見出し画像

アクチュアルプレーイングタイムにおけるスタッツ 〜真の”蹴ってくる”チームはどこだ?〜 実践編

前回の続きです。
↓前回はこのような記事を書きました。今回は実践編です。

また、”アクチュアルプレーイングタイム”と書くのは長いので、以下APTと表記して進めていきます。


データの出し方

では、早速データの方を出してみます。
題の通り、今回出すデータはロングボールに関するデータです。

とは言ってもどうやって出すのか。そのHowから。

大雑把な流れとしては…
APTを調べる

APTを秒に換算する

試合(1試合)での支配率を調べる

支配率を÷100して ex)64%→0.64 みたいな形にする

秒換算したAPTと÷100した支配率をかける
 =APT内でのボール保持時間を出す

1試合でのロングボール数を調べる

APT内でのボール保持時間[s]をロングボール数で割る

1試合で何秒に1本ロングボールを使用しているのかがわかる
(保持時間内でのロングボール使用頻度)

というのをJ2全20チーム分計算する。
現時点で第5節まで終わっているので、5試合分を20チームごとに出すというわけです。そして、チームごとの平均とリーグ平均も出せます。

J2である理由は、応援している北海道コンサドーレ札幌がJ2所属であるということで、札幌と同リーグのチームとの比較を行い戦術的な見方をしようという狙いがあるからです。なので、「このチームは割と蹴ってくる」みたいな指標が出るのではと思います。それが次回対戦時の試合展開のイメージと対策やどうするべきか考えることができますね。
チーム関係者ではないのでそれ意味あるのか?と思いますが、戦術分析記事を書いていることもあって何かしら戦術について知っておく必要があります。プラスして、データの扱いやオープンソースの活用は社会の中でも大事になります。


実際のデータ

長々となりましたが、まずは完成したデータを見た方が早いかなと思います。例として、札幌のデータをとりあえず出してみます。

札幌のデータ

シーズン通して38節まで出す形になっているので縦に長いかもしれませんがご了承ください。#1とかは第1節を表しています。#2になれば第2節ということ。

上の項目としては左から
チーム名
APT(アクチュアルプレーイングタイム)
APT[s](秒数)
Pos%(支配率)
APos%(APT内でのボール保持時間)
Long(何秒に1本ロングを使っているか)

という項目になっています。
APT[s]・APos%・Longの3項目はすべて秒で表されています。
また、この表のうち手打ちになるのはAPTとPos%の項目のみです。他の項目はエクセルを使っており、関数が入っているので計算が自動で行われます。が、ロングボールの数に関してはオープンソースを見ながら他のシートで打ち込んでおく必要があります。ていうのを20チーム分作る。

データソースですが、APT・Pos%はFootball LABより。ロングボール数はsofascoreより。ロングボールの数はJSTATSでは出ていない?ので唯一載っているsofascoreから引っ張ってきました。もし公式で載っているのがあったら教えていただきたいです。


比較

ではイメージができた?と思うのでここからはJ2の20チーム内で比較してみましょう。


APT

まずはAPTから。数値は5試合の平均になります(以下のデータも同様)。

最も長かったのは熊本。プレースタイル的にポゼッションのイメージが強いのでボールが動いている時間は確かに長そうですね。次いで、山形・長崎・仙台・甲府…という流れになっています。

我々札幌は、平均50分21秒でした。前項で示した札幌のみのデータを見ると、一番長かった試合時間は第2節の熊本戦でした。熊本は平均でも1位なのでそれに引っ張られたのでしょうか。というか、札幌ってJ2の中でも短い方なんですね。


Pos%

続いて、Pos%(支配率)。

磐田・札幌が60%を超えているようです。他に藤枝・山形・徳島といったポゼッションタイプのチームも支配率は大きくなります。磐田はもう少しで保持時間が平均2000秒に到達しそうな勢い。

APTでは最長となっていた熊本は50%を下回っており下位10チーム内に分類される。周辺のチームと比べても、APT-Pos(APT内の保持時間)が異様に長いですね。この辺のチームは行っても1500秒なのに対し、熊本は1600秒を超えている状況。リーグ平均の1585.25秒もゆうに超えてます。支配率が低くてもその中でボールを動かしている時間が長めということになります。


Long

さあ、目的のロングボールです。縦長でごめんなさい。

この表の数値は秒になっており、保持時間内で何秒に1本ロングボール蹴るのかが表れています。なので、最もロングボールを蹴っているということになるのは、”いわきFC”。だいたい平均で20秒に1本蹴ってくるということになります。

リーグ平均が31秒で、札幌は30秒に1本くらい。リーグ内では普通くらいの立ち位置で上位10チームに入っています。

そして、APTが長くボールをよく動かす熊本は20番目。J2では唯一の40秒台。それだけ地上でパスを繋いでいることがわかります。熊本らしさがここでも出ていますね。


ロングボールのみ

ちなみに、ロングボールのみの数値もあるので参考に。Successは成功本数で、SRはSuccess Rateで成功率です。

ここでもわかるように一番ロングボールを使っているのはいわきFC。そもそもの母数が多いので保持時間内でのロングボール使用率も高くなります。

次いで多かったのは札幌でした。確かに、今シーズンの試合を見ているとビルドのところから無理せずにロング1本で前線のFWに当てたりするシーンが多くある。地上のパスだけにこだわらずに、前線のポストプレーができるプレイヤーに預ける(=相手のpressingを回避・無効化する)。また、サイドチェンジも特徴的です。
そして、熊本は安定の20番目。ロングボールの数自体多くないことがわかります。

この表と先ほどの表を比べてみても、「ロングボール数が多いから蹴ってくる」という判断は慎重になったほうがいいかもしれません。ロングボール数が多いから蹴ってくるというのは間違ってはいませんが、保持時間内でのロングボールを入れてくる頻度が高い方が蹴ってくると断定できそうです。

そこには、各チームの支配率やAPT内での保持時間、そしてロングボール数と複数の要素が絡んでいるのでそれを元に考えた方が良い。
例えば、磐田はロングボール数が多めではありますが、支配率が高いためロングボールの使用頻度は低くなる。逆に、富山や大分はロングボール数が少なめではあるが、支配率が低いためロングボールの使用頻度は高くなる。という性があります。

また、リーグ全体のロングボールの成功率は51%ということでロングボールを拾える(次に繋げられる or ロストする)かどうかは五分五分であることもわかりますね。なので、前線のpressingで追い込んでロングを蹴らすというのは正しいし回収できる可能性はある程度ある。


以上になります。
結論、J2第5節まででのデータではいわきFCが最も蹴ってくるチームであることがわかりました。みなさんいわきと対戦するときはロングボール対策を講じるようにしてください。サポーターのみなさんもロングボールに競りに行けるよう準備しておいてください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集