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インプットを腐らせない。7,000のメモを「資産」に変える、非IT実務家のファイリング戦略

「昨日読んだ本で、一番重要だと思った気づきは何でしたか?」
「先週見たあの有益なYouTube動画のタイトルと、その要点を覚えていますか?」

このように問いかけられたとき、多くの人が「えっと、何だったっけ……」と言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。本を読んだり動画を見たりした瞬間は、頭が良くなった気がして満足する。しかし、数日経つと綺麗さっぱり忘れてしまい、日々の仕事や行動には何一つ活かされていない。この「インプットしただけで満足して終わる消費行動」は、ビジネスパーソンにとって最も手痛い時間の浪費です。

こんにちは、松本佑太です。

私は現在、AIを活用するベンチャー企業で、非ITの実務職として働いています。日々、ものすごいスピードで進化するAIと向き合いながら、現場の業務効率化や戦略設計に取り組んでいます。

実は私自身、日々の「インプット」と「情報整理」のやり方について、長い間大きな葛藤を抱えていました。

前提として、私は毎日、デイリーノート(日記)を欠かさず書いています。これには明確な目的があります。「AIの中に、私自身の分身(思考モデル)を作るため」です。

AIに私らしい文章を書かせたり、私の代わりに思考を壁打ちさせたりするためには、私の脳を通過したすべての一次情報をAIに渡す必要があります。だからこそ、その日に直面した仕事の葛藤、感じたこと、反省点、そして読んだ本やYouTube動画から得た学びまで、一字一句を漏らさず、その日の日付のデイリーノートに書き殴るように一元化していました。

しかし、この「すべての情報をデイリーノートに一元化する」という運用を続けているうちに、別の深刻な問題が浮き彫りになったのです。

それは、「過去の学びの引き出しにくさ」でした。

日付単位で私の思考を蓄積していくアプローチは、私の「分身」を作る上では有効に機能していました。しかし、いざ実務で「前に本で読んだ、あの言語化のテクニックを企画書に使いたい」と思ったとき、別の課題にぶつかりました。
「あの本で言っていた内容って、何月何日の日記に書いたっけ?」
「確か数週間前のどこかにあるはずなのに、日付で雑多に保存されているから、検索しても目当ての記述に辿り着けない」
結果として、せっかく時間を投資して得た知識が、デイリーノートの中に埋もれてしまい、実務に活かせない状態が続いていました。

「だったら最初から、本やYouTubeのフォルダに直接メモを書けばいいのでは?」と思うかもしれません。

しかし、それは現実的ではありません。インプットした瞬間に「これは本用のフォルダに整理して書き込もう」「これは動画用のファイルに……」と、頭の中で分類して綺麗に書こうとすると、アウトプットの心理的ハードルが跳ね上がってしまいます。結果として、デイリーノートにその日に感じた生々しい感情や思考をありのままに吐き出すという、最も重要なリズムが崩れてしまうのです。

「日記はいつも通り、その日にあった感情も学びもすべて泥臭く書き殴る(一次情報の収集)。しかし、そこから得た『本』や『YouTube』などの特定の学びだけは、後から引き出しやすいように、作品ごとのファイルに仕分けてストックしていく」

この「日記」と「作品ごとのファイリング」の二層構造を、私は試してみることにしたのです。

この気づきのきっかけとなったのが、あるYouTubeの事例動画でした。そこで紹介されていたのが、7,000ものメモをローカル環境(Obsidian)に蓄積し、本来はプログラミング用であるCursorというツールをドキュメンテーションと情報参照のために転用し、瞬時にデータを結合させるシステムでした。

「思い出すために過去 of 資料や本を読み直す時間を、完全にゼロにする」
その言葉を聞いたとき、「これと同じ仕組みを自分も作れるのではないか」と考えたのです。

すべてを自分の頭の中に完璧に記憶しておく必要はありません。AIが後から「一瞬で引っ張ってこれる形式」でローカルに整理して投げておけばいい。脳のメモリに記憶させる努力を捨て、AIが参照しやすい「最小限のルール」でファイリングし、第二の脳に外出しするのです。

私はすぐに、これまでのデイリーノートの棚卸しを始めました。
書き散らしていた過去の日記から、言語化に関する書籍や、ビジネス系の解説動画などから得た「生きた学び」だけを抽出し、input/book/ や input/youtube/ というフォルダに「作品名(書籍や動画のタイトル)」単体のファイルとして綺麗に整理し直したのです。

たとえば、言語化に関する書籍のファイルには、以前の日記に書いていた「思考の絡まりを解く手法」と、最近の日記に新たに書いた「具体化を深める思考のものさし」を、日付の壁を取り払って1つのファイルに集約・マージして蓄積しました。

さらに、今後も日記を書く中で同じ作業を手動で繰り返すのは非効率なため、「ジャーナル(日記)からインプット情報を自動抽出し、作品名ファイルに自動分類してマージする専用のAI指示書(スキル)」も構築しました。

この「作品ごとのインプットフォルダ」をAI(Cursor)に読み込ませて執筆や実務のアイデア出しを行うようになってから、知的生産の効率は劇的に変化しました。
以前なら「確かあの本に書いてあったはず」と本棚や過去のメモを探し回るのに15分以上かかっていたものが、今ではAIに「〇〇という書籍のインプットをベースに、この課題の解決策を出して」と指示するだけで、過去の自分の学びを瞬時に統合したドラフトが数秒で上がってきます。

日記は日記として、自分の感情や活動のすべてを吐き出す場所として守る。そして、そこから得た知識は作品単位でファイリングし、AIの思考の材料(コンテキスト)にする。この役割分担ができて初めて、情報は「その場限りのメモ」から「いつでも使える資産」へと変わります。

インプットの本質は、知識を一時的に暗記することではありません。必要なときに「使える道具」として引き出せるように整理しておくことです。「せっかく学んだのに仕事に活かせていない」と感じているなら、まずは今日見た動画や、今日読んだ本の一節を、作品名のファイルとして1つ保存し、二層構造の整理を始めてみませんか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。



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松本佑太|元派遣・スーパーレジ打ち ▶ noteで人生を変えたAI実務家 もしこの記事が「面白い!」「役に立った!」と感じていただけたら、下のボタンからサポートをいただけると嬉しいです。あなたの応援が、次の作品を作るための大きな力になります。いつもありがとうございます!