何度もびっくりした話――キャロルとディーディーの『It's the Falling in Love』と、あのシティーポップの名曲
マンハッタン・トランスファーの記事を書いた後に、何度もびっくりしたお話。
記事で紹介したマンハッタン・トランスファーの『スパイス・オブ・ライフ』を、あらためてSpotifyで聴き直していたときのこと。
続いてかかった曲で「!?」となった。
この曲、知ってる。これ、何だっけ、何だっけ。
曲が始まった途端、私はもう半分パニックだった。
え? これ、マントラ? いや違う。これ、何だっけ。誰だっけ。
頭の中で自問自答すると同時に、ぱっとPCのSpotify画面に目をやった。
それは『It's the Falling in Love』だった。
歌っているのはキャロル・ベイヤー・セイガー。
(この曲はキャロル・ベイヤー・セイガーとデイヴィッド・フォスターの共作で、1978年にキャロルの歌で発売されたのがオリジナルだそうだ)
でも、あれ?
このバージョンは知らないな。
キャロル・ベイヤー・セイガーの名前は知っているけれど、私がよく聴いていたのはこの歌声ではない。
ああ、でも懐かしい。
そう思ってSpotifyで曲名を検索してみた。
そしたら出てくる、出てくる。いろいろなアーティストの『It's the Falling in Love』が、ざーっと。
えーっ。マイケル・ジャクソンもこれ、歌ってたっけ?
でもこれも私が聴いていたのとは違う。
あ。ディオンヌ・ワーウィックも歌ってる。いや、でも私がよく聴いたのはディオンヌではない、これは絶対違うはずだ。
そして。ディー・ディー・ブリッジウォーター。
これだーっ!!
そうか。私がよく聴いて大好きだったのは、ディー・ディー版だったんだ。でもどういう経緯で知ったかはまったく思い出せない。
たぶん、学生当時、どこかのバンドがこの曲をコピーしていたんじゃないかな。違うかな。
この曲でディー・ディーのことを知ったと思うから、その後、彼女が歌うジャズを聴いて、ジャズも歌うの?と驚いた記憶は、そういえばある。
あーっ、びっくりした。懐かしかった。
そう思いながら、最初のキャロル版を聴いたら、またまたびっくりした。
それはキャロル版の28秒辺りから始まる、このボーカル直前のメロディーとリズム。(動画は28秒から始まるように設定しています)
これ。このメロディーとリズム。ほぼ同じだよね。あのシティーポップの名曲と。(動画は21秒から始まるように設定しています)
ボーカルが入る直前のメロディとリズムがほぼ同じなのだ。
えーっ。そんなことがあるの?
キャロル・ベイヤー・セイガーの『It's the Falling in Love』と、
松原みきの『真夜中のドア』が
こんなに似てたの???
そう思って調べてみたら、これは一部の音楽好きには知られた話だったらしく、音楽プロデューサー・松尾潔さんの書いたこんな記事を見つけた。
「真夜中のドア~stay with me」が出た1年前の1978年、Carole Bayer Sagerという人が「It's The Falling In Love」という曲を出しています。(中略) この「It's The Falling In Love」という“素敵な山”を、林哲司さんが見ながらスケッチしたんじゃないかな、って僕は思っています。
私は当時ディー・ディー版ばかり聴いていたから、全然気づかなかった。
でも考えてみれば、『It's the Falling in Love』も『真夜中のドア』も大好きだった。
なるほど。結局、そういうことだったのか。
そんなふうに妙に腑に落ちた。
でも、そうか。マイケルも歌っていたのか。と思いながらさらに調べていたら、マイケル版はゲスト・ボーカルがパティ・オースチンだった。
(ちなみに、マイケル版はキャロル版を忠実にカバーしているので、マイケル版の26秒あたりにも、同じフレーズが出てきます)
先日のマントラの記事でも書いたが、私はパティ・オースチンが大好きだったのに、これまた全然知らなかった。
びっくりにつぐ、びっくりである。何十年もたってから、こういうつながりが見えるというのは本当に不思議だなと思う。
あの頃、インターネットがあれば、もっと最初から網羅的に聴けたのに。
なのか、それとも、
今、インターネットがあるから、何十年もたってからこんなつながりを発見できた。
なのか。
ま、後者ということにしておこう。うん。
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