エッセイ|「もう知らない!」寝顔を見て少しだけ後悔した話
「もう知らない!」
思わず強い声を出してしまった。
息子は最近は何でも「自分でやる!」の時期。
靴を履くのも、ご飯を食べるのも、全部自分でやりたい。
でも朝は時間がない。
「お母さんがやるよ」
そう言うと、
「やだ!自分で!」
床に転がって泣いてしまう。
私は時計を見る。保育園の時間が迫っている。
焦りとイライラが、胸の中で膨らんでいく。
「もう!早くして!」
気づいたら、大きな声を出していた。
息子はびっくりした顔で、黙ってしまった。
その顔を見て、胸の奥がチクっとした。
でもそのまま、バタバタと一日が過ぎていく。
寝顔をみて反省する夜
夜。
寝かしつけが終わったあと。
ふと、息子の寝顔を見る。
すやすや眠る顔。小さな手。ふわふわの髪。
昼間のことを思い出して、胸がぎゅっとなる。
「怒りすぎたな」
「もっと優しく言えたのに」
そう思う夜は、一度や二度じゃない。
子どもが生まれる前は、
「穏やかなお母さんになりたい」
「可愛い子供に怒るなんて信じられない」
そう思っていた。
でも実際の私は、
怒るし、焦るし、余裕なんてない。
理想のお母さんとはほど遠い。
でも、最近ふと思った。
もしかしたら、
怒らないお母さんになることより、
怒ったあとに、ちゃんと後悔できることの方が、
大事なのかもしれない。
息子はきっと、明日の朝になれば
「お母さ〜ん!」って笑顔で抱きついてきてくれる。
子どもって、すごい。
ちゃんと毎日リセットしてくれる。
だから私も、完璧なお母さんを目指すんじゃなくて
「明日はもう少し優しくしよう」
それくらいでいいのかもしれない。
今日は怒ってしまったけど、
明日はきっと、
今日より少し優しいお母さんになれる。
たぶんそれで、
十分なんだと思う。
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