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螺旋を追いかけていたら、時計まで回り始めた話

螺旋階段を上から見たぐるぐる

そういえば、私昔からこういうデザインが好きだった

前回さざえ堂のことを調べていた時に、
ヨーロッパの建築家達の螺旋階段が色々とヒットしてきた
なんとなくその先に寄り道していると、螺旋階段にまつわる興味深い話がまたまた見つかる🤭

そもそも古代・中世の時代から
螺旋階段は狭い塔を上るための合理的な方法として存在していた

ヨーロッパを旅すると、
石造りの建築物が多いので、あちらこちらのお城や塔で螺旋階段が見られる

螺旋階段の発想は、「塔がある」→「上に行く必要がある」→「限られた空間を効率よく使うために螺旋階段が生まれる」

というのが基本だった

その螺旋階段がある時期から、主役級の階段へと生まれ変わる

今回は建物の主役を担う螺旋階段にフォーカスしたいと思います

まずこれを語るのに欠かせない人物が
イタリアの建築家
ドナト・ブラマンテ(Donato Bramante)
1444年頃〜1514年

ルネサンス建築を、ローマで一気に大きく展開した彼は、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂の新しい大聖堂計画を最初に主導した建築家としてとても重要な人物

1500年代初頭にそのブラマンテが作ったバチカンの螺旋階段は、
「単なる実用設備ではなく、建築的・視覚的な体験として扱った代表的な初期例」
として扱われるのです

ヴァチカンの螺旋階段
WIKIMEDIA COMMONSより

それまでは狭くて細い空間に作られていた螺旋階段を、ルネサンス期にブラマンテが
高度な幾何学と建築美を備えた空間として大きく発展させたのだそう

そこから続くのが、またしてもイタリアの建築家
ジャコモ・バロッツィ・ダ・ヴィニョーラ
(Giacomo Barozzi da Vignola)1507年–1573年

彼は若い頃、ローマで古代ローマ建築を徹底的に研究し、そして「美しい建物って、どういう数学的ルールでできているんだ?」という事を研究した人だそう

その彼がローマから北へ約50kmほどのカプラローラに建てた

ファルネーゼ宮殿 Villa Farnese di Caprarola

これがヴィニョーラの螺旋階段の代表格で、
王の階段(Scala Regia)と呼ばれているのだけれど、円柱が並ぶ円形の空間を、螺旋状の階段が上っていく

私には、ブラマンテが「螺旋という形そのもの」を見せた人だとすると、
ヴィニョーラはそこに「人間が螺旋の中を移動する体験」まで持ち込んだように見える

WIKIMEDIA COMMONSより
WIKIMEDIA COMMONSより

美しい♡

そしてもう一つ彼の作品で欠かせないものが

パラッツォ・バロッツィ・ディ・ヴィニョーラ
Palazzo Barozzi di Vignola

彼の故郷に作ったこの宮殿の螺旋階段は、
螺旋を巨大な空間として作ったファルネーゼ宮殿とはまた違って、
106段の階段が、ほぼ一本の柱と周囲の壁だけで支えられており、各段が壁に差し込まれるような構造で、階段全体が空中に浮いているように見えるという

見上げた天井の映像 WIKIMEDIA COMMONSより
上から見た螺旋階段 WIKIMEDIA COMMONSより

これもうっとり
「いつか行きたいところ」にマッピングしておこう

さて、ここまで来て
螺旋の向きが気になり始めた私

写真にあるヴァチカンは上から下(くだ)りで見て時計回り、ヴィニョーラの階段は2つとも上から反時計回り

調べていると面白い話が出て来ましたよ🤭

中世のお城では、敵を迎え撃つ騎士が戦いやすいように、右手に剣を持って戦いやすい
「上から反時計回り」 (←階段は一般的に下から上がる方向に表記されることが多いので、記述では「時計回り」と記載される方が多いのですが、剣で上から交戦するのを想像しやすい様にこう表記しました)に下る螺旋が多いと言う説があります

しかも螺旋階段を登って攻めるには狭いので、大人数で一気には攻められず、その階段の形状がお城を守る最大の防御の働きがあったとか

そしてイングランド、スコットランドにある
ファーニハースト城(Ferniehirst Castle)
このお城のメインの螺旋階段は「反時計回り(左回り)」に設計されています

サー・アンドリュー・カー(通称ダンド・カー)、彼は自身が優れた左利きの剣士だっただけでなく、一族の兵士たちにも「あえて左手で剣を扱う訓練」を徹底させ、城の螺旋階段をあえて逆(反時計回り)に作ることで戦術に圧倒的な優位性を生み出したという、有名な伝説があるのです

ただし、どうやらどちらも後から付け足された歴史ロマン話というのが有力だとか…
お城も全部が同じ方向では作られていないのが実際のところ

私が「螺旋の向きに意味があるのかな?」
と思ったように、色んな人が後付けで
こんな話をもっともらしく語り継いで、
観光の際のよもやま話として伝わったところも大きいのでしょうか🤭

ちなみに「時計回り」

そもそも、私たちはなぜ「右回り」を時計回りと呼ぶんだろう?

「時計回り」という言葉そのものは時計から来たけれど、時計の針がその方向になった背景を調べてみた

そこには「日時計」があるという

東から登った太陽が西に沈む
水平な地面に棒を立てた日時計では、その影が
西 → 北 → 東
へ動く

その後機械時計が発達したのはヨーロッパ、既存の日時計で馴染みのあった影の動きを、そのまま時計の針の方向にしたというのがよく説明される説なのですが…

ただしそこは北半球

もしこれが南半球で発明されたなら、反時計回りの時計だったかもしれないですね🤭

さて、螺旋階段について書き連ねて来ましたが、

ハリー・ポッターのファンなら外せない螺旋階段が、イギリスのセント・ポール大聖堂にあるディーンズ・ステアケース

バルセロナにあるガウディの傑作、サグラダ・ファミリアには、受難の塔に美しい石造りの螺旋階段があり

中国の林州市では、観光客に太行山脈のパノラマビューを提供するために、全長約90メートルの螺旋階段が建設された
(太行大峡谷「王相岩(Wangxiangyan)」景勝地)

どんどん出て来る世界中にある螺旋階段、
いつかこれをテーマに旅を組んで旅行してみようかなと、今回は螺旋階段をいつものごとく楽しく深ぼってきました🤭

そういえば、今回この寄り道を始めたきっかけは、会津さざえ堂だった

ヨーロッパでは「美しい螺旋」へ
日本では「人が出会わない螺旋」へ

同じぐるぐるでも、
使い方はずいぶん違いましたね

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♡

「そういえば、私もこういうの好きかも」
そんな小さな発見を、一緒に楽しんでもらえたらとってもうれしいです


では、また次の寄り道で

今回の記事の元ネタ↓

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