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江戸の金融当局、「相場を増やせ」で市場を作り直した話②― 相場が増えたら、今度は“価格がバラバラ”になった ― 嘉永七年(1854年)  #62

相場は、増えた。

👉 銭を集めるために。
👉 取引を成立させるために。

前回の記事はこちらです



この判断自体は正しかった。

実際、

  • 市中に銭は出回り始め

  • 取引も回り始める


しかし——

今度は別の問題が発生する。

👉 相場がバラバラになる。


■ 原文はこう書いている

まず、仕組みはこうなっていた。

「六ケ所之相場を平均致候」


👉 六つの相場を持ち寄る。


『市中取締續類集』[166] 両替之部,[1---] [写]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2588693/1/19  (参照 2026-04-24)

さらに、

「銭売買口々ニ相場高下有之を平均致し」


👉 それぞれの場所で価格はバラバラだった。

『市中取締續類集』[166] 両替之部,[1---] [写]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2588693/1/19 (参照 2026-04-24)

だから、

👉 平均を取る。


■ 何が起きているのか

相場を増やすと、

当然こうなる。


  • 場所ごとに人が違う

  • 集まる銭の量も違う

  • 需給もズレる


その結果、

👉 価格が一致しない。


これは現代でも同じで、

👉 取引所が複数あれば価格はズレる


つまり、

👉 市場は分散すると“分裂”する。


■ なぜそれが問題なのか

問題はシンプルだ。


👉 どの価格を信じればいいのか分からない。


例えば、

  • ある場所では高い

  • 別の場所では安い


この状態だと、

  • 取引の基準が定まらない

  • 不信感が生まれる

  • 市場として機能しない


👉 “一つの市場”として成立しない。


■ 江戸の答えはシンプルだった

「平均致候」


👉 平均を取る。

『市中取締續類集』[166] 両替之部,[1---] [写]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2588693/1/19 (参照 2026-04-24)

バラバラな価格をそのままにせず、

👉 一度まとめて、一つにする。


これはかなり重要で、


  • 誰かが価格を決めるのではない

  • 市場の結果を集めて決める


👉 “集約による価格決定”


という発想である。


■ さらに一歩進んでいる

史料はこう続く。

「其夜即刻、両替屋會所え六ケ所持寄」


👉 その日のうちに価格を持ち寄る

『市中取締續類集』[166] 両替之部,[1---] [写]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2588693/1/19 (参照 2026-04-24)

つまり、

👉 日次で価格を統合している。


これは現代で言えば

  • 指数

  • ベンチマーク

  • コンポジット価格


👉 市場の“共通のものさし”を作っている


■ それでも問題は残る

ここまでで、

  • 流動性は改善した

  • 価格も一本化された


だが——

👉 まだ不十分だった。


なぜか。


👉 価格は動きすぎる。


平均はあくまで“まとめただけ”であり、

👉 変動そのものは抑えられない。


■ 次に何が起きるか

ここで江戸の市場は、

さらに一歩踏み込む。


👉 価格の“決まり方”ではなく
👉 “動き方”を制御する


■ 次回予告

相場はまとまった。

だが、

👉 相場はまだ暴れる。

次回記事はこちらです


参考資料

画像から読み解きをサポートしてくれるツール 
「ふみのは」


例文が豊富です。典型的な言い回しに慣れるには良いと思います


最初の頃は不要ですが、解読に慣れてきたら辞書が必要です。まだ辞書の力をいかせていない気がします・・

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