本を読むのは、会えない人に会うためだ。
MBAでの学びを振り返った時、楽しかったことの一つが、普段ならお会いできないような方の話を直接聞けたことでした。
教授の講義はもちろん面白いのですが、教授のコネクションによって、さまざまな実務家や経営者が授業に来てくださいました。
誰もが知っている会社のトップ。私はまったく知らなかったけれど、先生が「ぜひ学生に話を聞いてほしい」と、自信を持ってつないでくださった方。
そうした方々の話は、本当に面白いものでした。
華やかな成功体験だけではなく、そこに至るまでにどんな失敗があり、何を考え、どのような判断をしてきたのか。ご本人の言葉で聞くからこそ伝わってくるものがありました。
そして、少し大げさかもしれませんが、
「いつか自分も、この舞台に立ちたい」
「自分自身も、誰かに話を聞いてほしいと思ってもらえる存在になりたい」
そんな思いも芽生えました。
卒業すると、会える人が減ってしまった
MBAを卒業して数か月。
当然ながら、そのような方々の話を聞ける機会は、ぐっと少なくなりました。
少し残念ではありますが、当たり前のことでもあります。大学院に在籍し、教授がつくってくれた環境の中にいたからこそ、得られた機会だったのです。
では、卒業した後はどうしたらいいのか。
そんなことを考えていた時、先日紹介したカワニシカバンの川西功志さんの本に、大きなヒントをもらいました。
とても当たり前のことなのに、なぜ今まできちんと気づかなかったのだろうと思います。
本を通じてなら、これからも多くの経営者や魅力的な人に出会える。
直接会うことはできなくても、その人の考え方や経験に触れることはできます。
一冊の本で、その人の歩みに触れられる
経営者が書いた本には、単なる成功体験だけではなく、そこに行き着くまでの経緯が書かれています。
何に悩み、どこで失敗し、何をきっかけに考え方が変わったのか。経営者として、どんな判断軸を持っているのか。そこには実践的な知識やテクニックも含まれています。
もちろん、本に書かれているのは、その方の人生や経験の一部分にすぎません。
それでも、何年、何十年とかけて積み重ねてきた経験や思考に、一冊二千円程度で触れられる。
考えてみると、本当にありがたいことです。
直接お話を聞くからこそ得られる空気感や、質問によって深められることもあります。それは本では完全には再現できません。
それでも、さまざまな人の人生や経営に触れ、
「自分だったらどうするだろう」
「この考え方を、自分の現場に置き換えるとどうなるだろう」
と想像しながら読むことには、大きな学びがあります。
自分に合う答えを探すだけではなく、異なる考え方に触れ、自分自身の考えを確かめることもできるのです。
私には「お寺」という視点がある
私の場合、本を読む時に一つの基準があります。
それは、お寺です。
この話をお寺に置き換えると、どうなるだろう。
今、私が住職を務めている円蔵寺なら、どう考えるだろう。
この経営者の判断から、お寺の運営に生かせることはないだろうか。
そんな視点で読むと、経営者の本も組織論の本も、急に自分とつながってきます。
MBAの授業やケーススタディでも同じでした。
ただ内容を覚えるだけなら、知識としての学習で終わります。しかし、自分の現場を持ち、「自分ならどうするか」と問いながら学ぶと、実践に結びつく学習になります。
本を読む時にも、この視点があるかどうかで、得られるものは大きく変わるのだと思います。
積読で終わらせないために
これからは、もう少し意識的に本を読んでいこうと思っています。
実は今も、良い本に出会えたようで、ワクワクしながら読み進めているところです。
せっかくnoteに自分の学びを記録しているので、読んだ本についても定期的に紹介できればと思っています。
ただし、ここまで偉そうに書いておきながら、私は本を買って満足してしまうところがあります。
気になる本を見つけては買い、手元に置いて安心する。いわゆる積読です。
本棚にあるだけでは、まだ誰にも会えていません。
本を開き、その人の言葉に触れ、自分だったらどうするかを考える。そこで初めて、本を通じた出会いになるのだと思います。
今回は、自分自身の読書への意識を高めるためにも、この記事を書いてみました。
MBAを卒業して、普段会えない人の話を聞く機会は減りました。
それでも、本を開けば、会いに行ける人がいる。
これからは本を通じて、もっと多くの人の考え方や人生に触れていきたいと思います。
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