企画応募|私が小説を書く時に
大橋ちよ様の「[ゆる募] 私が小説を書くときにやっていること」に応募します。ただ私も結構行き当たりばったりで書いているので、最近書いた「81(エイティーワン)」を例に取ります。
私が小説を書くときにやっていること
【1】物語の動機
連作短編の場合
「JK紬のセキュリティ相談室」の場合、ある程度キャラとテーマ(セキュリティ)が決まっているので、世の中で怒った出来事をセキュリティ的な解釈をして、それにそって物語を動かしていきます。
なのできっかけさえあれば、早く書き出すことができます。
私の「セキュリティ」に対する考え方は、「日常事」や「森羅万象」をセキュリティ的に解釈することですので、例えば、一見セキュリティと関係なさそうな事象を捻じ曲げてセキュリティ的に解説する道筋を作ります。
単発の場合
「81(エイティーワン)」とか「やさしい風が吹く丘の上で待つ君と‥」等の場合は、「世の中にこんなのがあるんだ」ということを知ったのがきっかけです。
「81(エイティーワン)」の場合は刑法81条外患誘致罪というものを知ったのがきっかけで、それが適用されるのはどんな状況で、どんな可能性があるのだろうと考えて物語にしました。
「やさしい風が吹く丘の上で待つ君と‥」は、聴導犬セミナーに参加した事がきっかけです。耳が聞こえないことの苦労や、災害時の逃げ遅れなどの話を聞き、これを物語にしてみようと考えました。悲しい話を先に聞いてしまったので、最初に「ビターエンド」が思いつき、それから「ハッピーエンド」を書いた感じです。
【2】プロット
次に大まかな話の流れを作ります。大体はオチから遡って考えます。
「81(エイティーワン)」の場合であれば
オチ:外患誘致罪で死刑
オチの前:なぜ外患誘致罪が適用されたのか、そこに至ったのか
その前:なぜそこまで危険なことに深入りしたのか?
その前:起点、人物紹介など
と考えると、自然と結・転・承・起と並びますので、あとは各パートを膨らましていきます。
特に、自分が死刑になってもいいと考えるのはどんな心境なんだろう?って思い、前半にかなり文量を詰め込みました。
【3】下調べ
ここでプロットに書かれた事が現実的なのか、その事例はあるのか?みたいな検証に入ります。ここではGeminiが活躍します。
過去発生したスパイ事件手口を調べる
原子力発電所従業員向け設備を調べる
過去原子力発電所を狙った軍事行動を調べる
などなど
【4】誤字チェック
ここまでで、物語の7割ぐらいは書きあがっています。じつはここからが長いです。
誤字チェックにはNotebookLMを活用します。私は人物設定をあまり確定せずに書き始めてしまうので、物語の中で名前がぶれます。「81(エイティーワン)」の主人公は「美里」ですが、それが「里美」になったり「美咲」になったり。
【5】視点チェック
最大の山場ですね。
私が物語を書くときは、1人称単一視点で書きます。(私は、とか)
ところが、書いているとどうしても他人視点や3人称で書いたほうがよいシーンが出てきて、悩みます。
思い切って場面転換を用いて3人称視点にするか、いっそ切るか。
私の小説は、ほぼ一人称単一視点で展開し、たまに3人称が入るという構成になっています。
【6】全体チェックと書き直し
ここからが長いです。じつはこの時点で連載小説の場合は1話とかを公開していることが多いのですが。
全体をみなして、プロット再作成。この時は手でやることもありますが、NotebookLMのマインドマップやビジュアライズを利用することが多いです。
「81(エイティーワン)」の場合、致命的な欠点が見つかりました。それは「刑法81条を適用するのは無理がある」ってこと。刑法81条は「武力を行使させた」とあり、実行済であることが必須。
もともとのストーリーは。ラストシーンで死刑宣告を受けるところで終わっていたのですが、いや武力行使してないじゃん。
じゃあ82条の外観援助罪適用ってことにすれば。あ、そうすると最大無期懲役ってことになる。
そして82条も「行使」が前提なので、そうすると刑法88条予備及び陰謀、もしくは刑法87条の未遂になるかも。
この時点でラストの「死刑判決」Goなくなっているので、じゃあその時の美里の心情はどうなるのか?そこに至るまでにどんな背景が?ってところで東とのやり取りを追加、美里とイージュンの会話を前の方に追加します。
【7】やっと最終稿、でも
そして、さらに考えると、生き残った主人公はどうなるのだろうと考えてエピローグの追加をし、エピローグのシーンを受けて、その前段階の話を追加(東や遠野のエピソード)で、ようやく最終段階です。
実はこの段階で、人物設定を書きます。物語の中で、どう動いたのか、を考えて人物設定に落とし込んでいると「あれ?行動の矛盾がある」って気づくんですね。「81(エイティーワン)」では遠野と東でした。
遠野はもともと1技術者として絶対的な技術への自信が崩壊する役どころだったのですが、竹川とのコミカルなやり取りが増えたことでキャラ崩壊してしまったので、「娘に振り回されるお父さん像」や「仲間を大切にする」ストーリーが追加されました。
東はもともと冷徹な法の執行者だったのですが、東がそこまで冷徹になれる背景がありながら美里に忠告するシーンのギャップがあり、そこを埋めるために東の過去の話と、美里の妊娠を知るエピソードを追加。
作品紹介
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