とあるカツカレーの名店の秘密
そのお店は都内、某区にある。
グルメ天国東京で、
いろんな土地の良いところを
つまみ食いしたくて、
私は賃貸マンションの契約更新のタイミング
である2年を区切りに、
とにかく引越しを繰り返した。
そんな私を捉えたもの、それはカレー。
カレーの聖地とも言われる場所に、
長きに渡り住んでいた私。
このお店も、その場所にあった。
「◯◯ってお店、知ってる?」
会社の先輩が私に語りかける。
「カツカレーが死ぬほど美味しいんだけどさ、
まぁ、ちょっと難点があって…。
勇気があれば言ってごらん?」
ニヒルな笑みを浮かべる先輩。
「ちょっとした難点」については、
どれだけ聞いても答えてくれなかった。
思わず私は、帰宅途中の電車の中、
スマホで鬼検索。
食べログの口コミは二極化していた。
「文句なしに美味しい!!
何があろうと美味しいは大正義」と
5をつける人もいれば、
「こんなお店は初めてです。
でももう行きません。あれは耐えられない」
と1の人もいた。
口コミ数も多いし、味の評価はすごく高いのに、
低評価も一定数いるために総合評価が中間の
3ぐらい。他店に完全に埋もれている。
味だけ見れば都内屈指、でも何かがあるらしい。
その「何か」は、まるで示し合わせたかのように誰も書いていなかった。
週末。
好奇心に抗えなくなった私はそのお店を訪れた。
狭い店内には私の他にはお客さんはおらず、
店主とその奥さんだけがいた。
「はい、カツカレーね」
と、店に入って割とすぐ、カツカレーが登場。
だって、メニューはこれしかない。
出されたカツカレーは
息を呑むほどに美しかった。
キツネ色の衣は口に入れずとも
サクサクッと音を立てている気がする。
すぐにスプーンを持ち、
食べだそうとする私の前に、
店主は徐ろに座る。
「…お嬢ちゃん。今の政治はどう思う?」
そこから私は、店主の熱い思い溢れる
今の政治への批評を聞きながら、
カツカレーを戴いた。
「日本、変わんなきゃ駄目だよ!」
と目の前で繰り広げられるトークと、
感動するほど、とびきり美味しいカツカレー。
「カツカレーめちゃくちゃ美味しいですね!」
と私が言っても、
「そんなことより、
政治についての意見を聞かせてくれ」と。
完食し、ひと通り店主の政治談義を浴びた後、
私は店を出る。
扉を閉めて、「ふぅ」とひと息。
カツカレーの美味しさの余韻に浸る。
カツカレーと店主の政治への思い、
どちらも、ともすれば火傷するほどに熱かった。
高市政権が発足した今。
日本が動き出した今このタイミングで、
店主は何と言うだろう。
あの美味しすぎるカツカレーと、
店主の政治談義と。
深夜1時。
あのお店に、行きたくてたまらない禁断症状。
ひとまず今夜は、
カツカレー先生の9ヶ月記念と高市政権発足に
乾杯と行こうじゃないか。
お疲れカツカレー先生、note9ヶ月記念、
おめでとうございます!!
先生の企画をうっかり見逃しており、
急ぎ記事を書き上げました。
先生の記事は素敵なものばかりで、
私は特にこの記事が好きです。泣きます。
