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マレーシアの年間祝日は26日となぜ多いのか~「また休み?」の裏にある理由~

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。


さて、マレーシアの祝日についてきょうはお話しします。

マレーシアは祝日が多い国なのはご存知でしたか。年間22〜26日の休みがあるのです。これは毎月2日以上の祝日がある計算になりますが、これはなぜでしょうか。


祝日が多い最大の理由

マレーシアの祝日が多い最大の理由は、多民族・多宗教国家であること、そして州ごとに祝日を決める権限があることの二つが重なっているからです。この州の権限が強い連邦制度であることも間接的な理由の一つになります。

単に「休みが多い国」というより、「違いを前提に制度が組まれている国」と言ったほうが実態に近いでしょう。

日本では、祝日は国が一元的に定め、全国一律で適用されます。日本は祝日数が16日と決まっています。

一方、マレーシアでは、「誰の祝日か」「どの州の祝日か」という複数の軸が存在します。その結果として、カレンダー上の祝日数はどうしても多くなるのです。

下記のPDFは連邦政府が発表した2026年の祝日一覧です。全国一律の連邦政府の休みは15日、州政府が規定している祝日数はなんと36日に上ります。

州政府の祝日はその州のみまたは複数の州のみが休みになり、例えば、クアラルンプールで休みでも、隣のスランゴール州では休みではないという祝日です。

多民族国家という前提

マレーシアは、単一民族国家ではないことは僕のこれまでの記事で何度も説明してきました。

大きく分けると、マレー人・華人・インド人という三つの主要民族が共存し、さらに少数民族もいます。それぞれが異なる宗教と文化を持っています。

  • マレー人:イスラーム教

  • 華人:仏教・道教・儒教的慣習、キリスト教も多い

  • インド人:主にヒンドゥー教だが、キリスト教やシーク教、イスラーム教もいる

  • 少数民族:主にキリスト教が多いが、アニミズムもいる

それぞれにとって重要な祝祭日が異なる以上、「どれか一つに統一する」という選択肢は現実的ではありません。

そこでマレーシアでは、それぞれの祝日を尊重し、原則として残すという設計が採られているのです。

結果として、国全体で見ると祝日の数は自然と増えます。しかしこれは「効率を犠牲にした結果」ではなく、「社会的摩擦を減らすためのコスト」と考えられています。

宗教ごとの祝日が多すぎ

祝日数の中でも最も多いのが宗教関係の祝日です。特にイスラーム教の祝日は、国教であることもあり、社会全体への影響が大きい。断食明け大祭(ハリラヤ)や犠牲祭、預言者ムハンマドの誕生日、イスラーム暦新年、昇天日といったものがあります。

イスラーム教の祝日は太陰暦を基準にしているため、毎年日付が変わります。さらに、断食明けの祝祭や犠牲祭など、1日では終わらない祝日も少なくありません。

加えて、華人の春節、インド人のディーパバリなども国の祝日として扱われています。

マレーシアの祝日は、独立記念日といった「国の記念日」よりも「宗教と生活に根ざした日」が中心なのです。

国の祝日+「州ごとの祝日」という二階建て構造

マレーシアの祝日数が多いのは、州ごとの祝日の存在も大きいのです。
各州が独自に定める祝日は、

  • 州の元首(スルタン)や知事の誕生日

  • 州成立を記念する日

  • 何かの州の記念日

そのため、同じマレーシア国内でも「今日は祝日だが、隣の州では平日」ということが普通に起こります。

こんな日も祝日に。

これは日本の感覚からするとやや混乱しますが、連邦国家としては自然な仕組みなのです。

1月1日は元旦で祝日ではあるのですが、これも実は全国一律ではありません。

イスラーム教が多いジョホール、クダ、クランタン、プルリス、トレンガヌの5州はキリスト教暦の元旦は休みではありません。ジョホールやトレンガヌでは12月31日にカウントダウンがあって花火が打ち上げられたりしますが、翌日は通常通りに世の中は動きます。この州はキリスト教暦には興味がないのです。

僕が住んでいるクランタン州も12月31日が仕事納めで、翌日が仕事始まりとなっています。日本のような大晦日の厳かな雰囲気も元旦の新鮮な気持ちもまったくありません。

州の仕組みについてはこちらをご参考に。

振替休日も追加される

さて、こういった祝日が土曜日や日曜日にあたるとその翌日または翌々日が振替休日が適用されます。実際の祝日数以上に「休みが多い」と感じる理由はこれが実は大きいのです。

また、金曜や月曜に祝日が配置されることも多く、体感的には休みが連続している印象を受けます。クランタン州やトレンガヌ州など4州は金曜と土曜日が週末なので、この両日に祝日があたると振替休日も日曜や月曜ということになって4連休というのも珍しくありません。

この「体感値の高さ」も、マレーシアの祝日が多く見える理由の一つなのでしょう。

日本と比べると、考え方がまったく違う

日本の祝日は、国家行事や季節行事を中心に、宗教色を極力排除して設計されています。全国一律で、例外はありません。

一方、マレーシアでは

  • 宗教行事を公的に認める

  • 州ごとの差を前提とする

  • 「同じでなくていい」という思想

この3つの考え方があるため、マレーシアでは祝日が多数にのぼるわけです。

さらに、連邦政府は突如「休み」を宣言するときもあります。昨年の9月15日は、何の日か皆目検討もつかない休みになりました。まあ、こちらは政治的なもくろみがあったのでしょう。

また、下院総選挙の投開票日があるときの夜は注意が必要です。2018年の政権交代以降、政権を握ることになる政党が突然「勝利したので明日は休みです」と宣言することが慣習化されています。

州議会選挙も昨今は同様で、下院選挙と同じ日に行われない州の場合、選挙翌日が休みとなったりします。これは働いていると混乱するのです。日本ではまったくあり得ないのですが。

マレーシア隣国の祝日数は?

マレーシアは東南アジアの中でも祝日数が多い国ですが、では逆に、祝日が少ない国はどこでしょうか。

最も少ないのはラオスの9日。次いでベトナムとシンガポールが11日とされています。

ラオスやベトナムは表向きには共産国家であるため、宗教に基づく祝日は基本的に存在しません。例外として挙げられるのは、キリスト教暦に基づく元日くらいでしょう。

一方、シンガポールはマレーシアと同様に多民族国家で、宗教関連の祝日も含まれています。しかし、それ以外の国家的行事による祝日は独立記念日などに限られており、全体として祝日数は多くありません。

インドネシアは世界で最もイスラーム教徒が多い国ですが、年間の祝日数は16日程度にとどまっています。ただし政府は、有給取得を促す「集団休暇(共同休暇)」を設けており、2026年は8日間あります。これは法定祝日ではなく、取得は任意とされていますが、実際には多くの人がこの期間に休暇を取ります。

こうして見ると、マレーシアの祝日数が多い理由も、お分かりいただけたのではないでしょうか。

最後に、東南アジア6か国の祝日数を一目で確認できるカレンダーを作成しました。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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