秋葉原で出会った「売らない店員さん」の話
母の携帯電話の調子が…
先日、90歳を迎える母が使っている携帯電話の調子が悪くなりました。
充電ができず、このままでは連絡手段がなくなってしまう。
高齢の母にとって携帯電話は生活の一部であり、生命線でもあります。
何とかしなければと思い、中古携帯を取り扱う店を調べ、時折雨脚が強くなる秋葉原へ私は向かいました。
秋葉原に着いて…
事前に、訪れる候補のお店を二軒に絞っていました。
私は駅から近い方の店へ向かいました。
ところが歩いている途中にふと見ると、もう一つの目当てのお店が入っているという建物の名前が目に入ってきたのです。
「あれ?」
と思いながら建物に入りました。
すると、そこにはそのお店があったのです。
(後で分かったのですが、私は地図の向きを勘違いしていたようでした…)
店内に入り、
持参した携帯電話を店員さんに見せ、事情を説明しました。私はてっきり、
「これはもう、買い替えないとダメですねぇ…」
と言われるものだと思ってました。
ところが、返ってきた言葉は、
「いや、電池パックだけならネットで買えますよ。緊急とかでないなら、その方が安いですし。」
私は少し驚きました。お店としては商品を売った方が利益になるはずだからです。
すると、その店員さんは自分のスマートフォンをズボンのポケットから取り出し、
「こうやって検索すると……ほら…こんな感じで出てきますよ。」
と実際の画面を見せながら教えてもくれました。
昨年も秋葉原で…
いま使っているパソコンを購入した時のことでした。
中古のパソコンについて、私はある店員さんに相談しながら選んでいました。その店員さんは手際よく状態を確認しながら、
「あ……バッテリーもそれほど劣化していませんね……」
「メモリーは小さいですけど、ゲームとかしないのなら問題ないと思いますよ。」
と説明してくれました。
高価な機種を勧めるわけでもなく、不安をあおるわけでもない。
私の使い方に合わせて、必要十分なアドバイスをしてくれました。
おかげで、そのパソコンは今も問題なく働いてくれています。
若い世代の人々に対して…
「最近の若者は……」
という見方はいつの時代でもあるものです。
しかし今回、改めて私は感じたのです。
人は年齢では測れない。
見た目でも測れない。
話し方だけで判断できるものでもない。
目の前の相手にとって何が一番良いかを考え、自分の利益にならないことまで教えてくれる。
そんな誠実な若い人たちが確かにいる。
母の携帯電話がつないでくれた…
その日、私は電池パックも、端末も、結局何も買いませんでした。
しかし私は、少し温かい気持ちを持ち帰ることができました。
便利な時代になったと言われ、人と人とのつながりが薄くなったとも言われています。
しかしこの秋葉原で出会った店員さんたちは、そんな見方だけでは語ることのできない、人として大事なものを私に見せてくれたのでした。
あわせて読みたい
今回の出来事を通して、私は「損得だけでは説明できない日本人の行動」を改めて考えました。
サッカー日本代表の試合後、なぜ日本のサポーターは誰に言われるでもなくゴミを拾うのか。その背景にある日本の文化について書いた記事です。
▶ 『なぜ日本のサポーターは試合後にゴミを拾うのか ~世界が驚く日本の清掃文化~』
※今回お世話になったのは、秋葉原の「CCコネクト秋葉原本店」さん、
昨年のパソコン購入時は「PCコンフル」さんでした。
親切に対応してくださった店員の方々に改めて感謝いたします。

