「戻す場所」を決めるだけで散らからない、家の設計思想
片付けても片付けても、すぐに散らかってしまう。そういう人、めちゃくちゃ多いですよね。でもね、これって片付けスキルの問題じゃなくて、実は家の「設計思想」の問題なんです。
何度も同じ場所が散らかるのは、あなたがズボラだからじゃない。その場所に「戻してくる動線が長すぎる」だけなんですよ。
なぜ同じ場所ばかり散らかるのか
よく考えてみてください。リビングのテーブルにはいつも、スマホ、リモコン、ハンカチ、つけっぱなしの本が積み重なってませんか?一方、クローゼットの中はきれいなまま。その差、何だと思います?
それはね、「テーブルの上は戻す距離が短い」けど、「クローゼットは戻す距離が長い」ってだけなんです。
人間は疲れていると、近い場所に物を置きます。遠い場所に戻すのは面倒だから。だから片付けの達人たちって、実は「片付け好きな人」じゃなくて「戻す動線を短くしている人」なんですよ。
これが本当に大事なポイント。ここに気づくと、家全体の散らかり方が変わります。
「定位置」の決め方のコツ
じゃあ、どうやって戻す動線を短くするのか。それは「生活の流れに沿った定位置」を決めることなんです。
たとえば、朝起きてからの流れを考えてみて。起床→洗面→朝食→出勤。この流れの中で、メガネはどこに置きますか?目覚まし時計の隣ですよね。じゃあメガネの定位置は、寝室のベッドサイドテーブルにする。そうすると、朝起きてメガネを取る時、わざわざリビングに行かなくていい。
これが「生活の流れに沿った定位置」です。
もう一つ例を出すと、帰宅後の流れ。玄関→靴を脱ぐ→カバンを置く→着替える。ここで大事なのが「帰宅直後に脱ぐもの」の定位置をどこに決めるか。上着やカバンは玄関の近くに、靴下や下着は寝室に。こうすることで「わざわざ上着をクローゼットまで持ち運ぶ」という無駄な動作がなくなるんですよ。
逆に散らかっている家って、定位置が「生活の流れと逆方向」になってることがほとんど。鍵と携帯をリビングの一番奥に置いてて、でも玄関から帰るたびに「あ、鍵を置いてきた」ってなる。これは定位置の場所が悪いってわけです。
「通路」を意識する
もう一つ、物の配置で大事なのが「通路」の概念です。
あなたが毎日、家の中でどこを通るのか。朝は玄関からリビングへ。帰宅後は玄関からキッチンへ。仕事から帰ってきた時、くたくたなあなたが一番「物を置きやすい場所」はどこですか?
それはね、あなたが必ず通る通路の上なんですよ。だから、その通路の途中途中に「置き場」を作ってあげるんです。玄関の近くに「帰宅直後の荷物置き場」。リビングの端に「その日の着替え置き場」。
逆に言うと、あなたが毎日通らない場所に定位置を作っても、人間は絶対に戻しません。クローゼットの奥に「季節ごとの装飾品」を置いても、3日後には忘れてる。でも玄関の靴箱の上なら、毎日目に入るから、自然と定位置に戻すんです。
これは「強制的な片付け」じゃなくて、「自動的に片付く仕組み」を作ってるってわけですね。
「戻しやすさ」と「見つけやすさ」は別問題
ここで一つ、気をつけておきたいことがあります。
「戻しやすい場所」と「見つけやすい場所」は、必ずしも一緒じゃないってことです。戻すのは短い動線がいい。でも物を見つけるときは、視界に入りやすい場所がいい。
たとえば、眼鏡。朝起きてすぐに眼鏡をつけるから、ベッドサイドは「戻しやすい場所」としていい。でも、寝る前に眼鏡をしまう時、真っ暗いベッドサイドテーブルの引き出しだと「あ、どこに入れたっけ」ってなりますよね。
だから眼鏡の定位置は「ベッドサイドの、見えやすい場所」にする。引き出しじゃなくて、テーブルの上。そうすることで「戻しやすい」と「見つけやすい」が両立するんです。
このバランスが取れると、不思議と物を失くさなくなるし、散らかりにくくなります。
実は家具の配置が先なんです
ここからが、本当の「家の設計思想」の話になります。
ほとんどの人は「物の定位置を決めよう」って考えて、その後に家具を置くんです。でも本当は逆です。先に「あなたの生活の流れ」を意識して、その流れに沿うように家具を配置する。そうすることで、自動的に定位置が決まるんですよ。
たとえば、あなたが帰宅後に「カバン→脱いだ服→靴」をこの順で置くとしたら。玄関の近くに「カバン用のボックス」を置いて、その隣に「着替え用のラックかハンガー」を置いて、その隣に「靴を脱ぐ場所」を作る。こういうふうに、流れに沿って家具を並べるんです。
そうすると、物を置く場所が自然と決まるし、人間はその「決まった流れ」に従って生活するから、散らかりにくくなるわけです。
逆に、「きれいな配置」を優先して家具を置いちゃうと、あなたの生活の流れと家具の配置がズレます。そうすると「あ、ここにカバンを置きたいのに、家具がない」ってなって、テーブルの端にカバンを置いちゃう。それが散らかりの始まりなんですよ。
散らからない家は、設計から始まる
ね、「片付け」って実は小手先のテクニックじゃなくて、家全体の「設計思想」の問題だったんです。
戻す場所を決める。戻す動線を短くする。そして、その動線に沿うように家具を配置する。この三つができると、不思議と家は散らかりにくくなります。
もちろん、完璧を目指す必要はありません。でもね、「いつも同じ場所が散らかる」ってあなたも「よし、この場所への動線を短くしてみようか」って一度考えてみてください。テーブルの角に、ちっちゃい箱を置くだけでいい。クローゼットの前に、簡単なラックを置くだけでいい。
そういう小さな工夫が積み重なると、あなたの家は「散らかりにくい家」に変わっていくんですよ。これからは「片付けスキル」じゃなくて「家の設計」の目で、あなたの家を見てみてください。きっと、これまで見えなかったものが見えてくるはずです。
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