気合かーー、っていうから身構えたら、歯が全部やってくれた話。
いびき外来へ、行ってきた。
この間、採寸してもらったマウスピース。
「出来ましたよ」と連絡をもらって、受け取りに行った。
ピンクのケースに入っていて、ガーゼにくるまれて渡された。

なんか、ちょっと感動する。
「ついに、私専用の武器が来た」
そんな気分だった。
透明で、つるんとしている。
家に帰って、さっそく開けてみた。
……あれ?
上下、どっちだ、これ。

家で、一人で悩む。
大きい方が上顎?
小さい方が下顎?
歯の本数まで数えてみた。
結局、同じだった。
いや待て。
そもそも、これ。
上下セパレートじゃない。
一体型だった。
道理で、どう見比べても答えが出ないわけだ。
分からないなら、本人に聞くしかない。
病院に電話した。
先生は、もう帰っていた。
電話に出た方いわく、
「下顎を前に出す感じで型を取っているので、まずははめてみてください。反対だと、うまくはまらないですよ」
なるほど。
理論より実践。
はめてみた。
たしかに、一発で分かった。
反対だと、まったく入らない。
正しい向きだと、勝手にピタッとはまる。
無事、正しい向きで装着完了。
その夜。
マウスピースをつけたまま、寝てみた。
正直、寝付きは悪かった。
そりゃそうだ。
口の中に、異物がいる。
でも、夜中にトイレで起きて、もう一度つけ直したら。
次は、朝までスッと眠れた。
体が、
「あ、これ、いつもの状態ね」
と判断したのかもしれない。
つけていると、歯をぎゅーっと食いしばる感じがある。
これが、なんだか安心する。
不思議な感覚だった。
そして、問題だったのがこれ。
「口が開くと、効果ないですよ」
え。
じゃあ、寝ている間、どうやって口を閉じておくんですか。
そう聞いたら、先生は言った。
「テープを貼るか、あとは……気合ですかね」

気合ーーー。
昔の部活くらい、精神論だった。
でも、安心してほしい。
実際に寝てみて、答え合わせをしたら。
歯を食いしばる構造だから、口は勝手に閉じていた。
気合、いらなかった。
先生、ごめん。
気合なくても、普通に閉じてました。

そして、肝心のいびき。
翌朝、旦那に聞いてみた。
「普通にかいてたぞ。ふごーーー、が、フゴ、くらいにはなったかもなあ」
微妙な軽量化。
でも先生いわく、そもそもいびき自体は、加齢で誰でもかくものらしい。
本当に見るべきは、無呼吸の方。
このマウスピースは、下顎を前に出す構造だから、気道は広がっているはず。
無呼吸への効果は、期待できると思う。
ただ、それが本当かどうかは。
1ヶ月後。
自宅の簡易検査で、答え合わせをすることになる。
続く。
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