見出し画像

['25 コンサドーレ] vs.ブラウブリッツ秋田 〜安定感と個の力〜

うぇーい、うぇーい!勝ったぞ勝ったぞ!
やっと勝ち点3だあ!やったー!3点も入ったぞい!

オォ札幌 お前だけが俺たちを熱くさせる〜
オォ札幌 あるがままに俺たちと世界描けぇ〜


始まりからうるさくてすみません。
勝ちました。現地だったもんで、熱冷めやらぬ。


2025明治安田J2リーグは第5節。

ここまで開幕4連敗中の札幌は、アウェイ秋田に乗り込む。段々と内容がよくなっていっている中で前節は数多くのチャンスを作った。しかし、決定力不足に悩まされる。そろそろ勝たないといけない状況下、アウェイで今季初勝利を狙う。

開幕5戦目にしてようやくホーム開幕戦となる秋田。
開幕2連勝スタートもそこから2連敗と嫌な流れ。前節は山形相手に4失点と厳しい試合。ホーム開幕戦で再び勢いを取り戻せるか。

↓今節のハイライトはこちらから。

↓前節の記事はこちらから。

↓2025シーズンの各節の振り返りはこちらから見れます。


概要・スタメン

まずは試合概要から。

試合データ

結果は3-1で札幌の勝利。開幕5戦目にして今シーズン初勝利。
シュート数や期待値では秋田の方が上回ったが、前半の45分+後半5分程度の中で、札幌がチャンスを決め切った。逆に秋田は後半の押し込みがあったが決め切れなかったという展開。

その内容をみていきましょう。


スタメン

札幌は前節から2枚チェンジ。
左WBには岡田大和が今シーズン初出場・初スタメン。前節良かった宏武はベンチスタート。このチェンジにも意味があった試合でした。
もう一枚は、出間監督に変えて青木。怪我から復帰の青木がスタメンに戻ってきた。

一方の秋田は1枚チェンジ。
前節右SHだった長谷川が一個下がり右SBに、SHに諸岡が入る。左SBには村松が入り、前節左SBを務めた才藤は外れた。


個の力

札幌のビルド

まずは札幌のビルド時から見ていく。
今節はビルドといっても、前半は風上に立ったということもありロングボールを多用して敵陣へ押し込んでいく形が多くあった。

陣形的には、家泉・トーヤが2CBのように開き、高尾・岡田がSB的な立ち位置になる。攻守において4バックを継続した印象があります。前節や前々節も4バック的な形でボールを繋いで前進するというのが見られましたが、今節はよりその形が顕著だったように感じる。
WBもワイドに開き、残った前線2枚(アマドゥ・チェック)が2トップのような形でボールを引き出す。キャンプ中から2トップの形はやっていたはずで、組み合わせはデカFW+ミニFWの形。今節もその通りの組み合わせ。

繋ぐことはあまりせず、シンプルに前線の選手に当てていく札幌。最前線にはアマドゥがいるので、ここに当ててポストプレーからチャンスへという流れ。ここまでの2試合、そして今節の中でアマドゥの収まり具合やポジショニングの良さは相当なものだと皆さんもわかったと思います。その武器を利用して札幌は押し込み、常に秋田陣内でプレーを続ける。


守る秋田は、2トップでのpressingをかけながら奪ってカウンター狙いかロングを跳ね返してカウンターへという流れ。しかし、pressingをかけに行こうとするもそれを見て札幌はロングボールを放り込んでくる。ここでpressingは無効化される。

球際や競り合いは勝つ!というコンセプトのある秋田だったが、そういった感じはあまり今節では見られなかった。特に、札幌のチャンスの起点となるアマドゥに対して勝てるような選手はだれ一人もいなかった。足元での球際もほとんどアマドゥが収める。
前々節の藤枝戦でも、藤枝の高身長FW ディアマンカ・センゴール(すごい名前)に競り勝てる選手はおらず。(しかしディアマンカは競り合いやハイボール処理が下手)

なので、札幌からするとアマドゥに入れておけばOKみたいな流れになる。そして、そこから札幌のアタックフェーズになっていく。


札幌の攻撃への入り口はアマドゥだけでなく、チェックも相当良いポジショニングからボールを引き出す。前線の選手の受け方やフリーで貰う形は上手くいっている。ボールを保持するDF陣もボールを動かしながら、タイミングを見計らいタテに鋭いパスを刺したり、正確なロングボールを供給するなどして前後の関係とタイミングが合っている。

この前線2枚の関係性はとても良い。
アマドゥとチェックが同じスペースで被ることはなく、互いに立ち位置を見ながらどちらかがボールを引き出す。もう片方はフリーで浮きながら次の関りやチャンスに関与する準備。なので、アマドゥとチェックは左右関係なく自由に動けていた。居場所に縛られないポジティブなフレキシブルさを発揮し、DFに捕まることなくボールを引き出しチャンスにつなげていく。これなら、ボールを出す側(最終ラインの選手たち)も楽に前線にボールを入れることができる。


札幌のビルド.2

後方が4枚になってのビルドをしている札幌だが、3枚になりながら臨機応変に可変していく形も見られた。

上図のように、右サイドを押し上げて最終ラインは左から岡田・トーヤ・家泉。3バックで戦うにしても、この3枚であればそこそこやれそうな雰囲気はある。また、3+2の入り口であれば失っても3+2=5枚は自陣に残っている状態なので枚数的にも担保できている。(Chelseaのマレスカの狙い同様、どっかの試合の記事でも書いた気がする)

ちなみに、右を押し上げる理由としてはこれまでの戦いを見ればなんとなくわかると思うが、右は近藤の1v1を作り出したい(アイソレーション)。そのためには相手の左SB,SHに守備を連携させたくない。というところで、同サイドの高尾を一個前へ押し上げることで相手のSHを引き付ける。これで近藤のところでは1v1ができる。+近藤が持てば高尾も関わる準備ができている。またアマドゥやチェック、馬場といった面々もサイドでの崩しに関わってくる。

↓前節でも右サイドの近藤を押し上げる狙いについて書いています。


3枚でも4枚でもやり方(敵陣への入り方)はそこまで大きく変わらない。今節は従来の「繋ぎながらタイミングを見計らってロング」という形にプラスして、サイドチェンジで大外からチャンスメイクというのも多くあった。
最終ラインには左利きのトーヤ・右利きの家泉がそれぞれ左右のサイドにいる。なので、利き足で精度の高いボールを対角線で前線に供給できる。また、CHの高嶺が最終ラインに入り近藤のところで一発で展開…みたいな形もあった。

ロングもサイドチェンジもある程度自由な状態で供給できていた。そこには、繋ぐ意識を持って相手に気を引かせ次のホルダーに自由と時間を与える、または最初からロングを入れて押し込んで相手のラインが下がった時には手前のボール保持は余裕がある。というように自分らのサッカーを貫きながら余裕や自由を作り出せている

繋ぐにしてもロングを入れるにしても、前線が収めるにしてもすべては”個の力”があってこそ。特に今節は各選手の高い能力で試合を支配できた。それゆえの楽しい前半だったのでは。


待望の先制点

15分、今シーズン初の先制点が生まれる。

前線への押し込みから高い位置でセカンドを回収。右ペナ前で受けたチェックが逆の青木に振る。受けた青木を追い越すように左WBの岡田がオーバーラップ。この時に秋田はDF2枚が岡田に食いついた。その結果、青木はほぼフリーでシュート。シュートのうまい青木をフリーにしてしまっては決まっちゃうよー。

まずは押し込む中で相手よりも先にセカンドを回収できたことが良かった。最初の押し込みからラインを上げつつ前線に枚数をかけることができた。その結果、高い位置でのセカンド回収と青木をフリーにさせるための岡田のフリーランが生まれたのだ。
また、青木にパスをしたチェックも広い視野でスペースに入れることができた。これまでの札幌のサッカーでは、同サイドの大外に預けて崩そうとかバックパスでやり直そうとかしていた。しかし、チェックはそこで逆の空いているプレイヤーを使おうと、質の高いボールで確実に逆の青木にボールを預けた。これもまた個の技術。個でぶん殴るっていいねえ。


早めの追加点

23分、早くも2点目が生まれる。

右サイドでボールを収めたアマドゥが中央の高嶺にスーパーパス。そこからカウンターの始まり。ハーフスペースでチェックが受けてドリブル開始しDFを引き付ける(というか手袋持ったままドリブルしてる??笑)。外を追い越した青木がクロスを供給し、逆サイドから走り込んだ近藤が押し込んでゴール。素晴らしい速攻と美しい崩し。

左サイドで作っているときに逆サイドから走り込んだ近藤も素晴らしい。試合後のインタビューで言っていたように、練習の時から逆サイドのクロスには入っていくという狙いがあったようなのでそれがしっかり表現できましたね。また、ビルドのところで触れたように、右サイドは押し上げている状態で攻撃ができている。それもあって、高い位置でのポジショニングをしている近藤が逆サイドからのクロスに入っていくのは労力も少ない。ボール保持の段階から近藤がフィニッシャーになるという狙いが見えている


一方で、守っている秋田は序盤から札幌の押し込みやバランスの取れたポゼッションとロングの使い分けに翻弄されて各ラインはズタズタになった。特に、2点目のシーンではラインの間延びがかなりあり、時間もある程度あったが帰陣は皆無に近い。切り替えや球際、走るといったことが売りなはずの秋田がここまでできていないとは…。自分らの強み・やれることができていない、ではなく”やろうとしていない”という印象。
秋田ってそういうサッカーじゃないよね?もっと戦ってたじゃん?

札幌に怖気づいたのか?
ごめんね、札幌強くて。


安定感

札幌守備時

続いて逆の立場で、秋田保持時を見てみる。

秋田は保持といっても、これまでの戦いのようにロングボールをバコバコ蹴って敵陣へ入っていこうという狙い。なので、秋田の保持というよりも札幌の守備の話。

札幌は完全な4-4-2での守備時。
秋田が4-4-2なのでミラーで対応する形。個では札幌の方が分があるので各局面では勝利が見込める体制。
前節でも後ろを4枚にするというのはやっていた(左WBの宏武を下げる形)。試合後の岩政監督のインタビューでも「これまでの試合でも4バックはやっていましたけどなにか?」という旨の話が出ていました。その通りですね。

ただ、前節と違うのは守備の安定感。
宏武はDFタイプではなく攻撃的な選手。岡田はどちらかというとDFタイプ。それもあり、岡田が最終ラインに入ることでDFラインの安定感とスペースや対人のところでも安定していた。前節、宏武の背後をやられて失点してしまったということもあっての岡田の起用だったかもしれないですね。

この4-4-2の守備は、昨シーズンの終盤でも見られました。
特にリードを保っている時には4-4-2で固く守って勝つぞ!という狙いを持ってやっていたかと。ミシャ時代に見られたその4バックも継承しているんですかね。それか、そもそも岩政監督がDF出身なので守備の安定を求めての4バックか。どちらにしても、ベースとなる最終ラインの安定感が出てきて全体が集中して守れるようになったのは良いこと。


ロングを入れてくる秋田の狙いは2トップにあてること。小松と梶谷を中心にターゲットに集めてなんとか押し込みたい。相手がポカせばウラ一発もある。あるいは、サイドに散らしながら押し込む。

しかし、今節の札幌はそんな貧弱ではない。なんなら強固。

よく見られたのは、ロングボールに対する処理のところで、CBが競りに行き残りの3枚がしっかりカバーに入っていた

守備の基本にはチャレンジ&カバーというものがあるが、マンツーマンで守備をしているとカバーがなくなってしまう。なので、ミシャの時にはそれぞれがマークに集中して対応していた。その弊害でウラをボンボコ取られて危なああい!みたいなシーンは度々あった(岡村大八がいたのでなんとかなった)。

ただ、今の岩政サッカーでは守備時のチャレンジ&カバーがとてもはっきりしていて取り組めている。話を戻すと、相手のFWに向かって入ってくるハイボールにCB1枚が出て、その後ろのスペースを残りの3枚でカバーする…という一連の守備連携が毎回できていた。+競り合いのところでは家泉を中心に競り勝つことができていたので跳ね返しも十分だった。(家泉の競り合いの強さやサイド等での守備対応がとてもよかった。大八っぽい対応が出来てきている。=大八の穴を埋める存在)

相手が収めたとしても良い帰陣と枚数での囲い込みで圧縮し奪い返す。奪われた瞬間の切り替えや守備への意識の高さも光っていた。

地上戦での球際やセカンド、空中戦での競り合いとカバー…どの局面においても勝つことができていて札幌のペースを継続することができていた。守備のベースの部分にしっかり取り組み、守備全体の安定感を得て良い攻撃へ繋げることができたのでは。


かなり良い前半を経て札幌が2-0のリードで後半に入っていく。
欲を言えば、前半のうちにもう1,2点入れてほしかったなあ。


後半

HTでも選手交代は両チームともなし。

やっとセットピースから

後半最初のチャンスは札幌。
48分、左CKからゴール前の混戦を押し込んだのは家泉。
シーズン前からセットピースから得点を取りたいと意気込んでいた家泉がここで決めてくれたのは頼もしい。

これまでの試合でもCKを中心にセットピースの回数は相当あった、そういう中で得点が欲しかった。そして、ついにゴールが生まれたということで安心。これからも量産しよう。


一転

3-0と札幌がリードを広げた後半序盤。このままいけばサンゼロサッポロ!

しかし、その後は防戦一方。

51分、秋田は左サイドから侵入し右へ展開。この揺さぶりからクロスを供給し中で合わせたのは小松蓮。開幕から5試合連続の6ゴール目。バケモンやん。

札幌としては、右に展開される前の段階で間延びしてしまってペナ前のスペースで持たれてしまった。そこに通される前にカットできればよかったのですが。そして揺さぶられて目線が変わる中で、小松のマークも少し甘くなってしまった。得点を取った(奪われた)直後の5分は気がゆるんだりする時間帯。このゴールも札幌の3点目から3分後の得点。この5分を乗り越えたかった。


その後も押し込む秋田。風下の札幌は耐える時間が続く。

それでも中央の守備の固さは継続しなんとか外に追いやるシーンも多かった。上図のように、たとえウラを取られて前を向かれてもCBがコースを限定しシュートの角度をなくす。GKからしてもボールが飛んでくるコースが限られるのでセーブしやすい。


中央の守備を固めながらサイドから入ってくるボールを跳ね返す。
リードもあることで割とラインは下げ気味。ここで無闇にラインを高く設定してしまうと、風に乗って伸びるボールがラインのウラに入ってしまい、簡単にピンチにもなる。なので、低いラインで耐えるというのは必要というかそうせざるを得ない。リスク管理である。

という中でどうラインアップして全体を押し上げることができるか、再びペースを取り戻せるか。

大分戦後の高嶺のコメントや熊本戦の振り返り記事でもあったが、札幌としては繋ぎながら自分たちの時間を作りたいという狙いがある。ボール保持をすることでリズムを作り、そこから前進していけばラインも上がり押し込んでいける

熊本戦の振り返り記事より


逆に、繋いで落ち着ける場面なのにボカボカクリアで蹴ってばかりでは相手ボールの時間がより増えて、押し込まれ続け疲弊してしまう。

ーーー風下でクリアばかりすると悪夢が蘇る。ーーー
あれは、2013年のホーム厚別での熊本戦。前半でリードしていた札幌は、後半に風下になる。相手の猛攻を受ける中で必死のクリアやGKのキックは風に押し戻されて自陣ゴール付近へ…。ボールが押し戻される形から失点を重ねて、1-3で逆転負けしたのであった。と、なりかねないのが風の吹く試合。


代役の捜索

押される展開の中で、同時に攻撃も停滞し始める。
前節も後半終盤にかけて一気に攻撃がペースダウンした。サッカーでは60分問題というものがあり、60分あたりから選手は相当疲れ始める。札幌も同様に、その時間になると攻撃の鋭さが消えてしまう。サイドの選手の上下動が疲れによってなくなってしまったり、前線で収めまくっていたアマドゥが疲れてしまったり(しかもアマドゥはラマダン中で水も飲めない)。

そういった中で選手交代をするわけだ。
途中から入る選手がどれだけやれるのか、フレッシュさをもって攻守に奔走
できるか。

特に押されている展開で時間を作りたいなら、アマドゥのように前線で収めて時間を作れるプレイヤーは必須になる。しかし、いかんせん今の札幌にはアマドゥと同等のレベルでボールを収めることのできる選手はいないと言っても過言ではない。

そういった代役(あるいは他の強力な武器を持つ選手)の質が高まってくると苦しい展開の中でも、攻撃の厚みや鋭さを取り戻せるはず。そして、ダメ押しの得点をとり試合を決定づけることができるのでは…。


と、苦しい展開の中だったが最後まで体を張り続け試合終了。
3-1で札幌の勝利!

最後の5-4-1のブロック

最終盤では5-4-1のローブロックで守り切った。
なんとか逃げ切りに成功。


総括

まずはナイス勝利。本当に良かった。

攻撃面では前半からやりたいサッカーを体現することができたのでは。ロングを利用しながら前線の選手の能力を活かし、押し込み続け二次攻撃・三次攻撃と厚みのあるスタイルで圧倒した。守備など球際等でも秋田に勝ち続け隙を与えなかったのが大きい。岩政監督の目指す”圧倒するサッカー”を前半は完全に体現した。

しかし、後半は耐える時間も長く苦しい展開となりピンチも相当あった。その中でもDF陣を中心に体を張り続けて魂のこもった、熱い守りと安定した堅守を見せた。失点こそしたものの、最少失点に抑え守り切った。小次郎も身長を活かしたハイボールの処理など良いプレーも多かった(秋田のロングやクロス等を入れてくるやり方的に小次郎の起用には意味があった)。

これまでの試合ではpressingが大事だと主張していたが、今節の秋田のようにロングを初っ端から放ってくる相手に対しては、そのボールを跳ね返し回収することの方が大事になる。なので、球際でのファイトやセカンドの積極性が光ったんですね。

あとは、今季初出場となった岡田も安定感も素晴らしい。昨シーズンの天皇杯山形戦といい、何かターニングポイントとなりそうな試合で結果を残している印象がある。今シーズンもこの試合をきっかけにチーム全体が良い方向に向かっていってほしい。


次節はアウェイ愛媛戦。愛媛はここまで相当苦しんでいる。
そんな相手に勝ち点を譲るわけにはいかない。圧倒するサッカーで勝ってやりましょう。ここから連勝街道で一気に昇っていこう。

いいなと思ったら応援しよう!