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世にも奇妙なコトバカリ短編小説コンテスト"最終結果発表"

総評

暑い……。
暑いですね……。
そんな会話が日本中で聞かれる今日この頃、皆さまはどのように"涼"を感じていらっしゃいますか⁉️
私は主に、キンキンに冷やしたジョッキで飲むビールやハイボール、そしてガツンとみかんで乗り切っていたのですが、現在とある事情でガツンとみかん以外の武器を失っております💦 私は夏を乗り切れるのでしょうか……。
これも、どうでもいい話ですが、この"涼"という漢字、私の好きな漢字ベスト3に入ります。なんとなく、水辺の窓にかけられている風鈴をイメージして、とても私にとって心地よい漢字なのです。
とまあ、そんな私の漢字に対する性癖は置いておいて、"怖い"映画や小説に触れる、というのも古くから取られている避暑の一つです。今回、『世にも奇妙な』お話がテーマであるため、一定数以上の"怖い"をベースにした奇妙な物語が集まることを予想していました。しかし、蓋を開けてみれば、私なんぞの思い描く"奇妙"を遥かに凌駕する"奇妙"な物語が集まりました。純然たる"怖さ"を感じる奇妙な物語。日常に潜む"違和感"を楽しむ奇妙な物語、普通ではない"愛情"を表現した奇妙な物語。一人思い出し笑いをしてしまうような"笑える"奇妙な物語。最終的に見ると、"怖さ"を全面に出した作品は少なかったように思えます。

応募総数63作品
一次通過27作品
入賞   9作品

一番最初の応募作品は、
2026/3/1  9:52:50
一番最後の応募作品は、
2026/5/17 21:59:45
*21:59:30の作品もありました。
15秒前って、通信トラブルあったら詰むじゃん💦 なんともチャレンジ精神旺盛と言いますか、すげぇなと。

今回のテーマが、『世にも奇妙な物語』の原作に相応しい作品を募集する、というものでした。「西暦199X年、世界は核の炎に包まれた!」的な設定よりも、日常からほんの少しだけ逸脱した物語が高い評価を得た傾向にありました。

一次審査から激戦でした。二次審査はさらに……。私はその重責に酒量🍻↗️してしまいました。もれなく絵空事家のエンゲル係数も💰↗️。そのくらい激戦だったんですよ。←ドノクライダヨ。
そして、最終結果を見た審査員一同、「こうきたかぁ」と唸り声を上げました。長くなりましたね💦 前置きはこのくらいにして、さっそく結果を発表したいと思います。

📕受賞作品について📕

最優秀賞、うたかた賞、ななせハチミツ賞、絵空事賞、優秀作品に選出された作品は、2026年の秋に開催される文フリ東京43で販売予定の"世にコンアンソロジー"(仮題)に収録されます。

🏆入賞作品🏆

最優秀賞
『チーズは伸びる生き物です』/星様

選評
ツイ廃の私は「あー猫は液体だったり、伸びをすると長くなったりしますよね」などと映像を思い浮かべながら、この物語を読む。主人公は拾った猫がやたら伸びるので、チーズという名前をつけるのだ。『尾は気ままに揺れ、クリーム色の体毛からはひなたの匂いがする』(見事な描写)猫との生活に微笑んでしまう。主人公と獣医との会話も村上春樹的で、ポップで洒落ている。だが、この可愛らしい猫との話をどう奇妙にしていくのだろうか? ムズくない? 筆者が俺だったら無理やで。杞憂におわりました。チーズはだんだんと奇妙な世界の住人となります。透明になったりなんだったり。奇妙さのスケールが大きくなる展開が堪らない。しかもオチも秀逸でした。感動的かつユーモラスで胸に残るものがある。隙がなく至高の領域に近い。投票でも大勢の選者票を集めたので、これは僕だけの感想ではないだろう。星さん、素敵なお話を書いてくれてありがとう。最優秀作品にふさわしいお話でした!
(うたかた)
この作品の最大の魅力は、不条理な存在であるはずのチーズに、主人公が“ただの猫”として無条件の愛情を注いでいる点だと思います。物語では地球規模の異変という、とてつもない出来事が起こります。しかし私は、その“すごいこと”にほとんど動揺しませんでした。気づけば主人公の感情に深く引き込まれ、読者として本当に大切なのは愛猫チーズの存在になっていたからです。だからこそ、私が最後まで気になっていたのはチーズの行方だけでした。さらに、チーズ自身も今回の応募作の中で際立ったキャラクターだったと思います。読者はきっと、それぞれの“自分だけのチーズ”を思い描くことでしょう。初めての世にコンの最優秀賞にふさわしい、素晴らしい作品をありがとうございました。
(絵空事)
展開のテンポが良い作品ですが、説明不足だと感じることはなく読めてしまうところに、作者さんの高い力量が伝わってきます。上限5000字でここまで世界を広げられるのか、と驚かされました。同時に、ただ話を広げるだけでなく、語り手には地に足がついた優しさがあり、壮大な内容とのバランスのとり方が見事だと思います。また、最激戦の猫小説でコンテストを勝った、というのも強いです。猫小説は世にコンだけでなく、他のコンテストでも応募が多い。まさにレッドオーシャンだと思います。それでも猫小説を選び、「チーズ」という魅力的な猫を誕生させた。最優秀賞にふさわしい作品だと思いました。
(佐藤相平)
キュン。これはよいネコチャンです。伸び伸びとリラックスしたアイディアであるように思いました。「チーズ」が「チーズ」そのものだと予想したので、意外性に持っていかれました。
何かしらの生き物が主要なものとして登場する作品が複数あったため、それらの中で比較せざるを得なかったのですが、こちらの作品は頭一つ抜けていました。「チーズ」というネーミングに物語上必要な性質がきちんとあるところや、猫というモチーフをかわいさの象徴として扱うだけではない点等々、ソツなく考えられているように感じられました。随一のほのぼの作品でありながら、物語としての魅力が詰まっている。好感度の高い作品でした。
(夏原秋)
世界全体が世にも奇妙なのですが、それでいて、なんというかハートフルという言葉がぴったりな作品でした。驚きの展開、衝撃の事実てんこ盛りなのに、一定の空気感でたんたんと進行していく物語にはドキドキではない種類の吸引力があります。単純にストーリーを楽しみたい、主人公と一緒に”チーズ“を探す終末を見守りたい、ぬこをモフりたい!そんな思いで読み進められます。
主人公の”チーズ“に対するあたたかな愛情がとても心地よく表現されていました。どんなことになろうとも”チーズ“は”チーズ“なのです。
言う事無しの物語性でした。タイトル回収もありつつ愛の溢れるラストが大好きです。とても素敵なお話でした。
(まちか)
「猫を拾った〜よくしゃべる猫だ。」という冒頭から、ニヤリとしました。ははあ、実は猫じゃないよね? …ん? もしや主人公は正気ではないのか? いや、まわりの人たちが変なのか? まさか、おかしいのはわたしか?! などと、ずっと誰か何かを疑いながらも、すごく楽しく読みました。やや眉をひそめつつ口角が上がっている、きっと変な顔で読んでいたと思います。明るくあたたかなケムに巻かれるような作風で(わたしは特に猫好きでもないのに!)、大好きな作品です。動物ものの良作がひしめく中で、見事な「伸び」で一番人気でした。最優秀賞おめでとうございます!
(ななせハチミツ)

うたかた賞
『液は鮮やかなグリーン』/長鳴こどり様

選評
本コンテストは5,000文字以内の公募。他の受賞作は4,000文字以上のところ、『液は鮮やかなグリーン』は2,800文字ほどでした。そうすると登場人物の数や、ストーリー展開などが限られ、筆者の想いを語りつくせず不利となる。公募勢の私はそのように思っておりました。確かに本作の登場人物も、手の甲にグリーンの水疱ができた主人公だけ(序盤に医師が少し登場しますが)。ストーリーも主人公が日記を書き、絵を描く。創作活動をするのみです。想像の余白のある終わり方は、幻想文学ともいえる。『世にも奇妙な』の部分は華麗にクリアしているとはいえ、『コトバカリ』の部分はどうなのか? 『世にも奇妙なコトバカリ』には先が気になる展開と、意外なオチがなければならないのではないだろうか。そんなところを思い悩んで、本家『世にも奇妙な物語』を振り返ってみました。すると、あるんですね。ただただ迷宮に迷いこんだ男の話や、謎の鍵を差しこんでいくのみの話など、オチが明らかにならない話が。それぞれ、印象深い奇妙な世界にズブズブとはまっていく楽しさがある。そう思うと、本作は地表に広がっていくのではなく、グリーンの湖という主人公の内面に深くダイブする形の、奇妙な話ではないだろうか。私は筆者の巧みな文章に感心しつつ、抒情的な世界観にしっかりと浸ることができました。これほどの筆力がない私としては恐縮ですが、うたかた賞を進呈したく思います。
また、審査中に他の審査員との話題にものぼったので、私だけでなく皆に通じる確かな魅力のあるお話だったと思います。
(うたかた)

ななせハチミツ賞
『ポケットのなかのぽっけ』/阿坂春様

選評
「ある日、私のポケットの底から手が生えた。」そんな書き出しから、好奇心が止まりませんでした。バラバラ死体かと驚愕するものの、コートのポケットの中で手はコミカルに動き、どうやら悪意もない。しかも、やわらかく小さな子どもの手らしい。そんな謎の手に「ぽっけ」と名付け、なんとなく共生してしまう主人公。一人暮らしの会社員である彼女が、「誰かに必要とされたい」という心理から「ぽっけ」を受け入れやすい状態にあったこと、また生来おおらかな性格であることを、日常の描写から匂わせる手法が巧みです。同時に、その不可解な状況を「変だ」と断じる同僚がいることで、読者にリアリティを感じさせるテクニックにもうなりました。簡単な意思疎通ができるようになり、次第に人間味と個性を表してきた「ぽっけ」。彼(?)と協力し、その正体に関係すると思しきとある事件の解決に二人(?)で挑む展開が、まるでバディもののように熱く、ワクワクしました。不気味な序盤からは想像できないこの展開。そして感動のラストに……ラストに……!? 心をガクブルに揺さぶられました……!! 予想のななめ上をゆくストーリーは、まさに世にも奇妙なコトバカリ。僭越ながら、「ななせハチミツ賞」を授与します。このたびは素敵な作品を応募してくださり、ありがとうございました。……余談ですが、かつて小学生だった娘のリクエストで「ぷにるんず」というおもちゃを買ったことがあります。ソフトボール大のたまごっちみたいな育成系のおもちゃで、丸く硬い本体の一部に指を入れられる孔があるんです。指先でやわらかな「中身」をさわったときの、あのなんともいえない気持ちが、しまった心の引き出しからぬらりと出てきました。また奥にしまっておかないと!
(ななせハチミツ)

絵空事賞
『スイートホーム』/髙岡しう様

選評
家族で遊園地に行った帰り道、夕ご飯を外で済ませて帰ろうとして、普段は使わないようなファミレス入った経験をした人は多いのではないでしょうか。そのファミレスで料理提供が遅くて足止めされる。そんなよくある日常の出来事が、奇妙な世界に繋がっていきます。この日常の延長線上にある奇妙な世界こそ、本コンテストのテーマに一番近いと思いました。本作の重要なアイテムとして登場するのが、キッズメニューの”まちがい探し”です。一見よくある子ども向けの遊びですが、それが物語全体を引っ張る仕掛けとなり、読者も登場人物と一緒にページへ目を凝らすことになります。物語が進むにつれ、まちがい探しと並行するように、家族それぞれの思いやすれ違いも少しずつ浮かび上がってきます。ただ怖いだけではなく、人と人との関係性にも自然と目が向く構成が印象的でした。娘の美羽の存在もとても効果的でした。夫婦の何気ない言い争いや、疲労によって余裕を失っていきます。そんな中、美羽の無邪気な言動が、張り詰めた空気をやわらげ、読者に束の間の安堵を与えてくれます。そして、まちがいを探しを続ける家族は、入店前とは違った空気を醸し出していることでしょう。読後に改めて、『スイートホーム』というタイトルが見事に回収されていることに気が付きます。ホラーとしての緊張感と家族ドラマとしての温かさが高いレベルで両立した、とても完成度の高い作品でした。絵空事賞は大きな賞ではありませんが、一人の読者の心に深く刺さった作品として多くの方に読んでもらいたいと思います。素晴らしい作品を応募していただき、本当にありがとうございました。
(絵空事)

優秀賞(応募順)
『ニンゲン園』/つなべ夏様

選評
感情が走っているとでも言いましょうか。独特の速度を持つエモーションは他作品と一味違いました。
ニンゲンを展示するというモチーフは既視感があるのですが、徐々に読み解くおもしろさが詰まっている一作です。映像でも見てみたいけれど、この原作の良さを引き出すだために、ニンゲンを絵でどう表現するのかが難しいなとも思います。それは当作品に小説としての良さが活きている証拠でもあります。ビジュアルの情報を小出しするという手法は、文字表現だから出来るリズムでは無いでしょうか。
細かいところまで拾うと、キュウリというアイテムが絶妙にゆるいところも好きだったりします。とにかく塩加減が私の好みで、一読して惚れる作品でした。
(夏原秋)
物語の軸となる「愛」と「情」を多方面から味わえるディーブな作品でした。登場人物の立場、容姿の対比が最大のポイントであり仕掛けに感じます。すべて話してしまいたい。ネタバレ無くしては語り尽くせない!…いやしかし、そうでしょうか。この物語は言葉がキーとなっています。少しの言葉でもお互いが慈しみを持って丁寧に伝え合えば十分届くのです。紐づけには多少の痛みが伴おうとも、それが揺るがない語彙となっていくのではないでしょうか。
二人が心通わせるあの場面はキラキラ光って見えるとても美しいシーンでした。世にも奇妙な世界の中でも、愛情という「普遍」を次に繋いでいくという、生きとし生けるものの「性(さが)」を見た作品だと思いました。
(まちか)

『落とし物リレーゲーム』/東里胡様

選評
「落とし物ですよ』という一言から、物語は始まります。慌ただしい朝の通勤ラッシュの中で、「すいません」や「ちょっといいですか」と声をかけられても、ほとんどの人は足を止めないでしょう。しかし、『落とし物ですよ』と言われた瞬間、声をかけられた側は“落とし物をした人”として、自動的に舞台へ引きずり出されてしまうのです。この冒頭の一文が非常に効果的だと感じました。一方で、ルール説明には""?""と違和感を覚える部分があります。その疑問を抱えたまま読み進めるうちに、不条理なペナルティが始まり、読者は自然と実行委員長の正体について推測を巡らせることになります。デジタル時代でありながら、手紙を手渡しするというアナログなゲームの中に潜む得体の知れない恐怖が印象的でした。ラストについては審査員間で賛否が分かれましたが、私はこの結末こそが作品に最もふさわしい、ベストな終わり方だったと感じました。
(絵空事)
スピード感のあるスリリングな進行で、読み手も目を離してはいけないような感覚になります。理不尽!実に理不尽!! 主人公の日常が焦りに変わっていくさまが真に迫っていています。不幸の畳み掛けがなんともイヤですね。ちょっと運が悪いと出会わなくもないレベルの不幸がリアルです。しかしこれはまだ序章にすぎないと…なるほど、全走者の身なりの回収となるわけです。世にも奇妙なリレーのはじまりDEATH!
(まちか)

『うそぶき』/和來花果様

選評
社会問題になっている闇バイトに手を出してしまった、ちょっと頭が弱いけど悪人ではない主人公。ああ、やっちゃった、いや、やるよね、そうだよね、だけどそれ、ダメなやつだよ〜!! 読者にそう思わせるのが最高に上手いです。適当な名付けで彼らの関係の薄さを表している手法にもうなりました。キタナイ三人組も、近日中にちゃんと捕まってくれますように!
(ななせハチミツ)
言葉遊び巧みな作品です。…ってことはこうか、と読み進めていくのですが、主人公はどうも憎めないキャラクターでして、やめとけやめとけ、と、知らぬ間にうっかり肩入れしているような没入感があります。舞台背景設置場所すべてにおいて、向いてないでしょ、と思わざるを得ず、読者は危うい主人公から目が話せず、見守っていかなくてはなりません。最後まで、ね。
(まちか)

『交通安全の町』/紫冬湖様

選評
一読して、完成度については全応募作品の中でも一番ではないかと思いました。本当によくできている。このまま、商業誌に掲載されていても違和感がないし、「世にも奇妙な物語」に採用されてもおかしくない。予算内で映像化できそう。作者さんには申し訳ないですが、この作品を読み終わってすぐに、「世にも奇妙な物語データベース」の全話リストで、似た話があるんじゃないかと探してしまいました。疑ってしまってすみません。そのくらい採用されそうな雰囲気があります。僕の中では主演は要潤さんです。ある程度高身長の俳優の方が、ラストシーンが映えるはず。「このコンテストが番組関係者の目にとまり、実際に原作に採用される」という「世にコン」の目標を達成するためには、この作品が必要だと思い、強く推すことにしました。
(佐藤相平)
とてもシンプルでわかりやすいアイディアです。日常の風景から入り込みやすくかつ、とんでもない目に遭う流れがスムーズで、素直に読んで楽しめる作品でした。
不条理な事件に巻き込まれる系統と分類し、似た作品との比較では、走り抜け方が突き抜けているので、こちらを推し作品としました。
映像で見たいおもしろさで溢れています。どこにでもある日常から、少し道を外れただけで奇妙な世界に迷い込む、恐ろしいストーリーだと思います。
余談、思わずWEB検索してみたわけですが、道路標識にまつわる都市伝説とか出て来ておもしろかったですね。
(夏原秋)


『実験教室』/鳥辺野九様

選評
僕は最近は一人称の自分語りのような小説ばかり書いていますが、三人称の小説に対してあこがれがあります。この作品は特に、三人称の小説にしか出せない俯瞰性や分析性を強く感じました。描写対象と適度に距離をとった文章が、作品全体の構成美を際立たせていたと思います。対比構造があきらかな小説はうまくいかないと作り物感だけが目立ってしまいますが、この作品は内容や独特な言葉遣い・文体が、形式に納得感を与えていると思います。「無味無臭な慇懃無礼」など印象的な表現も、厳かな雰囲気を生み出すのに貢献していました。同時に、生真面目過ぎるわけでもなく、知的なユーモアも味わえました。
(佐藤相平)
とてもおもしろかったです。よい作風だなと思いました。読み始めは文体に違和感があったのですが、読み進めるうちになるほどと思わせる力を感じ取りました。「上手い」と思わせる文章は世の中に溢れていますし褒められて当然なのですが、何か物語を語るのに適した文章は、その物語にしか無い個別のものなのだと、そんなことを考えさせられました。パンの行く末に終始するかと思いきや、別の着地点が用意されていた点で、読了後の満足感が高かったです。構成のバランス感覚だと思いますし、構成のための適した文体という点で、強い作品であると捉え、高く評価しました。
(夏原秋)


🎤作者紹介🎤

最優秀賞
『チーズは伸びる生き物です』/星様

⬜️作者紹介
雨とコーヒーとチョコレートが好きな甘党。元葬儀屋さん。応募しては落選の数を増やす公募勢。魔法のiらんどショートストーリーコンテスト優秀賞、モノコン2025モノガタリー賞、140字小説コンテスト「季節の星々」冬の文字「天」佳作など。

⬜️受賞の声
最初に感謝の気持ちを伝えさせてください。この度はお忙しい中、コンテストを企画してくださり誠にありがとうございます。全ての作品に丁寧に向き合う、世にコン実行委員会様の真摯な姿勢に感銘を受けました。世にコン実行委員会様のように、これからも自分の作品としっかり向き合い、よりよいものを書けるように努力して参ります。受賞の連絡を受けたときには、驚きのあまりパソコンをひっくり返しました。壊れなくてよかったです。このたびは身に余る光栄と感謝申し上げます。とっても嬉しいです。ありがとうございます!

🎖️うたかた賞🎖️
『液は鮮やかなグリーン』/長鳴こどり様
Xアカウント

⬜️作者紹介
東京都在住。2026年よりエブリスタにて作品投稿を開始。好きな焼き鳥は鶏皮とぼんじり(共に塩)。手先が器用なことを誇りに思っている。小説を書き始めると眠れなくなってしまうのが悩み。

⬜️受賞の声
文章で賞を取ったのは小学校3年生の読書感想文以来です。それも夏休み最終日に母に頼み込んで書いてもらったものだったので、自力で受賞したのは初めてということになります。とても嬉しいです。うたかたさん、及び審査員の皆さん、運営の皆さん、ありがとうございます。
数年前からチマチマと小説を書き始め、今までは近しい人間に読ませるのみだったのですが、いざ外部に向けて投稿しようと思い立ったのは、Xで絵空事さんの「世にコン」関連のポストが偶然流れてきたのがきっかけでした。楽しそうだったので。自己完結型の趣味が、ふわぁ~と広がった感覚でなんだか心地良いです。書籍化・文フリ東京、楽しみにしてます。

🎖️ななせハチミツ賞🎖️
『ポケットのなかのぽっけ』/阿坂春様
エブリスタアカウント

⬜️作者紹介
エブリスタを拠点に活動する物書き。和風、ミステリー、ホラーが好き。日常が非日常へ溶けていく瞬間や、人の心の裏側を覗くような物語を好んで書く。河出書房新社『5分後に取り残されるラスト』に短編収録。

⬜️受賞の声
 この度は大変光栄な賞をいただき、ありがとうございます。匿名で作品そのものを見ていただけたことが嬉しく、身に余る思いでおります。選考に携わってくださった皆様に感謝申し上げます。
 怖がりのくせに子どもの頃から「世にも奇妙な物語」が好きで、よく家族とテレビを囲んでいました。「世にも」は物語が閉じても、あっち側に自分を残してきたような感覚、腑に落としきれない何かが留まっていると感じることがあります。それが癖になり、また摂取したくなってしまうのです。
 この異物感をどう表現したものかと頭を捻り、『ポケットのなかのぽっけ』が生まれました。作品を通して、その感覚をお届けできましたら幸いです。

🎖️絵空事賞🎖️
『スイートホーム』/髙岡しう様
Xアカウント
noteアカウント

⬜️作者紹介
小説公募3年生。日本児童文学者協会会員。小学生のころ、赤川次郎に憧れてショートショートを書き始める。現在は、児童文学、一般文芸、ショートショートなどの公募に挑戦している。牛と牛乳が好き。牛乳は3.6が好き。なんだかんだ言ってストレートで飲むのが一番好き。実家で飼っていたのは肉牛。

⬜️受賞の声
このたびは世にコンの開催おめでとうございます。
そして、すばらしい賞に選んでいただき、大変光栄です。
小中学生の頃「世にも奇妙な物語」のレギュラー放送を毎週楽しみにしていた世代です。好きな作品は「どつきどつかれて生きるのさ」「さよなら6年2組」「あなたの物語」です。
今回、もし世にもでドラマ化されたらどんな俳優さんがどんなセリフ回しで演じ、どんなカメラワークで撮るのだろう、と想像しながら執筆しました。とても刺激的で楽しい時間でした。
絵空事賞に選んでいただいたことを誇りに、これからも創作に励みます。
世にも愛あふれる主催の絵空事様、世にコン実行委員会の皆様、本当にありがとうございました。

🌟優秀作品🌟
『ニンゲン園』/つなべ夏様
Xアカウント
エブリスタアカウント

⬜️作者紹介
北陸出身、関西在住。2022年から執筆を始めました。受賞歴は、エブリスタ超妄想コンテスト大賞、オレンジ文庫短編小説新人賞佳作など。どんでん返しや伏線回収が大好きな、自称理系です。

⬜️受賞の声
尊敬するエブ作家さんたちが主催のコンテストということで、喜び勇んで参加させていただきました。審査員の方々を存じ上げているぶん、「この錚々たる面々に読んでもらって、選んでいただけた!」という実感が強く、とても嬉しいです。このたびは拙作を選出していただき、誠にありがとうございます。

『落とし物リレーゲーム』/東里胡様
lit.linkアカウント

⬜️作者紹介
児童文庫とライト文芸作家です!
青春、現代ファンタジー、ヒューマンドラマ、ラブコメ、ホラー、童話を得意としております。
近著「さよなら、私の愛した世界」(アルファポリス文庫)好評発売中!

⬜️受賞の声
選ばれなければ「参加してなかったし」と素知らぬふりを決めようとしていたくらいドキドキしていたので、知らせを受けて
「ぬおおおお!入賞したぜ!」とリアルガッツポーズかましたほど、めちゃくちゃ嬉しかったです!
選んで下さり、本当にありがとうございました。

『うそぶき』/和來花果様

⬜️作者紹介
神奈川県在住。天秤座のAB型。エブリスタやnoteを中心に、童話からホラーまで幅広く創作している。
些細な物音にびくっとし、夜はつい背後を振り返ってしまうほどの怖がり。
note×WEB別冊文藝春秋「#2000字のホラー」で、noteクリエイターフェスティバル特別賞・文藝春秋社賞を受賞。受賞作は落語家・柳亭小痴楽様にYouTubeで朗読された。

⬜️受賞の声
このたびは優秀作品に選んでいただき、本当にありがとうございます。
『世にも奇妙なコトバカリ』コンテストを主催・運営してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
募集を見た瞬間に「応募したい!」と思ったコンテストでしたので、受賞のお知らせをいただいたときは、思わず舞い上がってしまいました。
この作品を読んでくださった皆さまに、ほんの少し「世にも奇妙な」時間をお届けできたなら、この上ないしあわせです。

『交通安全の町』/紫冬湖様
Xアカウント

⬜️作者紹介
趣味で小説を書く会社員。時々公募にも挑戦中。第2回三服文学賞D&S賞、第3回ひなた短編文学賞佳作など

⬜️受賞の声
このたびは素晴らしい賞をいただけて大変光栄です。実は「世にも奇妙な物語」をほとんど見ないで生きてきたので、今回の入賞はとても驚きでした。選考くださった皆様ありがとうございます。アンソロジーの完成を楽しみにしております!

『実験教室』/鳥辺野九様
Xアカウント

⬜️作者紹介
仙台市在住。主にカクヨムにてぼちぼち作品投稿しております。生活感があって日常感あふれるSF小説が好きです。たまに公募ガチ勢のフリをしてあちこちSF短編小説を送っては落ち込んだりはしゃいだりしております。『ヨコハマ買い出し紀行』の空気感が目標です。

⬜️受賞の声
「世にも奇妙な物語」は怖い話よりも不思議な話の方が好みでした。意味不明で、何の話だコレ? ってのは大好物。登場人物たちはいたって真面目にしてるのに、第三者視点で観測すると何なんだコレはってその落差を楽しんで書ければいいな、と思って書きました。何やってんだ君たちは、と楽しんでいただければうれしいです。この度はありがとうございました。さ、次だ、次。


💫特別選評💫

今回、特別審査員として審査に携わって頂いた、俳優の齊田貞子さんから特にお気に入りの作品に選評を頂きました。俳優さんから選評を頂く機会なんて、滅多にないですよね。これは、羨ましい💫

『チーズは伸びる生き物です』
拾った猫にチーズと名付ける。愛猫との生活が描かれるかと思いきや、いきなりチーズの姿が消えて見えなくなる。そこから私の脳内が想定した展開とはちょっと違うぞ?となり、この時点で心掴まれました。そしてテンポ良くエピソードが積み重ねられるたびに、これはファンタジー?SF?アクションヒーローもの?と私の脳は少しバグりながらも魅力に引き込まれてました。半径数メートルで始まった話が、世界規模の物語へと繋がって行く。一体何処に着地するんだとワクワクしながら読みました。

『スイートホーム』
いつもの日常にふと生じる隙間を巧みにつつきながら、じわじわと奇妙な世界へ引きずり込んでいく展開が本当に見事で、どんどん引き込まれていきました。
ファミレスに入って少し経った頃から漂い始める不穏な空気の描き方など、徐々に怪異へと引き込んでいく演出がとても好みです。
そして、誰もがやったことのある「まちがいさがし」という身近な遊びを奇妙な世界のルールとして使ったアイデア。間違いを見つけることと不可解な現象が連動していく仕組みによって、こちらの緊張感を一気に高めてくれました。
また「家族のため」と言いつつ自分勝手だった夫が、この奇妙な体験を経て変わっていく姿が印象的でした。

『ニンゲン園』
読後、世界観が一番長く残った作品でした。
絶望的なディストピアを描いた本作で特に心惹かれたのは「言葉」に込められた想いです。トキヨがナードから教わった「誰かに大切だと伝える言葉」。
ナードが教えた言葉は、知識を与えるためだけではなかった。読後、じわじわと心が温かくなる素敵な物語でした。

📝一次通過作品への感想📝

一次は通過したものの、惜しくも入賞を逃した18作品への感想をうたかたさんが取りまとめてくれました。こちらも、審査員一同、気合を入れて書かせて頂きました。
⬇️のリンクから、note記事をご覧になれます❣️
リンク

🔷最後に🔷

改めまして、世にコンに応募してくださった皆さま、興味を持ってくださった皆さま、本当にありがとうございました。私のふとした思いから始まったこのコンテストに、多くの時間を割いて協力頂いたうたかたさん、ななせハチミツさん、心より感謝申し上げます。63作品もの審査をして頂き、多くの助言を頂いた佐藤相平さん、夏原秋さん、まちかさん、本当にありがとうございました。特別審査員として、選評まで頂いた齋田貞子さん、本当にありがとうございました。
これから、書籍化及び文フリ東京43出店準備に入ります。文フリ会場で、世にコンアンソロジーを購入された方特典など、いろいろ考えています。こちらについても適宜情報を発信していく予定です。ぜひ、多くの方に興味を持って頂ければ幸いです。

2026年8月11日
世にコン実行委員会 絵空事

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