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『私の話』第4話 日常という幸せ

「腎盂腎炎で手術?」と思われるかもしれません。

私の場合、結石が尿管に詰まり、わずかな隙間からしか尿が流れず、
腎臓に溜まった毒素が全身に回ってしまっていました。

——かなり危険な状態でした。

手術では、尿の通り道を確保するために「ステント」という管を入れました。
体調が安定するまで入院し、回復を待って一次退院。

9月に紹介先の病院で二度目の手術が予定されていたため、
それまでの間、仕事に復帰しました。

本当は、もう少し休みたかった。
けれど上司(男性)が「自分も経験者だから大丈夫」と気遣ってくれたおかげで、
なんとか続けることができました。

それでも、毎日は想像以上に辛いものでした。

歩くたびに、ステントが体の中で当たり、血尿が出る。
その違和感と痛みを抱えながら、過ごす日々でした。

二度目の手術の前には、ステントの交換がありました。
麻酔なしの処置と聞き、強い緊張を感じていました。

ところが——

処置を担当したのが研修医だったようで、
加減を誤り、強く引き開かれた瞬間、

「イターイ!!」

思わず叫んでしまいました。

外来で診察していた担当医が慌てて駆けつけるほどの痛みでした。
出血はしましたが、とりあえず処置は終了。

廊下に出ると、叫び声が聞こえたらしく娘が真っ青な顔で待っていました。
夫は席を外していて、このことを知りませんでした。

あの痛みは、出産よりも痛かった——
今でも、そう思います。

その後の手術で結石を破砕し、
10月、ようやくステントを抜くことができました。

抜くときは相当な覚悟で処置に臨みましたが、
ほとんど痛みはなく、

「あの時のはやっぱりミスだったんだ」

そう確信しました。

ステントの入っていた4か月間は、
とにかく辛く耐えるしかない毎日でした。

けれど、それを抜いてからは体も少しずつ楽になり、

「普通に過ごせることが、こんなに幸せなんだ」

そう、心から思えるようになりました。

朝起きて、何事もなく一日が始まること。
それだけで、十分すぎるほど幸せなのだと気づいたのです。

ただ、発症してからは食事も思うように取れず、
再発への不安から食材にも気をつかう日々が続きました。

その結果、1年で25kg。
さらにその後も減り、最終的には30kgも体重が落ちてしまいました。

痩せたせいで体力も落ちてしまい、
これまで考えていた「老後のための貯蓄」よりも、

「無理をせず、時短で働くことも考えよう」
と思うようになりました。

30kg痩せると、見た目も、着る服も、全て変わります。

それでも今、こうして日常を取り戻せたこと。
それが、何よりの喜びです。

このあと、思いもよらない出来事が起こります。

続きは第5話へ  
▶ 第5話「間に合わなかった想い」

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