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SaaS企業:営業部長の仕事は、営業を詰めることではない


営業会議で、案件の進捗を確認する。
成果の出ていない、または案件の進捗が悪い営業を詰める。
商談に同行し、社長に状況を報告する。


それだけで、営業部長の仕事をしていると言えるでしょうか。


営業部長の仕事は、営業を管理することではありません。
売上目標の達成を妨げているボトルネックを見つけ、取り除くことです。

こうした「営業部長は何をすべきか」というテーマの記事は、現場営業向けのノウハウ記事に比べて、驚くほど少ないです。

そういう私自身、これまでは、現場営業向けの記事ばかり書いてきました。

だからこそ、今回はSaaSに限らず、営業の責任者(営業部長、本部長)の仕事について書いていきたいと思います。


ボトルネックは、3つの場所のどこかにある


SFAを見れば、どこで数字が落ちているかは分かります。

しかし、なぜそこで落ちているのかは、顧客との商談や現場の営業を見なければ分かりません。
ボトルネックの兆候は数字から見えても、原因は現場に出なければ見えないのです。

私の経験では、営業部門の目標未達の原因は、おおよそ次の3つのどこかにあります。

一つ目

パイプラインそのものが足りない、つまり新規案件が足りていないケースです。

📌 ここでいうパイプラインとは、成約が見込まれる案件(見込み案件)
  の集まりのことです。

デジタルマーケティングやイベント出展、セミナーなど、お金をかければある程度の量は確保できますが、どの会社もそこまでマーケティング予算は確保できないと思います。

ここで注意が必要なのは、アウトバウンドそのものが悪いわけではない、ということです。

問題は、狙う業界も企業像も訴求内容も決めずに、「架電件数を増やせ」「もっとメールを送れ」と、Activityの量だけを指示することです。

ターゲットも訴求も、リストも、整えないまま量を求めるだけなら、それは営業部長の仕事とは言えません。

まず経営層やマーケティング部と話し、狙うべき対象と訴求を整えた上で、インバウンドとアウトバウンドの両方を設計するのが、本来の営業部長の仕事だと思います。



2つ目

案件はあるのに、案件が停滞している、あるいは競合に負けている(Lost)場合です。
原因はいくつか考えられます。

機能なのか、価格なのか、戦っている市場の問題なのか、それとも営業の問題(商談の進め方)なのかを特定する必要があります。

営業以外の問題であれば、経営層と話してそのボトルネックを解消する。
これが、まさに営業部長の仕事だと思います。

特にSaaSスタートアップでは、機能・価格・市場の問題で負けているのであれば、外資や中規模のSaaS企業と比べて、比較的軌道修正がしやすいのではないでしょうか。


3つ目

マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスへと案件が受け渡されていく、社内のプロセスのどこかで詰まっているケースです。

The Model のような分業体制を敷いている組織ほど、この受け渡しの目詰まりが起きやすくなります。

この3つは、それぞれ打ち手がまったく違います。

だからこそ、まず自分の部門のボトルネックがどれなのかを、現場に出て見極めることが、営業部長の最初の仕事ではないでしょうか



体験:御礼のメールを、自ら送っていた上司


私が現場の営業だった頃、尊敬できる上司がいました。
もうずいぶん前の話です。

商談に相手の役員が出席した後、その上司は、自ら御礼のメールをその役員に送りました。
そして、私の商談活動とは別に、その役員と独自の関係を作ってくれていました。

昔のことなので、接待もしていました。

そして、いざ案件が佳境に入ると、担当者だった私自身ですら、簡単には連絡が取れなくなる局面が出てきます。
そんな時、その上司が直接連絡をつけ、状況を確認してくれました。

案件自体は、うまくいったこともあれば、頓挫したこともありました。
それでも、営業部長の仕事とは何かを、私はこの人から学びました。

その後、何人もの上司の下で働きましたが、これを自らやってくれた人は、他にいませんでした。


なぜ、営業部長はステータス管理に偏るのか


多くの営業部長が、ステータス確認のための同行や、進捗報告に時間を使っています。

これは個人の資質の問題である以上に、構造の問題です。

社長が、営業部長に日常的に求めるのは、たいてい「進捗報告」です。
案件はどこまで進んでいるか、今月の着地はどうか。

営業部長はその期待に応えようとして、SFAを眺め、会議で詰め、報告用の材料を集めることに、時間を使うようになります。

その結果、本来やるべきボトルネックの特定と解消は後回しになり、営業部長自身が、組織のボトルネックになっていきます。




結論:あなたは、それができていますか


あなたは、自部門のボトルネックが、新規開拓不足なのか、案件の停滞・Lostなのか、社内プロセスの目詰まりなのか、答えられますか?

自部門のボトルネックを特定できず、営業を詰め、商談に同行し、社長に報告するだけなら、営業部長自身が、売上のボトルネックになっていると言われても仕方がありません。


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