【8】グルテン
【5】酵母で調べたとおり「パンを作る」とは、発酵の過程で排出された二酸化炭素+香味成分を、グルテンでうまくキャッチすることである。
グルテン組織は、イーストによる発酵活動によって生成される二酸化炭素を閉じこめる働きがあり、閉じこめられた二酸化炭素によってパン生地がふくれる。
発酵が弱い(=二酸化炭素ガスが少ない)とグルテン膜が伸びないし、逆に、発酵が強い(=二酸化炭素ガスの勢いよく出る)と、そのガス圧でグルテン膜が破れてしまう。
また、作りたいパンの種類によっても、好ましいグルテン組織のタイプが違うようだ。パンの種類とグルテン膜形成の関係一覧をChatGPTに作ってもらった(ChatGPTの信頼度は、個人的には80%くらいだが、趣味レベルの調査なので、これでいいことにする。)
パンの種類とグルテン膜形成の関係(調査結果より抜粋)
🔹 2. ソフト系(食パン、ミルクパンなど)
• 適度なグルテン膜が必要
• しっかりこねて、弾力と粘りのある生地にする(ボウルの底に膜が張るのが理想)
• グルテンが強すぎると食感が硬くなりすぎることもある
• 目の詰まったきめ細かなクラムには、均一なグルテン構造が不可欠
🔹 3. 高加水パン(リュスティック、チャバタなど)
• こねずにグルテン膜を自然に形成する(オートリーズやストレッチ&フォールド)
• 強くこねるより、時間をかけて伸展性のある膜を作る
• グルテン膜が弱すぎるとだれて膨らみにくくなる
• グルテンが薄く、粘り強いことで気泡が多く軽い仕上がりに
🔹 6. 無発酵・低グルテン系(スコーン、クイックブレッド、イングリッシュマフィンの一部)
• グルテン膜はほぼ不要か、最小限でよい
• 練りすぎるとグルテンが発達してしまい、食感が固くなる
• 柔らかさやホロっと感を重視するタイプでは、グルテンの発達は抑える
前回、「大きな気泡がないのは、そもそも、気泡を大きく育てるような捏ね方をしていないことや、レシピが目指す方向性がそっちではないことが原因の可能性が高い。」と書いたが、上記の一覧を踏まえて、元々のレシピや過去試作の記録を見直すと、そのとおりだった。
・気泡を大きく育てるような捏ね方をしていない ー> YES
・レシピが目指す方向性がそっちではない ー> YES

元々のレシピについていた出来上がり画像。
比較的目が詰まっており、断面に大きな気泡がない!
ー>このレシピでは、大きめの気泡が入ったイングリッシュマフィンは焼けない!
グルテンについて
「グルテン」自体について調べた。
グルテンとは、球状タンパク質の1種であり、弾力と伸展性を備えた網状構造を構築する
グルテンは、グリジアン(粘り・伸び担当)とグルテニン(弾性担当)が結合することによって、生成される
グリニジンとグルテニンは単純タンパク質(アミノ酸だけで構成されたタンパク質)である。

単純タンパク質は、アミノ酸の集合体であり、環境条件(pH、温度)・酵素・水の影響を受けて、ぺプチド結合がほどけて(加水分解されて)、ほかのタンパク質(アミノ酸)と化学反応しやすくなる。
ー> オートリーズ法に関連する
※高校化学の復習
高校で使った化学の図説や簡易版の分子モデルセットがみつかったので、ペプチド結合(N-H-C=O)の構造を作ってみた。
実際にモデルを組み立てると、水(H2O)があるだけで、タンパク質がほどけていくのが納得しやすい。

グリジアン:「グリジアン-α」「グリジアン-β」などの「グリジアン-〇」の総称であり、小麦アレルギーの原因になる単純タンパク質である。その構造は、1本の長い鎖状(アミノ酸がペプチド結合でつながったポリペプチド鎖)になっている。原則として、捏ねるだけでは、グリアジンの構造は変わらない。グルテン形成の加圧によって、グルテニンが構成する骨格の中に混ざり込んで、グルテンに粘性や伸展性を与える。
ー> 生地同士を擦り合わせるように捏ねるのが大事な理由
グルテニン:複数本の長い鎖(ポリペプチド鎖)が、折れ曲がったり絡まったりしながら、結合した構造である。1本の鎖内は、直線的にペプチド結合で緩く繋がっているが、ほかのグルテニン(別の鎖)や折れ曲がって接触した自身の鎖内で、ジスルフィド結合(硫黄原子を媒介とする共有結合)をする。グルテンの骨格を作るジスルフィド結合は、酸化される(=酸素がくっつく)と結合が作られ、還元される(=酸素が外れる)と結合が切れる。
ー> 酸素を取り込むように捏ねるのが大事な理由
上記のペプチド結合やジスルフィド結合以外にも、生地内の塩分が関係するイオン結合や水素結合などがはたらいて、グルテン膜が形成されるらしいが、どこまでも細かい話になっていくので、今回は割愛する。
今週の試作
YouTube等の動画で調べたところ、気泡が多めのイングリッシュマフィンを作るためには、弱目に捏ねて、冷蔵発酵でゆっくり発酵させる(=二酸化炭素ガスを少しずつ出す)ほうがいいらしい。そこで練習として、卵や牛乳が入らないシンプルなレシピ(ChatGPTで作成)で試してみた。
気泡の入り方は、朝マックにかなり近くなったと思うが、風味や歯切れの良さは、まだまだ改善が必要だ。


食べたいイングリッシュマフィンに少しずつ近づいてきたと思う。パン作りの奥深さに負けそうだが、あと数ヶ月くらい粘れば、とりあえずのゴールにたどり着きそうな気がする。
