詩散 『熾(おきび)』
燃えてはいなかった。
だが消えてもいない。
静寂の奥で、
火は形を変えていただけだった。
風が触れる。
その瞬間、赤が目を覚ます。
激しく燃え上がるためではない。
ただ——
ここに在ると知るために。
炎はやがて鎮まる。
だが火は残る。
世界がどれほど流れても、
その芯だけは動かない。

燃えてはいなかった。
だが消えてもいない。
静寂の奥で、
火は形を変えていただけだった。
風が触れる。
その瞬間、赤が目を覚ます。
激しく燃え上がるためではない。
ただ——
ここに在ると知るために。
炎はやがて鎮まる。
だが火は残る。
世界がどれほど流れても、
その芯だけは動かない。
