「この利用者、いつも介助に時間がかかる」——それ、技術の問題じゃないかもしれない
更衣や体位変換に、やたら時間がかかる利用者がいる
腕を袖に通そうとしても途中で引っかかる。無理に伸ばそうとすると、顔をしかめられる。急いでいるときほど、「自分のやり方が悪いんだろうか」と焦った経験がある人は少なくないはずだ。
拘縮という悪循環
これ、技術の問題ではなく、体の中で起きている変化であることが多い。関節を動かさない状態が続くと、関節を包む組織どうしがくっついて縮んでいく。すると可動域が狭くなり、動かすと痛みが出る。痛いからさらに動かさなくなる。そしてまた硬くなる——という悪循環に入っていく。いわゆる拘縮という現象で、一度縮んだ組織は、ちょっとストレッチしたくらいでは元に戻りにくい。だからこそ「拘縮してから広げる」より「拘縮する前に、日々の中で動かす機会を保つ」ほうが、本人にとっても介助する側にとっても圧倒的に負担が少ない。
正直、この話を知ったのは自分がリハビリ職として働き始めてしばらくしてからだった。それまでは「なんでこの人だけこんなに時間がかかるんだろう」と単純に思っていて、後から病態の話を聞いて、ああそういうことかと腑に落ちた記憶がある。介助が下手だからではなく、関節の中で起きていることが違う。それを知っているかどうかで、同じ場面への向き合い方は変わってくる。
ここから先は、資料側で
ただ、実際にどこまで動かしていいのか、どこで止めるべきか、支える位置はどこがいいのか——という具体的な判断基準は、関節や利用者の状態によって変わる部分が大きく、この記事だけでは書ききれない。良肢位と安楽肢位と褥瘡予防のポジショニングは似ているようで目的が違う、という話もあり、そのあたりの整理は資料側でまとめている。
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