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ジャパネットおせち「7,000件超の声で半数刷新」に学ぶ、日本一を4年続けるリピート設計

顧客の声は、集めた後の使い道で価値が決まります。
4年連続おせち単品売上数日本一のジャパネットは、購入者アンケート7,000件超を分析しました。
そして今年、メニューの約半数を刷新しています。
日本一ほど変え続ける逆説を、公式データだけで読み解きます。小さな通販が今日から始められる声の集め方まで書き下ろします。

売れている商品ほど、変えるのが怖くなります。当たった商品は「触るな」が、いつのまにか社内の常識になるからです。
けれども、リピート商品の本当の敵は競合ではありません。

「去年と同じ」に対する、お客さまの静かな飽きです。この記事では、日本一の定番商品の約半数を、顧客の声で作り替えた会社の設計を扱います。

題材は、ジャパネットたかたの2027年正月用おせちです。
公式発表の数字だけで、顧客の声を商品に変える器の作り方が見えてきます。

なぜ「日本一の商品」ほど、翌年が怖いのか

まず、現在地を確かめます。このおせちは、名実ともに日本一の定番商品です。

ジャパネットのおせちは、2023年から2026年まで4年連続で「おせち単品売上数日本一」を獲得(株式会社東京商工リサーチ調べ)

出典:株式会社ジャパネットホールディングス プレスリリース(2026年8月7日 9時00分)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000734.000016651.html

4年連続の日本一であれば、普通は考えます。「勝っているのだから、変えない方がいい」と。

実際、多くの通販で定番商品は固定されていきます。固定された定番は、最初の1、2年はよく働きます。

けれども、やがてリピートのグラフは静かに寝はじめます。
お客さまは文句を言いません。黙って「今年は別のところにしようか」と考えるだけです。

つまり、定番を守ることと、定番を固定することは、別の話なのです。

アンケート7,003件が「商品開発部」になる仕組み

では、日本一を4年続けた会社は何をしていたのでしょうか。答えは、買った人の声で作り替えることでした。

購入者アンケート7,000件超を分析し、2026年のメニューから約半数を刷新・改良した
アンケート実施期間:2026年1月1日~1月31日、回答数:7,003件

出典:株式会社ジャパネットホールディングス プレスリリース(2026年8月7日 9時00分)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000734.000016651.html /ネットショップ担当者フォーラム「ジャパネットたかた、2027年正月用おせちの販売をスタート」(2026年8月17日・大嶋喜子)/ https://netshop.impress.co.jp/n/2026/08/17/16555

注目していただきたいのは、アンケートの実施時期です。2026年1月1日から1月31日です。

つまり、おせちを食べ終わった直後に聞いています。
味の記憶がいちばん濃いタイミングで、7,003件の声を集めているのです。

そして、集めた声は読んで終わりにしていません。

社員30名以上による「社内モニタリングテスト」を導入し、高得点を獲得した21品を新たに採用。
過去最多となる73品目(和の重36品・洋の重37品)をラインアップ

出典:株式会社ジャパネットホールディングス プレスリリース(2026年8月7日 9時00分)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000734.000016651.html

声を聞き、試作し、社内で採点し、高得点だけを載せています。
アンケートが、そのまま商品開発の第一工程になっているのです。

満足度調査ではなく、来年の設計図の原料なのです。

半分入れ替えても「定番」と呼ばれる理由

ここで、ひとつの疑問が浮かびます。半分も入れ替えて、定番と言えるのでしょうか。言えます。

なぜなら、変えているのは「お客さまが変えてほしいと言った半分」だからです。
声に沿った変更は、裏切りではなく応答です。さらに、変えない部分の設計も徹底しています。

可食部の重量を前年比113%へ増量
価格:19,990円(税込)※2026年11月24日までの期間限定値引き(以降29,990円)
年越しそば4人前、祝箸4膳を同梱

出典:株式会社ジャパネットホールディングス プレスリリース(2026年8月7日 9時00分)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000734.000016651.html

中身は増やし、値段は据え置いています。
物価高騰のなかでこの形を実現するために、1年以上前から原材料調達を調整していると報じられています。
(出典:ネットショップ担当者フォーラム・同記事)

つまり、この会社の定番とは「対話の結果」のことです。
去年の声が、今年の重箱に入っています。

だからこそ、お客さまにとって翌年も「私のおせち」であり続けるのです。

8月におせちを売る=リピートの仕込みは半年前に始まる

もうひとつ、見逃せない数字があります。販売開始日です。

販売開始:2026年8月7日
前年実績から約13%増となる販売数量

出典:株式会社ジャパネットホールディングス プレスリリース(2026年8月7日 9時00分)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000734.000016651.html

お正月の商品を、真夏の8月に売り始めています。
1月に声を聞き、夏に売り出しています。
年1回しか買われない商品に、1年がかりの往復運動を設計しているわけです。

西村は著書『小さな会社 ネット通販 億超えのルール』で、成長指標のひとつに年間リピート率を挙げています(※要旨)。

年1回の商品は、リピート率の計測が1年に1度しかできません。
だからこそ、食べた直後の声の回収が、翌年のリピートの仕込みそのものになります。

おせちは極端な例に見えて、実はすべてのリピート通販の縮図なのです。

今日から動ける一手|「次はどうしてほしいか」を1問だけ聞く

では、小さな通販は何から始めればよいのでしょうか。
7,003件は要りません。

手順1:聞くタイミングを「使い終わった直後」に固定する
購入直後ではなく、使い切ったころに聞きます。
化粧品なら使い切るころ、食品なら食べ終わるころが目安です。

手順2:質問を1問に絞る
「次回、どこが変わっていたらもっと嬉しいですか」。
満足度の点数ではなく、変更のリクエストを聞きます。

手順3:直近の購入者10名に送る
全員に送る必要はありません。
10名の生の言葉があれば、次の改良の方向は決められます。

手順4:採用した声は、本人に報告する
「あなたの声で、ここを変えました」と伝えます。
自分の声が商品に入ったお客さまは、強いリピーターになりやすくなります。

手順5:変えた点を、翌年の販売ページに書く
「お客さまの声で今年はここが変わりました」は、強力な新規向けコピーにもなります。
この5手順であれば、今週中に着手できます。

FAQ|顧客の声の活用でよくあるご質問

Q1. アンケートの回答が集まりません。何が悪いのでしょうか。
質問が多すぎることがほとんどです。
1問だけにして、答える理由(次回の商品に反映します)を先に伝えてください。

Q2. 声のとおりに変えたら、既存のファンが離れませんか。
変える半分と、守る半分を分けることが前提です。
ジャパネットも全品ではなく約半数の刷新でした。

Q3. 声を集めても、商品を変える体制がありません。
最初は商品そのものでなくてかまいません。
同梱物、案内文、発送タイミングなど、変えられる場所から応答を始めてください。

Q4. ネガティブな声ばかり集まりそうで怖いです。
「どこを変えてほしいか」という聞き方は、改善の依頼を集める形です。
苦情ではなく、翌年の設計図として届きます。

Q5. 年1回しか買われない商品でもファン化はできますか。
できます。ジャパネットのおせちは年1回の商品で4年連続日本一です。
接点の回数ではなく、応答の質がファン化を決めます。

まとめ|日本一の定番は、対話の結果でできている

顧客の声は、集めた瞬間には何の価値もありません。商品に入って、初めて価値になります。

7,003件の声、約半数の刷新、30名以上の試食、採用21品という一連の器が、4年連続日本一の裏側にありました。売れている商品を守る方法は、固定ではなく応答です。

買ってくださった方の声を、翌年の商品に入れていくことです。
その往復が、1回の購入を毎年の習慣に変えていきます。
1人の熱中が、100人の推し活を生む。

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通販プロデューサー&通販コンサルタント通販コンサル  西村公児 インターネットを活用して自分の商品・サービスを売りたい! でもなかなか売れずにモヤモヤしている問題を解決する アドバイスをしています。 https://www.youtube.com/channel/UCxrQWY0HlXqFcOfe02_uztg/videos