ナースにはなれない三流介護士が、20年かけて見つけた最強の武器
介護福祉士なんて、ナースと違って信用できないわ。
って言っている利用者のご家族がいた。
対応悪すぎてここに家族預けんのやだとかさ。
若くてチャラい介護福祉士は信用出来ないとかさ。
ナースとは違って医療行為できない時点で、三流だよね、とかさ。
まぁ、わかる。
介護福祉士を取ったからといって、信頼度がうなぎ登りにはならない。
資格のパワーで10年分の経験が加算されるとかもない。
ポケモンでいうところの「ふしぎなアメ」を食べたくらい、明快に簡単にレベルが上がればいいんだけど……
残念ながら、ただの賞状でしかない。
なんてこった。
だから介護福祉士は資格を取った日からやっとスタート。
地道に、怒られながら、ナースにも、怒られながら、少しずつ少しずつ「使えるヤツ」になるべく修業をさせていただくのです。
まあ、ならんけどな。
そうそう使えるヤツになんて、なれんからね?
利用者の死にも、ご家族のクレームにも泣きまくります。
申し訳ないとか寂しいとか寂しいとか、いろんな気持ちで、泣きます。
でもそれって、未熟だからじゃない。
本気だから。
本気でその方の未来とか希望を叶えたいと思っていたから。
自宅に一泊して息子とお酒を飲みたい。
ひ孫が生まれるまでに車いすから、杖だけで歩けるようになりたい。
キザミ食じゃなくて常食(一般的な食形態)でごはんを食べたい。
些細かもしれないけれど、叶うと信じていたし、叶えたいと思っていた、利用者ひとりひとりの、未来。
それが志半ばでお見送りするのは、本当につらい。
生きてない利用者にできるのは、声をかけるくらい。
失ったいのちの前に介護福祉士は無力だ。
ああでもナースもドクターも、亡くなってしまったらなにもできないんだから、それでいいんだね。
本当に介護福祉士が無力だと思うのは、日々の業務をこなすだけで、利用者の人生に関わらせてもらう余白がないとき。
他の職種から介護福祉士の存在を軽く見られたとき。
どうして同業別種は同等じゃないの?
看護の意見に比べて介護の意見は
「あー介護さんはいーです」
ってろくに聞いてもらえないのは、虚しい。
申し送りでリハも看護もいるのに、介護だけいないとかさ。
介護福祉士が介護してるんじゃ?
介護施設で働いてるんじゃ?
じゃあメインの職種、介護福祉士とちがいますのん?
ちゃんと利用者、見てるよ?
顔色悪いとか。
歩行状態が微妙に悪いとか。
いつもより発語が不明瞭とか。
衣類の乱れ方がなにか変とか。
いつもより悲しそうな顔してるとか。
医療的じゃないけど、そういうの、介護士はめっちゃ見てる。
でもそういう生活のなかの違和感って軽視されがちだ。
医療的な根拠があるわけじゃないから。
でも。
生活のなかの事故は、生活を見ている人しか防げない。
利用者が言葉で伝えられない、なんなら本人すら気づいていない不調を汲み取って、命を守れる職種は介護職だけだと、わたしは信じている。
介護士は病気を確定し診断を下すこともできない。
処方箋も出せないし、採血も、摘便もできない。
医者でもナースでもないんだ。
できないことを数えて、数えて、わたしは無力感に苛まれる。
でもわたし、介護福祉士だけど、過去20年分の認知症利用者との関わった経験と記憶があるよ。
認知症で怒ってばかりのおばーちゃんが、目が合うたび笑ってくれるようになるアプローチのやり方、知ってるよ。
昨日亡くなったおじーちゃんは、偏屈で無口だったけど、たまに顔をくしゃくしゃにしてプロ野球の思い出話しを聞かせてくれた。
あんたと話せてよかったって、こっそり言ってくれたんだよ。
介護福祉士なんてねぇぇ!!
利用者大好きなんだからさ!!
ちょっと利用者が笑ったり喜んだりしたらもっと頑張れるのよ。
そういう介護福祉士たちをさ、もっと底上げする研修とかさ。
モチベ上がる大胆な賃上げとかさ。
自分たちで育てていかなきゃいけないんじゃないかなぁって思っている。
できることを褒めあって、足りない技術を補い合って、移乗とか入浴で体を壊さない技術をプロの講師に教えて貰ってとか。
介護福祉士になったから勉強が終わるんじゃなくて。
介護福祉士になったから成長したいし。
異業種とも対等に渡り合えるし。
介護楽しいし、みたいなふうになっていたい。
研修もだけど、普段の気づきの伝え合いとか、方法は沢山ありそうなのになぁ。
介護福祉士ってきっとみんなシャイなんだな。
声は上げないと届かない。
厚労省にも、国にも、自治体にも、事業所にも、なにも届かない。
大変だよって。
介護福祉士としての価値付けをしたいんだって。
社会に必要とされたいんだよって。
これが伝わったら、働くのが楽しくなる日が来るかもしれないじゃない?
自分たちの仕事のことだ。
自分たちで声を上げるべきだと思う。
それぞれが、それぞれの環境では大きな声になれなくても。
すこしずつささやき声が増えたら、いつかは大きな声になるじゃない?
まずは今の職場から、上司にわたしの気持ちを伝えるところからはじめようかな。
(告白じゃないよ!?間に合ってます)
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