古参マウントが生む“新規排除”文化が、アーティストの可能性を奪っていく
「古参」と「新規」。
ファンダムの中でよく使われるこの言葉は、本来ただのファン歴の違いにすぎません。
それでも時に、暗黙の“上下関係”や“優劣”の意味を帯びてしまうことがあります。
そうした空気が広がれば新しく関心を持った人が入りづらくなり、ファン同士のあいだに分断が生まれてしまうこともあるでしょう。
この記事では、「古参」と「新規」のあいだにある“見えない線引き”がどんな空気をつくり出し、アーティストの未来にどう影響していくのかを考えていきます。
📚『推し活を、考える』に収録しています!
古参・中堅・新規ファンの特徴整理

「古参」「新規」という言葉、あなたも一度は聞いたことがあるかもしれません。
K-POPやJ-POPのファンダムでは当たり前のように使われていますが、どこからが古参で、どこまでが新規なのか?という明確な定義はないのが実情です。
そこで今回は、ファン歴の長さとアーティストの活動期間をもとに、古参・中堅・新規の特徴を“ざっくりと”整理してみました。
この分け方は、ファンに優劣をつけるためのものではありません。
ファン同士のすれ違いや温度差が生まれる背景を、少しでも見える形にするための視点です。
自分がどの立場に近いかを考えながら読むことで、このあと続く「ファンの分断」や「排他性」の話が、よりクリアにな
古参ファン(活動期間に対するファン歴の割合:約80〜100%)
デビュー初期、またはそれ以前(プレデビューや練習生時代)から応援している
ファン歴が長く(ほぼ全期間)、グループやメンバーの変遷をリアルタイムで見てきた
“推し”への思い入れが強く、発言や行動にも自負がにじむことが多い
中堅ファン(活動期間に対するファン歴の割合:約40〜79%)
ファン歴は数年単位だが、デビュー初期から推しているわけではない
アルバムやツアーを通して推しの成長を見てきた実感がある
古参ほどの“初期から見てきた”熱量はないが、新規よりも知識や慣れがある立場(前半は知らないけど、節目も見届けてきた)
新規ファン(活動期間に対するファン歴の割合:約0〜39%)
最近ハマったばかりで、ファン歴が浅い(リアルタイムで活動を見てきたのは後半のみ)
SNSやメディアで知り、そこから遡って情報を集めている
現在の推しやグループに強く惹かれており、過去の背景にはまだ詳しくないことも
“古参マウント”が広げるファンダム内の温度差

「昔から応援してきた」という自負があるのは自然なこと。
長く見てきた分だけ、推しへの思い入れが強くなるのも当然です。
しかしその思いが、「自分のほうがよく知っている」という態度に変わると、ファンダム内に温度差が生まれます。
たとえばこんな場面、見たことはありませんか?
🎙️ 昔話をしているだけなのに、「新規にはわからないでしょ?」という前提で語る
🏷️ 知識やファン歴で、知らず知らずの“格付け”が生まれている
😓 「ファンなら当然知ってるよね?」という空気が漂う
本人はマウントのつもりがなくても、それが壁になってしまうことがあります。
実際、SNSやYahoo!知恵袋でも、「新規は肩身が狭い」「古参が怖い」といった声が見受けられます。
ファン歴や知識の深さが、“好き”の度合いを決める基準になってしまうと、ファンダムは息苦しい場所になりかねません。
応援は、もっと自由でいいはず。
その空気をつくるのは、ファン一人ひとりの姿勢です。
“新規排除”がアーティストに与える影響

ファンダムに新しく入ってきたファンが、「居心地の悪さ」を感じてしまうことがあります。
その原因のひとつが、“昔から応援してきた”ことを誇りに思うあまり、無意識のうちに生まれる温度差や上下関係のような空気です。
たとえば…
🎤 昔話をするたび、「あの頃を知らないでしょ?」という前提が透けて見える
📚 ファン歴や知識で“格”が決まるような空気感がある
🙅♀️ 少しでも間違うと、「本当にファンなの?」と指摘される
こうした雰囲気は、対立や壁を生みやすく、新規ファンの心に「古参ってちょっと苦手かも…」という印象を残してしまうことも。
しかしどんなアーティストも、これから出会うファンの存在によって未来が広がっていきます。
“応援歴”の長さではなく、応援の“入口”の多さこそが、そのグループの可能性を育てていくのではないでしょうか。
“新規”にも問われる姿勢|知ったかぶりと過去への無関心

新規ファンの側にも、ときに対立の火種となる行動があります。
たとえば…
🧩 グループやメンバーの背景を知らないまま、自信満々に語る
📉 「昔のことなんて関係ない」と、過去を軽視する発言をする
💬 昔の楽曲やコンセプトをめぐる議論に「今のほうが好き」と一蹴する
ファン歴が浅いこと自体は、もちろん悪いことではありません。
大切なのは「もっと知りたい」という姿勢があるかどうかです。
しかし、今しか見ようとしない態度は、長年応援してきたファンにとって「軽く見られている」と感じさせてしまう場合があります。
そうした小さなズレが、ファンダムの中に見えない壁をつくってしまうこともあります。
分断の正体|古参が新規を遠ざけてしまうとき

本来は歓迎したいはずの“新規ファン”に対して、気づかないうちに苦手意識が芽生えてしまうことがあります。
とくに多いのが、以下のようなケースです。
🎤 グループやアーティストの背景を知らずに語る姿が、“軽さ”や“分かってなさ”に見えてしまう
📚 過去の出来事を軽視するような言動が、リスペクトのなさとして受け取られる
📈 ファン歴の浅い人が堂々と“古参アピール”をしているように見えて、反発を覚える
たとえ一部の新規ファンの言動であっても、そうした印象が積み重なっていけば、「新規はちょっと苦手」といった空気がファンダム全体に広がってしまいます。
閉じたファンダムが、広がるはずの未来を狭めてしまう

ファンダムの中で“排他性”が強くなると、新しく関心を持った人たちが入りづらくなります。
「知らないなら語るな」「にわかは黙って」そんな空気が広がれば、ファンになりかけていた人も引いてしまいます。
新規ファンが増えなければ、話題性も売上も頭打ちになり、アーティストの可能性は広がっていきません。
つまり、“ファン同士の在り方”が、“推しの未来”に影響を与えてしまうのです。
まとめ|推しの未来を閉ざすのは、ファンの“排他性”かもしれない

古参のプライドと、新規の肩身の狭さ。
どちらにも理由があり、どちらか一方が間違っているとは言い切れません。
しかしその思いが “相手を否定する理由”にすり替わってしまえば、ファンダムの中に居心地の悪さが生まれます。
その空気が広がることで、新しく関心を持った人たちが定着せず、ファンダムの広がりが止まってしまうこともあります。
ファンの数が伸び悩めば、話題性や売上にも影響が出てアーティストが活躍できる場が限られてしまうことにも繋がるでしょう。
どれほど才能に恵まれたアーティストでも、その未来は“応援する空気”によって左右されてしまいます。
だからこそ今、必要なのは、相手の立場や背景を一度想像してみること。
“古参だから” “新規だから”という線引きではなく、どんな距離感であっても「応援したい」という気持ちがあることを認め合う姿勢が、推しの未来を広げていく力になります。
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