠っている。
そう教えられているようで。

今回は、知名久夫さんご本人にもお会いできました。
作品からは、力強さだけでなく、優しさや愛らしさも感じることをお伝えし、
「作品はどのようにひらめき、描き始めるのですか?」
と伺うと、
「だいたいおおまかな構想は浮かぶのですが、細かなものは、後から付け足していきます」
と微笑みながら話してくださいました。
この言葉は、絵の話でありながら、生き方の話にも聞こえました。
大まかな方向があり、歩きながら細部が育っていく。
それは、子どもたちに即興で物語を語る自分とも、どこか重なって感じられました。
最初にあるのは種のようなもの。
あとは出会いの中で育っていく。
創作も、人生も、少し似ているのかもしれません。
作品の中には、お孫さんの描いた絵をもとに、知名さんがふくらませ色を重ねたコラボ作品もありました。
奥さまが背景を説明してくださることで、作品の見え方がより深くなり、あたたかな人柄まで伝わってくるよう。
海を描いた作品では、私はシュノーケルで海に入る時の感覚を思い出し、まるで海中にいるように感じました。
そのことを伝えると、
「40代まではよく潜りましたよ。海でこわい思いもしました」
と知名さん。
その一言で、作品と作家の体験がつながり、絵がさらに生きて見えました。

入館料は500円。
けれど帰るころには、迷わず1000円の年間パスポートを買っていました。
また来たい、ではなく、通いたい。
そう思えた場所でした。
そして今回あらためて感じたのは、本物に触れることの大切さです。
本物の自然。
本物の音。
本物の表現。
子どもたちにそういうものを届けたいと、私は保育の中で思ってきました。
大人になっても、人は本物に触れることで育つのかもしれない。
保育では、人的環境と物的環境、その両方が子どもを育てると言われます。
人との出会いも、環境との出会いも、どちらも育ちをつくる。
久夫美術館には、その両方がありました。
本物の作品に触れ、表現する人に出会う。
そんな経験は、大人にとっても、感性を育てる時間なのかもしれません。
最近、
生きた経験こそ、本当の保育ではないか。
そんな思いが、ますます強くなっています。
廃材も、命も、人も。
見方が変わると、新しい価値が見えてくる。
久夫美術館は、そんなことを静かに教えてくれる場所でした。
また、海の見えるカフェでゆっくり過ごしに、訪れたいと思います。

久夫美術館(沖縄県八重瀬町)
📍沖縄県島尻郡八重瀬町具志頭1038-1
🕙営業時間:10:00〜17:00
※月・火休み(訪問前に最新情報確認がおすすめ)
🎫入館料:500円
🎟年間パスポート:1,000円(何度も訪れたい方におすすめ)
🚗駐車場あり
☕海が見えるカフェ併設
⭐Google口コミ4.9(2026年4月時点)
🌐公式サイト:hisaobijutsukan.com
☎098-914-0688
