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短編小説|1話完結|Someday...Somebody...|いつかまたどこかで

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いつかまたどこかで


 世界の片隅、今日も僕は文章をつづる。
 誰かのためでなく、ある特定の女性のために。

 ——僕の物書き歴は、もう25年ほど。ただ物書きと言っても、主にはSNSで発信するものを自分の書きたいタイミングで、書きたいように書いているだけ。賞をとったこともあるが、無料の情報誌に掲載されるような、ごく小さな賞をとっただけで、もちろんそこからプロの作家にならないか、なんて声がかかることもなく、今日もこうして名もない物書きとして文書を綴っている。

 もう20年近く前、僕の創作を好きだと言ってくれた女性がいた。本名は知らない。ただSNS上では、季節の名前を名乗っていた。後ろ姿の写真だけが公開されており、僕は勝手に好きなアニメのヒロインに似た人を思い浮かべた。

 SNS上で、僕は某有名大学に通っていて、大企業への就職が決まっているという設定で活動していた。実際にはFラン大学を卒業したのち、就職活動に難航、結局、近所のコンビニバイトの職に就いた。

 今も文筆家になる夢があるというのを建前に、コンビニバイトとしては超がつくベテランの域にある。当然、こそこそと陰口を言うものもいる。それでも僕が書くことを辞めないのは、この僕の創作を好きだと言ってくれた女性のためだ。

 一応、筆をとったきっかけは、鬱屈とした自分を表現し、僕と同じように、何でもない日常に苦しむ誰かの役に立ちたいという、ちょっとだけ格好いいものだった。だけどいつしか、それは単なる自己顕示欲になり、そのうち快感を得るためだけの自慰行為になった。そうして今や僕の創作活動は、僕の創作を好きだと言ってくれた女性へのラブレターへと変わった。途中、ただ吐き出していたものが、誰かへ届けたいものに戻っただけマシだろう——と、思いたい。

 元気ですか? お陰様で、僕は生きています。


 半分創作、半分実話です。
 私自身、今よりはずっと真面目に小説家になりたいと思っていた頃がありました。小説サークルなるものでがっつり人と交流していたことも。学生時代からぼっち寄りでしたが、自分はどこまでも集団行動が向かない人間なのだと自覚したきっかけでもあります。
 だのに、人は好き。ややこしや。

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