江戸の金融当局、「相場を増やせ」で市場を作り直した話②― 相場が増えたら、今度は“価格がバラバラ”になった ― 嘉永七年(1854年) #62
相場は、増えた。
👉 銭を集めるために。
👉 取引を成立させるために。
前回の記事はこちらです
この判断自体は正しかった。
実際、
市中に銭は出回り始め
取引も回り始める
しかし——
今度は別の問題が発生する。
👉 相場がバラバラになる。
■ 原文はこう書いている
まず、仕組みはこうなっていた。
「六ケ所之相場を平均致候」
👉 六つの相場を持ち寄る。

さらに、
「銭売買口々ニ相場高下有之を平均致し」
👉 それぞれの場所で価格はバラバラだった。

だから、
👉 平均を取る。
■ 何が起きているのか
相場を増やすと、
当然こうなる。
場所ごとに人が違う
集まる銭の量も違う
需給もズレる
その結果、
👉 価格が一致しない。
これは現代でも同じで、
👉 取引所が複数あれば価格はズレる
つまり、
👉 市場は分散すると“分裂”する。
■ なぜそれが問題なのか
問題はシンプルだ。
👉 どの価格を信じればいいのか分からない。
例えば、
ある場所では高い
別の場所では安い
この状態だと、
取引の基準が定まらない
不信感が生まれる
市場として機能しない
👉 “一つの市場”として成立しない。
■ 江戸の答えはシンプルだった
「平均致候」
👉 平均を取る。

バラバラな価格をそのままにせず、
👉 一度まとめて、一つにする。
これはかなり重要で、
誰かが価格を決めるのではない
市場の結果を集めて決める
👉 “集約による価格決定”
という発想である。
■ さらに一歩進んでいる
史料はこう続く。
「其夜即刻、両替屋會所え六ケ所持寄」
👉 その日のうちに価格を持ち寄る

つまり、
👉 日次で価格を統合している。
これは現代で言えば
指数
ベンチマーク
コンポジット価格
👉 市場の“共通のものさし”を作っている
■ それでも問題は残る
ここまでで、
流動性は改善した
価格も一本化された
だが——
👉 まだ不十分だった。
なぜか。
👉 価格は動きすぎる。
平均はあくまで“まとめただけ”であり、
👉 変動そのものは抑えられない。
■ 次に何が起きるか
ここで江戸の市場は、
さらに一歩踏み込む。
👉 価格の“決まり方”ではなく
👉 “動き方”を制御する
■ 次回予告
相場はまとまった。
だが、
👉 相場はまだ暴れる。
次回記事はこちらです
参考資料
画像から読み解きをサポートしてくれるツール
「ふみのは」
例文が豊富です。典型的な言い回しに慣れるには良いと思います
最初の頃は不要ですが、解読に慣れてきたら辞書が必要です。まだ辞書の力をいかせていない気がします・・
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