なぜ幕府は「燃えたお金」に対応したのか 〜 安政二年(1855年) #55
江戸で地震が起き、火事が広がりました。
人々は、焼けた金や銭を
両替屋に持ち込みます。
ここまでは前回の話です。
では、なぜ幕府はこれに対応する必要があったのか。
👉 放置すると、経済が止まるからです。

■ この記録に書かれていること
まず、この記録の一部を見てみます。
焼金銀
焼けたのは、金や銀です。
しかし、それだけではありません。
百文銭
銭の中でも、まとまった価値を持つものが含まれていました。
そして問題になるのが、ここです。
金座
■ 何が問題なのか
一見すると、ただの被害の記録です。
しかし本当の問題は別にあります。
👉 “使えないお金”が大量に発生したこと
■ 想像してみてください
もし、財布の中のお金が
すべて焼けてしまったらどうなるか。
店で使えない
受け取ってもらえない
価値があるか分からない
👉 つまり
取引ができない
■ 経済はどうなるか
商人 → 売れない
庶民 → 買えない
市場 → 止まる
👉 流通停止
■ さらに深刻な問題
ここでもう一つ問題が出てきます。
👉 信用の崩壊
この金は本物か?
この銀はどの程度の価値か?
焼けた銭は使えるのか?
誰も判断できません。
■ 本来それを担う場所
本来であれば、それを扱うのは
金座です。
金の検定や再加工を担う、
いわば「通貨の信頼」を支える機関です。
■ しかし災害時には
ここで問題が起きます。
焼けた金銀が一斉に持ち込まれる
検定が追いつかない
処理が滞る
👉 金座の動きが鈍くなる
一向無之
金座の動きが一向にない
一統差支難渋
両替商は皆、差支えが出て、困っている。

■ 何が起きるか
👉 お金が市場に戻らない
判断待ちで使えない
流通に乗らない
取引が止まる
■ 一言でいうと
👉 金座が止まると、江戸の経済も止まる
■ だから幕府が動く
これは
個人では解決できない
商人でも無理
両替屋でも限界がある
👉 制度でしか解決できない問題
■ 幕府の役割
幕府がやったのは、
👉 通貨の信用を回復すること
■ まとめ
前回は「燃えたお金」でした。
今回は、
👉 なぜそれが問題になるのか
を見てきました。
結論はシンプルです。
👉 お金は“物”ではなく“信用”で動いている
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