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#86 縦ノリの衝動—「ホワイトノイズ」が映すヒゲダンの新境地



導入:声と音の間に生まれる衝動 🎸

Official髭男dism(以下、ヒゲダン)といえば、ポップで耳なじみの良いメロディに、ブラックミュージック由来のコード感やリズムの「ひねり」をさりげなく仕込むことで知られています。
彼らの音楽は、どこか洗練されていて、聴けば聴くほど新しい発見がある。しかし今回焦点を当てる「ホワイトノイズ」では、そうした知的な構築美だけでなく、もっと原始的で、体を突き動かす「縦ノリ」の衝動が前面に現れています。

これは、単に激しい曲というだけではありません。楽曲全体から放たれる一本芯の通ったエネルギーと、ヒゲダンならではのメロディセンスが融合した結果、ポップロックの可能性を再確認させてくれるのです。


背景:「ホワイトノイズ」が生まれる文脈

ヒゲダンのキャリアを振り返ると、メジャーデビュー以降、「Pretender」や「I LOVE...」など、歌詞とメロディが心情の奥深くに染み込むバラード〜ミドルテンポ曲が大きな注目を集めてきました。
一方で、彼らのライブでは、観客が一体となってジャンプし、リズムに身を任せる縦ノリ曲も少なくありません。この二面性こそ、ヒゲダンの魅力の核心です。

「ホワイトノイズ」が発表された時期、彼らは既に日本の音楽シーンにおいてトップクラスの存在感を確立していました。そうした安定感の中で、この曲はまるで原点回帰のようなストレートさを持っています。
ギター、ベース、ドラム、鍵盤——どのパートも複雑な技巧に頼らず、直接的で切れ味のあるフレーズを選んでいる。これは、技巧派バンドがあえて“削ぎ落とす”ことでしか得られない迫力です。


ジャンル間のつながり:ポップロック、その奥にある潮流

「ホワイトノイズ」を耳にすると、まずはロック的なドラムとギターのリフに惹かれます。8ビートを基調としたリズムは、1970〜80年代の王道ポップロックやパワーポップを思わせます。
しかし細部を聞き込むと、ヒゲダン独自の調味料が効いていることに気づきます。ピアノのバッキングが裏拍を軽く押し出し、コード進行にもブラックミュージック起源のテンションノートが散りばめられている。これはまさに、ポップロックとソウル/R&Bの融合です。

さらに、ボーカル藤原聡の歌い回しには、日本語ロックの熱量と洋楽のフレージングをミックスした独特の呼吸があります。低音域ではしっかりと芯を出し、高音では力強く突き抜ける——このダイナミクスが曲全体を感情的に揺さぶります。

こうした要素は、例えばMaroon 5やOneRepublicのような米国ポップロックバンドにも見られますが、ヒゲダンはそこに日本語特有の韻律と情緒を乗せることで、より幅広いリスナーが自然に「心も体も動く」音楽へと仕上げています。


まとめ:音楽を“縦”でも“横”でも聴く喜び 🎧

「ホワイトノイズ」は、ヒゲダンが持つポップ職人としての側面と、ライブで暴れたくなるようなロックバンドとしての血を、一本に束ねた楽曲です。
この曲をきっかけに、あなたがもしポップ寄りのヒゲダンばかり聴いていたなら、ぜひ彼らのライブ定番曲やB面的存在のアップテンポ曲にも耳を傾けてみてください。逆に、ロック好きでヒゲダンに触れたことがないなら、「ホワイトノイズ」のストレートさは絶好の入口になるでしょう。

音楽の楽しみ方は、ただ“ジャンル”で区切るだけではもったいない。ポップからロックへ、ロックからソウルへ——その線と線が交わる場所に、思わぬ感動や発見があります。

さぁ、今は音量を少し上げて「ホワイトノイズ」を再生してみてください。きっと最初のドラムの一打から、あなたの心拍数がリズムを刻み始めるはずです🔥。



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