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なぜ幕府は「燃えたお金」に対応したのか 〜 安政二年(1855年) #55

江戸で地震が起き、火事が広がりました。

人々は、焼けた金や銭を
両替屋に持ち込みます。

ここまでは前回の話です。

では、なぜ幕府はこれに対応する必要があったのか。

👉 放置すると、経済が止まるからです。

『市中取締續類集』[166] 両替之部,[1---] [写]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2588693/1/24 (参照 2026-04-12)

■ この記録に書かれていること

まず、この記録の一部を見てみます。

焼金銀

焼けたのは、金や銀です。

しかし、それだけではありません。

百文銭

銭の中でも、まとまった価値を持つものが含まれていました。

そして問題になるのが、ここです。

金座


■ 何が問題なのか

一見すると、ただの被害の記録です。

しかし本当の問題は別にあります。

👉 “使えないお金”が大量に発生したこと


■ 想像してみてください

もし、財布の中のお金が
すべて焼けてしまったらどうなるか。

  • 店で使えない

  • 受け取ってもらえない

  • 価値があるか分からない

👉 つまり

取引ができない


■ 経済はどうなるか

  • 商人 → 売れない

  • 庶民 → 買えない

  • 市場 → 止まる

👉 流通停止


■ さらに深刻な問題

ここでもう一つ問題が出てきます。

👉 信用の崩壊

  • この金は本物か?

  • この銀はどの程度の価値か?

  • 焼けた銭は使えるのか?

誰も判断できません。


■ 本来それを担う場所

本来であれば、それを扱うのは
金座です。

金の検定や再加工を担う、
いわば「通貨の信頼」を支える機関です。


■ しかし災害時には

ここで問題が起きます。

  • 焼けた金銀が一斉に持ち込まれる

  • 検定が追いつかない

  • 処理が滞る

👉 金座の動きが鈍くなる

一向無之

金座の動きが一向にない


一統差支難渋

両替商は皆、差支えが出て、困っている。


『市中取締續類集』[166] 両替之部,[1---] [写]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2588693/1/24 (参照 2026-04-12)

■ 何が起きるか

👉 お金が市場に戻らない

  • 判断待ちで使えない

  • 流通に乗らない

  • 取引が止まる



■ 一言でいうと

👉 金座が止まると、江戸の経済も止まる


■ だから幕府が動く

これは

  • 個人では解決できない

  • 商人でも無理

  • 両替屋でも限界がある

👉 制度でしか解決できない問題


■ 幕府の役割

幕府がやったのは、

👉 通貨の信用を回復すること


■ まとめ

前回は「燃えたお金」でした。

今回は、

👉 なぜそれが問題になるのか

を見てきました。

結論はシンプルです。

👉 お金は“物”ではなく“信用”で動いている



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