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「お客さまの声を聞いている」だけでは店舗は変わらない」──飲食業界CX向上につながる「その先の一手」を探る

「お客さまの声を大切にしています」と掲げていない企業を探すほうが難しいかもしれない飲食業界。アンケートを実施し、NPSを計測し、結果をレポートにまとめる──そこまではできている企業はたくさんあります。
けれど、そのデータを見た店舗のスタッフが「じゃあ明日から何を変えよう」と自発的に動き出す状態に至っているかというと、話は別です。

「声を集めること」と「声で現場が動くこと」の間には、想像以上に大きな溝があります。
今回は、その溝を異なるアプローチで埋めた2つの飲食企業の取り組みから、CX改善の「その先」を考えてみます。

NPSと売上の相関を「見える化」したら、従業員の意識が変わった

ゴンチャ ジャパンの取り組みが示唆的なのは、CX改善のブレークスルーが「従業員体験」の側から始まったという点です。
同社はコロナ禍で売上が低迷する中、経営企画本部を中心に全社横断のCX/EXプロジェクトを立ち上げました。EmotionTechを活用した3フェーズのNPS調査を戦略的に設計し、顧客の声を定量的に可視化することを目指したのです。

その過程で明らかになったのが、店舗利用のNPS向上が売上の伸長と直結しているという相関関係。そして、その好循環の起点にあったのがeNPS──つまり従業員の推奨度でした。良い従業員体験が良い顧客体験を生み、それが売上に反映される。この構造がデータで裏付けられたことで、調査結果に対する現場の受け止め方が一変したといいます。さらに、TopicScanを活用してアンケートのフリーコメントを客観的に分析したことで、「何から改善すればいいか」の道筋も明確になりました。

データは、それ自体が現場を動かすわけではありません。けれど、「なぜこれをやるのか」「何をすればいいのか」が腹落ちした瞬間に、データは行動のトリガーになります

400店舗の「物差し」をお客さまの声でつくる

まったく異なるアプローチで成果を出したのが、直営・FC合わせて400店舗超を展開するある和食系飲食チェーンです。

この企業が直面していたのは、「何を基準に店舗を評価するか」が統一されていないという課題でした。紙のアンケートは実施していたものの、集計に手間がかかり、改善の方向性も各店舗の判断に委ねられていた状態。
そこで同社は、お客さまの声をもとにQSC(Quality・Service・Cleanliness)の共通指標を設計し、レシートからアンケートに回答できる導線を整備。紙からデジタルへの完全移行を実現しました。

注目すべきは、この仕組みが「調査の効率化」に留まらなかったこと。QSC評価の高い店舗を表彰する社内コンテストが生まれ、店舗間にポジティブな競争意識が芽生えていきました。「やらされるCX改善」から「自分たちで高めたくなるCX改善」への転換です。

「声を聞く」の先にあるもの

2つの事例に共通するのは、顧客の声を「集めて終わり」にしなかったということです。ゴンチャは従業員体験との連動を可視化することで「なぜCXに取り組むのか」への納得感を生み、和食チェーンは共通指標という形で「何を改善すればいいのか」の道筋を全店舗に示しました。

CX改善の議論では「どう調査するか」に注目が集まりがちですが、実は「調査のあと、現場でどう受け止められるか」のほうがずっと大事なのかもしれません。
アプローチは違えど、どちらの企業も「現場が自ら動き出す回路」を設計しています。声が届き、意味がわかり、行動が変わる。その一連の流れをどう仕組みにするかが、CX改善の成否をわけるのです。

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※本記事で取り上げた内容は、エモーションテックのサイトの「導入事例」で公開中の記事をもとにしています


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