【続・Antigravity体験談】「指示待ちAI」を「自律型パートナー」に変える、たった2つの設定(RulesとWorkflows)
こんにちは、松本佑太です。
以前、↑こちらの記事で、「Antigravityは単なる道具ではなく、自律的な職人だ」という話をしました。
あの記事を書いた後も、私は毎日Antigravityとペアプログラミング(というか、ペアライティング)を続けています。
そして、使い込むうちに、あることに気がつきました。
「Antigravityが賢いのは、単にAIモデルが優秀だからだけではない。私たちが『正しい設定』を与えているからこそ、その能力が発揮されているんだ」
そもそも、Antigravityとは?

「Antigravity(アンチグラビティ)」とは、Googleが開発した「エージェント・ファースト」の開発プラットフォームです。
従来のAIエディタ(Cursorなど)が「人間が書くコードを補完する」ツールだったのに対し、Antigravityは「AIエージェントが主体となって計画・実行・検証を行う」ことを前提に設計されています。
最大の特徴は、「Mission Control(ミッションコントロール)」と呼ばれる司令塔機能です。
ここでは、人間が「高レベルの目標(例:認証機能を実装して)」を指示するだけで、AIエージェントが自律的に:
Planning(計画): タスクを分解し、手順を策定する
Execution(実行): コードを書き、ターミナルを操作し、ブラウザで調査する
Verification(検証): エラーが出れば自己修正し、成果物を検証する
というサイクルを回します。つまり、人間は「プログラマー」から「監督(ディレクター)」へと役割が変わるのです。
しかし、「監督」であるあなたが方針を示さなければ、優秀な「役者」であるAIも動きようがないんです。
実際、これから紹介する「2つの設定」をしていないと、あのAntigravityでさえ、ただの「性能の良い指示待ちマシン」になってしまいがちです。
逆に言えば、この設定さえしっかりしておけば、AIはあなたの「阿吽の呼吸」を理解する頼れるパートナーになってくれます。
今日は、私がAntigravityを使っていて痛感した、成果物の精度を劇的に変える「たった2つの設定」についてお話しします。
なぜ、AIは「指示待ち」になるのか?

AIを使っていると、こんな悩みを持つことはありませんか?
「毎回同じような指示をするのが面倒」
「『もっといい感じに』と言っても、無難な回答しか返ってこない」
「結局、自分が細かく指示しないと動かない」
これは、AIの能力不足ではありません。
AIに「人格(Who)」と「手順(How)」が与えられていないことが原因です。
優秀な新入社員が入ってきても、「君の役割はこれ(Who)」と「仕事の進め方はこれ(How)」を教えなければ、彼らはデスクで立ち尽くすしかありませんよね。AIも同じです。
Antigravityにおいて、この「Who」と「How」を定義するのが、「Rules(ルール)」と「Workflows(ワークフロー)」です。
設定1:Rules(ルール)= AIの「憲法」

一つ目の設定は「Rules」です。これは、AIにとっての「憲法」や「人格」にあたります。
たとえば、Antigravityに対して以下のような役割を定義してみます。
あなたはプロのライティング・パートナーです。
1. 役割: 読者の悩みに寄り添うメンターとして振る舞ってください。
2. トーン: 親しみやすく、かつ論理的に。専門用語は噛み砕いて説明すること。
3. ゴール: 読者が「明日からやってみよう」と思える具体的なアクションを提示すること。
これを設定する前と後では、AIの回答の「深さ」がまるで違います。
設定前は、「記事を書いて」と言うと、「はい、書きます」と優等生的な文章が返ってきました。
しかし設定後は、「そのテーマで読者の人生はどう変わりますか? 編集長として、もう少し深掘りが必要です」と、私にダメ出しをしてくるようになったのです。
「Rules」を設定することで、AIはただの作業員から、「私の視点を持ったパートナー」へと進化します。
設定2:Workflows(ワークフロー)= AIの「レシピ」

そしてもう一つ、最近その重要性に気づいたのが「Workflows」です。これは、複雑な業務を遂行するための「手順書」や「レシピ」です。
以前の私は、記事を書くたびにこう指示していました。
「まずは日記を読んでネタを探して、次に重複チェックをして、そのあとに構成案を作って……」
これでは、私が司令塔であり続けなければなりません。疲れますし、抜け漏れも出ます。
そこで、この一連の流れを「ブログ執筆ワークフロー(blog_workflow.md)」という一つのファイルにまとめてみます。
ネタ探し: 指定フォルダからアイデアを抽出する
構成案作成: 過去のヒット記事の構成を参考にする
執筆: 指定のトーンで本文を書く
推敲: 誤字脱字と読みやすさをチェックする
こうして「レシピ」を渡しておけば、あとは「ブログ執筆ワークフローを実行して」の一言だけで済みます。
Antigravityは、そのレシピを読み込み、
「了解しました。まずはネタ探しですね、指定フォルダを確認します……次は構成案の作成です……」
と、自律的にタスクを消化していくのです。
この「レシピ(Workflows)」があるからこそ、AIは迷子にならず、常に一定の品質で成果物を出し続けることができます。
「Rules」と「Workflows」が揃ったとき、AIは真価を発揮する

Rules(憲法): 誰として振る舞うか(マインド)
Workflows(レシピ): どう動くか(アクション)
この2つが揃ったとき、AIとの関係性は劇的に変わります。
今日、私はこの記事を書くにあたって、Antigravityにこう言っただけです。
「今日の記事提案して」
たったこれだけ。
しかし彼は、私の「編集長としての視点(Rules)」を持ち、「記事執筆の手順書(Workflows)」に従って、完璧な企画書を持ってきてくれました。
そこには、もはや「指示出しのストレス」はありません。
あるのは、熟練の職人とペアを組んでいるような、**「阿吽の呼吸」**だけです。
設定は驚くほど簡単
「難しそう」と思われるかもしれませんが、設定は驚くほど簡単です。
Antigravityの画面右上の「...」メニューから「Customizations」を選ぶだけで、すぐに設定画面にアクセスできます。

Rulesの設定: 「Rules」タブを選び、「+Workspace」ボタンを押して、あなたの役割定義(憲法)を書き込むだけ。
Workflowsの設定: 「Workflows」タブを選び、よく使う手順(レシピ)を登録するだけ。
これだけで、あなたのAntigravityは「あなた専用」にカスタマイズされます。
まとめ:AIを「パートナー」にするのは、あなたの設定次第

もしあなたが、「AIがいまいち賢くない」「指示出しが面倒だ」と感じているなら。
それはAIのせいではなく、「憲法」と「レシピ」を渡していないからかもしれません。
Rules: あなたは誰なのか? 何を大切にするのか?
Workflows: どんな手順で仕事を進めるのが正解なのか?
この2つを言語化して渡してあげること。
それが、AIを「便利な道具」から「かけがえのないパートナー」へと進化させる、確実な方法なのです。
ちなみに、これだけの機能を持ったAntigravityは、現在プレビュー版として無料で公開されています(2025年12月現在)。
Cursorと同じVS CodeベースのUIなので、普段Cursorを使っている方なら違和感なく移行できるはずです。
ぜひ一度、この「自律型パートナー」との仕事を体験してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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