江戸の金融当局、「相場を増やせ」で市場を作り直した話③― 「平均」だけでは足りなかった。価格はまだ動きすぎる ― 嘉永七年(1854年) #63
相場は、まとまった。
👉 複数の相場を集め、平均する。
これによって、
バラバラだった価格は一本化され
市場としての基準ができた
前回の記事はこちら
しかし——
それでも問題は残る。
👉 相場は動きすぎる。
■ 原文はこう書いている
ここで導入されるのが、このルールだ。
「平均相場を前日之相場と見競」
👉 前日の相場を基準にする。

さらに、
「前日ゟ引上候得者、弐文高直」
「前日ゟ引下候得者、弐文下直」
👉 急な上下を防ぐ。
👉 変動幅に上限がある。

■ 何が起きているのか
これはかなり重要で、
👉 価格の“動き方”を制御している。
それまでの流れはこうだった。
相場を増やす(分散)
平均を取る(統合)
そしてここで、
👉 変動を抑える(制御)
が加わる。
つまり、
👉 市場の設計が完成に近づく。
■ なぜここまで必要だったのか
理由はシンプルだ。
👉 平均だけでは、相場は安定しない。
市場が荒れれば
平均もそのまま大きく動く
つまり、
👉 “まとめただけ”では不十分
だから、
👉 動きを制限する必要がある。
■ これは何に近いのか
現代で言えば、
値幅制限
サーキットブレーカー
👉 ボラティリティ(変動)の制御
かなり洗練された発想で、
👉 価格を直接決めるのではなく
👉 “動き方”を決めている
■ ここで見えてくるもの
この時点で、
江戸の市場には3つが揃う。
場所を増やす 「五ケ所相増」
平均を取る 「平均致候」
前日比で制御する「前日相場を以増減程相定」
👉 分散・統合・制御
市場設計としては、
かなり完成度が高い。
■ それでも終わりではない
だが——
ここで終わりではない。
👉 制度は、守られなければ意味がない。
どれだけ仕組みを作っても、
守られなければ崩れる
現場が従わなければ機能しない
■ 次に問われるもの
ここから先の問題はこれだ。
👉 この制度は、本当に機能したのか?
両替屋は従ったのか
相場は安定したのか
市場は回り続けたのか
■ 次回予告(最終回)
制度は完成した。
だが、
👉 制度だけでは市場は動かない。
江戸の金融当局は、
どうやってこれを“回した”のか。
最終回、
👉 **「制度を守らせる仕組み」**に踏み込みます。
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参考資料
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「ふみのは」
例文が豊富です。典型的な言い回しに慣れるには良いと思います
最初の頃は不要ですが、解読に慣れてきたら辞書が必要です。まだ辞書の力をいかせていない気がします・・
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