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第15話 | キャラ弁じゃなくても | 中身より大事なもん

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第1話|抱っこと決意|シングルファザーとなった最初の日https://note.com/fast_deer7937/n/n74aef03be245 

普段は、弁当を作る生活じゃなかった。
朝は時間との勝負で、
食べさせて、送って、仕事に行く。
それで精一杯じゃった。
でも、ピノの遠足の日だけは別。
「お弁当、いるよ」
その一言で、
一日の重さが少し変わる。

当時、流行っとったのは妖怪ウォッチ。
正直、
「なに言われるんじゃろう…」
不安に思いながら聞いてみると、
ピノが好きじゃったのは
ウィスパー。

……助かった、と思った。笑

白いし、丸いし、
まだ、どうにかなりそうじゃった。
楽だった、というのは本音じゃけど、
それでもそれなりに緊張はした。
キャラ弁なんて、
人生で作る予定はなかったけぇ。

それから、
少し時間が経って、
今度はパピコの遠足。
「ジバニャンね」
……来たか。

朝から、
カニカマと向き合う。
細く裂いて、
並べて、
目を作って、
口を作る。
それなりに出来たんじゃなかろうか。

ただ、集中しすぎて、
会社に向かう途中、
遠くにピントが合わん。
正直、ちょっと危なかった。

それでも、
その弁当を前にした
子どもらの顔は、
今でもはっきり思い出せる。

今でこそ、
毎日弁当を作っとるけど、
あんな気合いは入れとらん。

当時は、
「毎日弁当作っとるお母さんって、
ほんまにすごいな」
心から、そう思った。

――とっちゃRECO――
昔、
「弁当が子どもにどんな影響を与えるか」
そんなことを、
自分なりに調べたことがある。

栄養の話もある。
見た目の話もある。
でも、一番大きかったのは、
**「覚えとる」**ということじゃった。

ええ弁当も、
悪い弁当も、
子どもは、ちゃんと覚えとる。

おいしくなくても、
きれいじゃなくても、
作ってもらった記憶は残る。

それは、
子どもにとっての
「大事にされた感覚」
なんじゃと思う。

実際、
大人になった今でも、
弁当の話をすることがある。
友人同士で、酒を飲みながら。
「市販の骨付きウィンナーが
 ドンと入っとったことがあるで」
「米忘れられたことがある」
等々、酒の席では失敗したであろう
お弁当の話が多いが、
これも笑い話になる。

それだけで、
もう十分なんじゃと思う。

弁当は、
完璧じゃなくてええ。
頑張りすぎんでええ。
作ってあげること自体が、
もう、
子どもの人生のどこかに、
ちゃんと残っとる。

――とっちゃRECO――

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