出席♨️「温泉名人」になる法 (別府八湯温泉道) ②

わたくし、生まれも育ちも大阪です。病院で産湯を使い、姓は温泉、名は名人。人呼んでフーテンの寅ベラー「温泉名人」と発します。
皆様ともどもタコ焼き、お好み焼き、串カツの香り漂う浪花の片隅に、しがねぇ仮の住まいを構え、
西の湯に行っちゃあノボセ、東の湯に行っちゃあフヤケ、気がつきゃ土地土地のお兄さん、お姉さんに世話になりっぱなしの、
どうにもこうにも湯気くさいオッチャンでござんす。
以後、見苦しき面体お見知りおかれまして、万端ひきたって、よろしくお頼み申します。

フーテンの寅ベラーこと
「温泉名人」のオッチャンです
今回は、⛴️弾丸フェリー(大阪~別府)を利用し、 晴れて執り行われる「温泉まつり名人認定カード交付式」に出席してまいりましたので、湯あたり寸前のテンションで、ご報告申し上げます。
♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨
現在(4/4)、午前7時と午後7時の間。
今日、私は人生で最も長い1日を迎えることになる……
Right now, anyone who creates a peril to my friend or the citizens of this onsen community will answer to me.
(私の友人やこの温泉の人々に危機をもたらす者は、誰であろうと私が相手になる)
Today is the longest day of my life.
(今日は、私の人生で最も長い1日だ)
ピッ、ピッ、ピッ、ピッー

いつもなら大分航路を使うこの私、しかし今回は、ちょいと訳ありで別府航路、しかもバイクは借りない。
今日はハンドルではなく、バスに我が身を預ける湯めぐりである。
下船後、すぐに来る連絡バスには乗ってはなりません。
なぜなら、先発の大分交通バスには「1日乗車券」が使えないからである。というわけで、1本見送り、次の亀の井バスへ。
目指すは、朝イチの名湯「竹瓦温泉」へ
♨ ホイホイ補遺
別府便は大分便よりちょいとお高い。
だがそのぶん、船内設備はなかなか立派。
つまり、金を払ったぶんだけ、ちょっとだけ偉くなった気がする。

(別府温泉)
竹瓦温泉を知らずして、別府を語るなかれ。 そう言ってしまっても、たぶん誰も怒らないだろう。それくらいの風格(唐破風造り)が、この建物にはある。
私も何度となく竹瓦の湯には親しんできたが、 うかつにも、名物の砂湯だけは、今まで未体験であった。
縁がなかったのか、財布が渋かったのか、タイミングが悪かったのか。
ともかく本日、ついに初体験と相成り、さっそく9時25分の部を予約し、休憩所で待機。
そしていざ砂湯へ

じんわり伝わる熱
逃げられないのに気持ちが良い。
これはもう、地熱による合法的な埋葬プレイやで~
「ああ……人間、最後は砂に還るんや……」
などと悟ったようなことを思いましたが、15分後には無事に生還いたしました。

泉人のすすめにより、名人タオルに代数と名前を刺繍することにした。
こうなると、もはやタオルではない。半分は位牌、半分は勲章である。

地元の刺繍店へ持ち込む
「16時までに仕上がりますよ」
おお、ありがたい。
温泉名人の名は一日にして成らず、だが刺繍は数時間で成る。

別府駅高架下、べっぷ駅市場にある野田商店。
知る人ぞ知る、いや、別府市民なら知らぬはモグリといってもいい、市民の胃袋を支える惣菜界の重鎮である。

巻き寿司は午前中に売り切れることも珍しくない人気ぶり。
卵焼き、かんぴょう、しそ、でんぶ、派手さのない具材が、見事な間で口の中に収まってくる。
私は列に並び、巻き寿司、ジャンボいなり、鶏天を購入。
この時点で、湯より先に腹がととのい始めている。
♨ ホイホイ補遺
近くの豚まん屋に、幻の果実「ポポー」ソフトクリームあり。名前だけ聞くと南国の神様みたいだが、ちゃんとした果実である

(鉄輪温泉)
別府駅から鉄輪へ向かうなら、観光快速バスがよろしい。
何がいいって、車内でゆっくり買った惣菜が食える。 つまりバスでありながら、気分はもう食堂車である。
ジャンボいなりを頬張り、鶏天で追いかける、食べ終えた頃にちょうど鉄輪に到着した。
旅というのは、こういう食と移動の噛み合いが気持ちいい。
いそいそと向かう先は、ひょうたん温泉。

歴代名人の写真がずらり
おお、おおお!
そこにまします我が姿
いやあ、もう、びっくり。自分の顔を自分で見て感動するとは…
人間、歳を取ると図々しくなるものでございます。
感無量、というわけで、わたくし、ここで大休止することに。
温泉殿堂の空気を吸い、名人の余韻を鼻から吸い込み、口から吐いた。

名人になると、温泉まつりにて「名人認定カード」が交付される。
この交付式がまた、なかなかに晴れがましい。
別府市長から名人総代へ直接カードが授与され、そのほか多数の名人には、ミス別府から手渡しされるのである。
なんともまあ、湯の町らしい華やぎ、湯けむりの都には、ちゃんと湯けむりの格式がある。

会場には春の空気と祭りの気配、そしてどこか照れくさい名人たちの顔。みな澄まして立ってはいるが、胸の内は、きっと似たようなものであろう。
うれしいのである。
けれど、少しこそばゆい。
そのこそばゆさまで含めて、実に別府らしい。
差し出された「名人認定カード」を受け取る。
軽い一枚である。
だが、その軽さの中には、これまで巡った湯も、人も、時間も、湯けむりのようにふわりと宿っている気がした…
ああ、本当に名人になっちまった、そう思ったら、なんだか妙に可笑しく、妙に有難たかった。

湯は別府

(別府温泉)
駅チカ、広い、落ち着く、三拍子そろった実力派。
「どこ行こうかな」と迷った時に寄れば、だいたい機嫌よく帰れる。
そういう、生活に馴染んだ名湯である。
♨ ホイホイ補遺
敷地内に珍しい自販機が設置されている

「昆虫食」と見つけたり
長生きの道は、コオロギから始まるのかもしれません。いえ、始めなくてもいい気もします。

(別府温泉)
通りすがり、ほんの通りすがりだった。
そこに温泉があった。だから入る。それが人情、それが別府、それが病気でございます。
「ちょっとだけ」が一番危ない。 温泉好きにとって「つい立ち寄る」は、 酒飲みにとっての「一杯だけ」と同じ意味を持つだろう。
♨「一杯だけ」飲泉できます

国道10号線沿いのショッピングセンター。
ここで、酒と翌朝のパンと、そして妹サクラへのささやかな土産を買う。
旅先で土産を選ぶ男の顔は、名人でも風来坊でもなく、ただただ兄弟愛のあふれる「お兄ちゃん」でございます。

めでたく「名人認定カード」を受け取り、桜満開の別府に別れを告げる時が来た。
さてさて、湯けむりに背中を押され、また風の向くまま、気の向くまま。
湯に癒やされ、人に癒やされ、気がつきゃ心までぽかぽかでござんした。
名人なんてぇ看板ぶら下げちゃおりますが、しょせんは旅の途中の風来坊。
肩書きよりも湯加減ひとつ、世間の評判よりも一番風呂。
今日もどこかで、ええ湯とええ人情に出会えりゃ、それで上等でござんす。
またどこかの湯の町で、ふらりとお目にかかれやしたら、その時ゃひとつ、
「ああ、あのオッチャンか」と、笑ってやっておくんなさい。
それじゃ皆様、ご機嫌よう。
次の湯けむりに呼ばれる、その日まで。
The longest day is over…
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……

『ラブ湯~別府』♫
(feat.ラブユー東京)
別府温泉に
憑かれてしまったの
湯けむりが漂う
わたしのタオル
泉質だけが生き甲斐なの 八湯をめぐる
ラブ湯~
ラブ湯~
湯の町別府
別府温泉で
のぼせてしまったの
湯の華が漂う
わたしのタオル
ジモ泉だけが
生き甲斐なの
脱衣場一体
ラブ湯~
ラブ湯~
湯の町別府
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寸志
有り難く頂戴いたします
ほんま、おおきに