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江戸の金融規制、なぜ止められなかったのか⑤― 市場を止められなかった理由 ― 天保十三年(1842) #70

江戸の金融当局は、高利貸しを何度も規制していた。
それでも、問題は止まらなかった。

最後に、その理由を見る。


結論。

👉 需要があるから止まらない


高利金貸借之儀、前々より度々相触置候処、近頃は右貸借之儀、専之増長致し、

現代語訳
「高利貸しの件については、これまでたびたび触れを出してきたが、近頃ではその行為がいよいよ増長している」


『諸色調類集 32巻』第6巻,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2548842/1/26 (参照 2026-05-05)

むしろ増える。

そして、


証文等は通例之利金に認、実格別高利之上、三ヶ月限り、四ヶ月限り証文書替、

現代語訳 
「証文上は通常の利息として作成しておきながら、実際は格別に高利で貸し付け、しかも三ヶ月・四ヶ月ごとに証文を書き替えている」


『諸色調類集 32巻』第6巻,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2548842/1/26 (参照 2026-05-05)

手口も同じ。
表面は通常の金利
実際は高金利


なぜか。

  • 武家は体面

  • 町人は資金

  • 周縁層も需要

👉 誰かが借りる


供給側は工夫する。

👉 地下化する


幕府も理解している。


世上及難儀候ものも可有之候間、常体之金銀
貸借は勝手次第、相対差支無之様可致候

現代語訳 
「世の中には困る者も出てくるだろうから、通常の金銀
貸借については当事者の自由に任せ、相対で差し支えないようにせよ」

『諸色調類集 32巻』第6巻,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2548842/1/25 (参照 2026-05-05)


『諸色調類集 32巻』第6巻,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2548842/1/26 (参照 2026-05-05)

止めすぎると、回らない。


結論。

👉 規制と市場は両立しない


制度は整えられる。
だが、制御はできない。


これが、江戸の金融の結論である。


次の記事は準備中です😃


参考資料
画像から読み解きをサポートしてくれるツール 
「ふみのは」

例文が豊富です。典型的な言い回しに慣れるには良いと思います

最初の頃は不要ですが、解読に慣れてきたら辞書が必要です。まだ辞書の力をいかせていない気がします・・


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