あれ?今、わたし、どこ洗った?
脱衣所に行く。
いつも通り、シャツを脱いでズボンを脱いで、下着を脱いで、洗濯機に入れる。
気になっていたスマホのニュースを見ながら、タオルを持って浴室に入る。
シャワーを出して、床に敷いたマットの上に座って、頭を濡らす。
あーきもちいい。
1日の疲れが全部流れていけばいいのに(そんなわけない)
髪を濡らしてから顔面にクレンジングオイルを塗ったくる。
顔がヌメヌメしてきたらシャンプーで髪を洗う。
ここまではいつも通りだった。
次の瞬間、わたしはどうやら石鹸を泡立てて、顔を洗い出したらしい。
全く覚えていない。
いつものわたしはシャンプーとメイク落としをいっぺんに済ませてから、コンディショナーを塗ったくって、顔面用の石鹸を泡立てて顔と体を洗って上から流して終わる。
2回しかシャワーを使わなくていいし、上から洗い流せば全部綺麗になるのが気に入っている。
なんせズボラだから。
だがしかし。
この日に限って、わたしはメイク落としを塗ったくった上から、泡で顔面を洗ったらしい。
顔面の二重清掃!?
そのままいつもの流れで体も洗って、頭のてっぺんからシャワーをぶっかけた。
あれ、待てよ?
今流れてるのシャンプーじゃね?
自分の体を洗う行程さえ、ろくに記憶できなくなったのか?
あんまりぼーっとしているもんだから、脳みそがサボっているのか?
昨日は検索したい言葉も忘れたし、いよいよもってひどいもんだな!?
ちょっと落ち込んだ。
でも、そもそもわたし、なに考えながらシャンプーしてたっけ?
なにが顔面の洗う順番よりも大切だったのか!?
わたしの脳みそのリソースとやらは、一体なにに割かれていたのか!?
うーん、と唸った。
捻り出そうにも出てこない。
なんせ、覚えていないのだ。
どうなってる、アラフォーの脳みそ。
とりあえず、コンディショナーを塗ったくった。
このあといつもなら顔面を洗うんだけれど、なにもすることがないから、考えてみた。
わたし、なに、考えてた!?
コンディショナーが馴染むまで待ちながら、手持ち無沙汰で鏡に絵を描いてみる。
曇った鏡は恰好のキャンバスだ。
「さっきは同僚が釣りに行くって言ってて、塩焼きにしたら美味しそうって思ってたよね」
鏡に下手くそな魚の象形文字が浮かび上がった。
技巧的なアレは全然ない、記号みたいな絵が描けた。
「そんで、魚があるならごはんも食べたいなって思ったんだよね」
(但し同僚は釣れた魚を分けてくれるとは言っていない)
今度は鏡に三角と丸の中間みたいなおにぎりが浮かび上がる。
茶碗に入れてもいいけど、塩むすびも捨て難い。
「そんで今日のnoteになに書こうかな?って思っていたら、コンディショナーしてないのに顔面を洗っていたことに気づいたんだよね」
鏡に大きなクエスチョンマークが浮かび上がった。
その隙間からまぬけな顔をしたわたしが映る。
あーれー?
全然大したこと考えてない。
どれも頭と顔面と体を洗い終わってからでも、支障のない小ネタだ。
「顔面より塩むすびか!?」
コンディショナーを流しながら、自分に突っ込む。
無意識ってこわい。
手癖で体を洗い出すと、なんとなくいつもと同じ流れを踏襲できるわたし、すごい。
次は……
そうだなぁ。
サワラの梅煮を作りたいんだよなぁ。
このへん、サワラってあんまりないんだよなぁ。
こりゃ明日のお風呂も洗う順番を間違えるかもなぁ。
検索したいことを忘れてもどうにか生きていける(多分)
疲れたときこそGeminiだよ?
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