140字小説|返事をしない3歳
「ごはんだよ」
「おふろ入るよ」
私の声だけ、テレビの中へ吸い込まれていく。
三歳の娘はアニメを見るのに夢中で返事をしない。
ある夜、テレビをみてばかりで怒った夫が消音にした瞬間、娘がぽつりと言った。
「ママの声、遠いところから聞こえるね」
吸い込まれてた声が行き場を失ったようだ。

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