『私の話』第2話 異変のはじまり
仕事を始めて2年目の5月。
ある日、急に腰に激しい痛みが走りました。
これまで経験したぎっくり腰とも、子宮内膜症の痛みとも違う――
じっとしていられないほどの、耐えがたい痛みでした。
思い返せば、前年の夏にも同じような痛みがありました。
お盆休みでかかりつけの内科がお休みだったため、休日外来を受診すると、
「結石かもしれませんね」
そう言われ、痛み止めだけをもらって帰宅しました。
ところがそのときは、半日ほどで痛みが自然に引いてしまい、
私は深く考えず、そのままにしてしまったのです。
それから約1年後。
再び、あの痛みが襲ってきました。
「もしかして、あのときの“結石”かも……」
嫌な予感が頭をよぎりました。
泌尿器科を受診すると、やはり結石でした。
薬を処方され、痛みに耐えていたその夜、
突然、痛みがスッと消えたのです。
トイレに行くと、小さな石が尿と一緒に出てきました。
「お前が私を苦しめていたのか!」
思わず口にしてしまいましたが
あの激しい痛みから解放された安堵のほうが大きく、ほっとしました。
――しかし、それで終わりではありませんでした。
2か月後の7月初め。
今度は反対側の腰が痛み出しました。
再び泌尿器科へ。
診察を終えたあと、院内の冷房がやけに冷たく感じ、
「ちょっと寒気がします」
そう先生に伝えましたが、特に取り合われることもなく、薬をもらって帰宅しました。
そしてその夜、午前2時ごろ。
トイレに起きた時、
急激な悪寒に襲われました。
身体がガタガタと震え、止まらない――。
慌てて上着を羽織り、毛布にくるまり、ただひたすら耐えました。
1時間ほどで震えはおさまりましたが、今度は体温がどんどん上がっていきました。
翌日、内科でコロナとインフルの検査を受けましたが、どちらも陰性。
「食事が取れないようなら泌尿器科へ」と言われましたが、その日は土曜日で診療時間も終了していました。
「月曜になったら行こう」
そう思い、その日は横になることにしました。
――けれど。
その日の夜、10時ごろ。
また、あの悪寒が襲ってきたのです。
骨の芯まで凍るような冷たさ。
身体の震えは止まらず、声も出せないほど苦しくて――
『このまま、どうにかなってしまうんじゃないか』
そんな恐怖が頭をよぎりました。
ついに、叫びました。
「助けて! 助けて!!」

このあと、思いもよらない出来事が起こります。
続きは第3話へ
▶ 第3話「叫びの夜、白い病室 」
