43歳一独身公務員の旅行記(タイ編)⑥「クルーンテープ・アピワット中央駅」
2024年8月10日AM9:00 タイ旅行4日目
タイ旅行4日目となった。
朝、僕はシーロムを出発し、クルーンテープ・アピワット中央駅に向かっていた。例のGrabバイクに乗って。
リュックサックは重いのでホテルに預けてきた。
無印で買ったトートバッグにスマホとサイフだけいれてでてきた!天気も良く、爽やかな開放感があった。

だんだん乗り慣れてきた!
クルーンテープ・アピワット中央駅にいって、僕はアユタヤ行きの列車に乗る。アユタヤに行って、かの有名なワット・ロカヤスタ像を観に行きたいと思ったのだ。ワット・ロカヤスタ像とは、アユタヤの自然公園で寝そべっている全長45メートルのとてつもなくでかい仏像だ。昔流行った「ストリートファイターII」のムエタイファイター・サガットと闘う時にいく場所だ。
ちなみにひとりでいく。Kはもういない。またひとり旅のはじまり、ということになる。
※
昨日の夜のことだ。僕とKはバンコクにあるアジアティーク・ザ・リバーフロントのレストランで優雅なひとときを送っていた。

後ろにはチャオプラヤー川が流れ、豪華客船がある。



デザートのスイカ・スムージーをすすりながらKが改まった感じでいった。
「いやー、オギヤマさん、自分からタイ旅行に誘っておいて何なんだけど・・・」
「な、なんだい?」
「実は、今、例のAさんがタイにバカンスできていて、明日から会うことになったんす。だから申し訳ないんだけど、明日からは自分はパタヤにいくっス。スマン」
「えええ⁇ パタヤ⁈いや、ちょっとバッサリすぎないか⁈」
「うーん、ほんとすまないっス」
「なんだよそれー 」
「Aさん」のことはかねてより聞いていた。
KとAさんは大学時代に知り合った。KはAさんに恋し、告白してフラれた過去があるという。それから何年か経ち、KはAさんではない女性と結婚し、離婚した。Aさんも Kではない男性と結婚し、今では子どももいるという。
しかし、今でも KはAさんと定期的に会っているらしい。
「自分はAさんのことが好きだし、これからもずっと好きなのだと思う。それでいいと思っている」
Kは迷いなく言った。宣言と言ってもいいのかもしれない。
初めてその話を聞いた時、 僕はいささか納得ができなかった。子どもも旦那もいる既婚者と会い続けるのは果たして道義的にどうなのか・・・と。
KとAさんの間には肉体関係も全くないのだという。にわかに信じがたい話ではあるが、Kは嘘をつかない。ついたことがない。おそらく本当なのだろう。
KとAさんだけの愛の形があるのだ。
※


タイ国王・ラーマ10世の肖像が掲げられていた。

可愛い。
やたらにどでかい駅、やたらにどでかい青空。僕は駅の入り口に佇み、いつしか自分がハードボイルドなバック・パッカーになったような興奮を覚えていた。気持ちが高揚し、全身の隅々まで気力がみなぎっていた。まるで、大学ラグビー選手権、試合前のラガーマンのように。この無敵感。





探し出すのに駅内を探し回り、相当に焦った。

中は満員だった。

車窓からの風景、何もない大地が延々と広がっていた。ものすごく遠い、誰もしらない場所に連れていかれるような感覚があった。
僕は流れていく景色を眺めながら、Kの言葉をぼんやりと思い出していたのだった。
「自分はAさんのことが好きだし、これからも好きなのだと思う。それでいいと思ってる」
つづく
宜しければスキしてくださいっ!
