見出し画像

AIに看取られる日 奥真也 未来の医療は明るい

■概要

『AIに看取られる日 2035年の「医療と介護」』 奥真也(著) 朝日新聞社〈朝日新書〉、2025/9/30
未来の医療やAIによる「死に方」と「生き方」
今後10年、さらにはその先を見すえ、AI・IoT・ロボティクスの導入によって医療と介護は大きく進化していくことが期待されている。
本書は同時に、医療と介護を分断された制度としてではなく、連続した一体のサービスとして再設計する必要性を訴えている。

■内容メモ

◆医療へのAI活用と新技術

・AIが患者さんの傾聴相手、心理的サポート、リビングウィル(事前指示書)の作成など
・AIこそが診断や治療の中心を担い、人間の医師はその判断をもとに患者さんとの対話や調整をおこなう「協力者」になる
・医療ドラマ 『グッド・ドクター』サヴァン症候群の医者
 記憶するだけならAIは良い医者になれる
・AIの普及の移行期には一時的に誤診が増えるかも
・IoT、ビッグデータでがんを早期発見
便座で、鏡で、生体データを収集
・AIによる医療の責任 自動運転が参考になるか
自動運転モードで走行している間、ドライバーはその車の挙動に責任を問われず、事故が起きた場合の補償責任は保険会社、ソフトウェア会社、自動車会社が共同で負う 
・AI以外でも新しい医療技術が続々と出ている
クリスパー、CAR-T療法、RNA干渉療法、アルファ線療法、バイオプリンティング、デジタルツイン、がんワクチンなど

 

◆現代の医療の問題

・直美問題 若い医師は美容外科などの自由診療に集中してしまう
・医師不足 教育期間が長すぎる。育成型の医学部とは異なる機関を設立し、3-4年で臨床医を育成できるようになれば医師不足が解消できるのではないか
・あまりに範囲が広い保険診療
国力が衰えていても、保健医療の充実度だけは世界一というのは健全なのだろうか
・医療費削減のカギはOTC (Over the counter)薬 
・メコバラミン ALSの治療薬 研究者による偶然の発見
・臓器移植 移植後の維持費がかなり高い
・病院が儲かるというのは過去の話
・病院のDXは負担だったが、少ない設備投資でよくなる

◆介護の問題

・介護制度は複雑すぎる
・介護職への利用者やその家族による過剰な要求、ハラスメント
・医療と介護の断絶は、時として命に関わる
・介護ロボットがあれば介護の負担は劇的に減る 
そのために迎え入れる準備をはじめなければ

◆安楽死、尊厳死、自殺ほう助

・自殺幇助と積極的安楽死を合法化すべき
・ジャン=リュック・ゴダール スイスで自殺ほう助をうけてなくなった
・重度ALSの患者でも、多くの患者は生きることへの意志を持ち続けている 
しかし全員ではない

■感想

◆医療と介護

著者は「医療介護」という言葉を提案し、医療と介護の連携の必要性を強調しています。
しかし、どちらの現場も実際には知らない立場から無責任に想像すると、両者の連携は決して容易ではないのではないか、と感じてしまいます。
たとえば現在、
医師の平均年収は約1,400万円前後であるのに対し、
介護士・介護職員の平均年収は約350~450万円程度と、大きな差があります。
収入水準がこれほど異なれば、生活様式や日常の行動範囲も変わり、交友関係が重なる機会もほとんどないでしょう。
そう考えると、医師と介護士の間には、見えにくい壁が存在しているようにも思われます。

 

◆『未来の医療年表』

著者の前著『未来の医療年表』2020/9/16では以下のような予想がなされていた

・2025年 初の本格的認知症薬誕生
〇2024年に新薬が承認・販売された
 レカネマブ、ドナネマバブ
 どちらも脳内のアミロイドベータに作用する
 ただし、回復する治療薬ではなく、「病気の進行を遅らせる」薬。

・2025年 病院へのフリーアクセス廃止
△議論はされており、紹介状は一般化しているが「禁止」ではない
→今ここ
・2030年 AIドクターが主流に
・2030年 感染症の脅威から解放
・2032年 安楽死法制定
・2035年 がんの大半が治癒可能に
・2040年 神経難病克服
・2040年 糖尿病解決

大いに期待しましょう


◆「人間医師」

本書にもありますが、医療を行うAIに対して人間の医師は「人間医師」と呼ばれるようになるのかもしれません

全然関係ないんですが
1990年代にプロレスのタッグチームで「殺人魚雷コンビ」というがありまして、これは
「殺人医師」のスティーブ・ウィリアムス と
「人間魚雷」のテリー・ゴディ の
ニックネームを合わせた命名でして

殺人・魚雷 だから迫力があっていいけど
人間・医師 にしてたら締まらないよなあ
というのがありました
分けわからない話ですみません どうしても言ってみたくて

 

■終わりに向かって

日本の医療や介護には多くの課題があるのは確かですが、AIによる研究開発や創薬、ロボティクスの活用は今後さらに加速していくでしょう。
本書の内容からすると、過度に悲観するよりも、全体として見れば、今後10年ほどの間に大きな進展が期待できると言えます。極端に暗い見通しを持つ必要はないのではないでしょうか。

もっとも、制度改正や認可が進み、こうした技術が一般に広く行き渡るまでには相応の時間がかかります。

それまでの間はみなさん 可能な限り健康で行きましょう

最後までお読みいただき ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!