【取材レポート】SBIリーシングサービス:オペレーティングリース市場拡大を追い風に持続成長を目指す
SBIリーシングサービス<5834>は、航空機や船舶等を対象とした日本型オペレーティングリース事業を展開する専門会社である。主力は法人向け金融商品であるJOL(Japanese Operating Lease)およびJOLCO(同Call Option付き)で、航空会社や海運会社と交渉し組成したリース案件を、地域金融機関や税理士などを通じて投資家へ販売するビジネスモデルを採る。同社の組成力と販売力は業界内で高い評価を受けており、2025年3月期までに累計1兆2,237百万円の組成実績を積み上げている。また、航空旅客需要や世界的な海上輸送需要の回復を背景に、業績は中期的に拡大基調を維持している点も特徴といえる。
同社の強みは、第一に案件組成力の高さである。世界有数の航空会社や海運会社と直接交渉し、クレジット力の高い優良案件を組成できる体制を持つことは、投資家にとって安心感を与える。第二に、商品ラインナップの多様性が挙げられる。航空機・船舶に加え、円建て・ドル建て、長短期リースを組み合わせた柔軟な商品提供により、幅広い投資家ニーズに対応している。第三に、SBIグループとの連携基盤が強固である点も見逃せない。SBI新生銀行やSBIマネープラザなどを活用し、全国的な販売網を確保しており、販売チャネルの厚みは業績拡大の大きな下支えとなっている。

2026年3月期第1四半期決算は、売上高10,419百万円(前年同期比321.7%増)、営業利益2,571百万円(同110.3%増)と大幅な増収増益を達成した。背景には、JOLCO商品の販売が引き続き好調に推移したことに加え、JOL商品も1機の販売を実現したことがある。特にJOLCOが商品組成の加速・大口顧客へ特化した戦略により前年同期に続き過去最高売上を更新したことが寄与し、商品出資金等販売金額は34,242百万円(前年同期比46.4%増)と四半期ベースで過去最高を更新した。通期予想は売上高62,600百万円(前期比49.3%増)、営業利益8,200百万円(同21.9%増)で据え置かれているが、1Q進捗率は売上高16.6%、営業利益31.4%と順調であり、商品在庫も積み上がっていることから、上振れ余地が残ると考えられる。航空・海運需要が堅調に推移する市場環境も、同社にとって追い風となっている。

今後の成長見通しについては、中期的に平均10%以上の経常利益成長を掲げ、顧客本位の商品組成と安定した残高確保を重点施策としている。具体的には、JOLCO・JOLに加えゼネラルアビエーションなど商品ラインナップを拡充し、また業績に応じて人員と拠点数を増加させていくことで幅広い顧客層のニーズに応える戦略を強化する方針だ。また、環境規制強化を背景とした航空機・船舶のリプレイス需要増加や、法人税繰延需要の高まりも成長ドライバーとして期待できる。さらに、グループ企業との連携深化により販売網を拡大し、これまで進めてきた大口投資家の獲得をさらに加速させていく。上場から8年目を迎え、商品組成力・商品管理・資金調達というリーシング事業の根幹ともいえる3つの柱のバランスが十分に整った状態となり、今期から成長をさらに加速させていく意気込みだ。

株主還元については、今期から連結配当性向30%以上を目処とする方針を示し、年2回の配当を実施している。2026年3月期は中間配当50円を予定しており、期末配当は未定ながら、安定・継続的な利益成長と財務安全性を勘案したうえで決定される。今後も成長投資と株主還元の両立を志向する姿勢が確認できる。
総じて、同社は強固な案件組成力とグループ基盤を活かし、オペレーティングリース市場で持続的な成長を続ける体制を整えている。航空・海運業界の需要拡大や投資家ニーズの増加を追い風に、今後の業績拡大と株主価値向上に注目していきたい。

