1%の投資家だけ知っている「アメリカは円を助けない」という残酷な現実
ドル円が歴史的な円安に突入し、日本は1998年以来となる大規模な円買い介入に踏み切った。しかし、多くの人がいまだに抱いている「アメリカが日本を助けてくれる」という期待は、ほぼ幻想に近い。これを理解しているのは、わずか1%の投資家だけだ。アメリカが円安是正に本気で動く理由はほとんど存在しない。「助けない」というよりは「助けることができない」の方がしっくり来ると思う。アメリカは自国の事でいっぱいいっぱいなのだ。
まず、円安はアメリカにとって不都合ではない。ドル高は世界中の資金を米国に吸い寄せ、米企業の購買力を高める。日本企業の資産をドル建てで安く買えるというメリットもある。つまり、円安はアメリカにとって“構造的に都合が良い状態”であり、わざわざ止める必要がない。過去の協調介入も、日本救済ではなく「米国市場への悪影響を防ぐため」に行われたにすぎない。
さらに重要なのは、アメリカが今、自国の問題で精一杯だという現実だ。財政赤字、移民問題、治安悪化、社会の分断など、国内課題は山積している。この状況で「アメリカは他国を助けるべきだ」という主張が出てきたら要注意だ。イスラエルは例外的に支援するが、それ以外の国は優先順位が極めて低い。日本の円安は“日本自身の問題”として扱われる可能性が高い。
だからこそ、今回の円買い介入も短期的な効果にとどまる可能性が高い。1998年の協調介入は2ヶ月で効力を失い、円安が再燃した。今回も同じ展開になるリスクは十分ある。個人投資家は「アメリカが助けてくれる」という前提を捨て、自ら為替リスクを管理する必要がある。これが、1%の投資家だけが理解している厳しい現実だ。
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