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藤枝MYFC 戦術チェック

今週も戦術チェック書いておきます。


2025明治安田J2リーグは第10節を迎えようというところ。開幕してもうすでに10試合目となる。

札幌は前節、退場者を出すなどし見せ場なく1-3で水戸に敗れた。これで成績は9試合で3勝6敗。引き分けがないことから結果は二分しているという特徴がある。それゆえ、負け試合は簡単に負けてしまう印象。しかし、大体の試合で失点をしているかつ先制点を早い時間で奪われている。そろそろ、諸問題を解決しつつ昇格に相応しい成績にしていかないと厳しい。

一方、初対戦となる藤枝。
ここまで3勝3分3敗でタイな成績。長崎に勝利するなど力はある印象(そもそも長崎のボロが出ているという面もある)。ポゼッション志向でサッカーを展開しつつ、自分らのスタイルを確立している。それなりに個を持っている選手も多く結構良いチーム。

では、対戦前に藤枝の戦術チェックに入っていきます。
今回も直近3試合を参考にしています。


メンバー

第7節 vs.長崎(藤色: 藤枝)
第8節 vs.鳥栖(白: 藤枝)
第9節 vs.千葉(藤色: 藤枝)

ここまでの直近3試合の藤枝のスタメン。

ベースは3-4-2-1。
全体的に変化はなく、ここまで大きくメンバーを変えていることはない。開幕してから4試合程度はメンバーを少し変えてみたり、ポジションを変えてみたりといじっていはいたが、第5節あたりからメンバーは固定されてきている模様。

最終ラインは右から久富・森・中川が並ぶのは変わらない。

中盤2CHは杉田・世瀬のコンビで変わらないが、第8節には岡澤が起用されていることもあり、変えてくることも考えられる。しかし、基本は杉田・世瀬のコンビであると思っていいだろう。

ワイドも変わらず川上・シマブクが札幌戦も入ると予想する。
シャドー・FWのところは直近続けてセンゴール・千葉・浅倉となっている。センゴール・千葉は確定と見ていて、浅倉も特に何もなければそのままスタメンになると思われる。しかし、金子翔太やアンデルソンと力のある選手もいるので状況によっては変化はある。とはいえ、今の藤枝のサッカーを見ていても浅倉は不可欠と思うので流石に外すことはないだろう。

3-4-2-1でワイドやシャドーの躍動もありながら、パスサッカーを貫いてきたスタイルも持っている。タテへの推進力も武器になっている。


保持〜攻撃

コンセプトとしては自陣から繋ぐサッカー。その中でサイドアタックへ展開することもあれば、前線(背後)へシンプルに入れていくこともある。ボールを大事にしながらもダイナミックな攻撃も持っている。


[第7節 vs.長崎]

紫:藤枝

まずは長崎戦から。

ビルドの入り口は3+2ぽい。
3CBは低い位置で持ちながら2CHがアンカーとその一個前という風にタテ関係でサポートする。ワイドのところはシマブクが出口になっており、ここまでボールを運んで攻撃に展開することが多くあった。

最前線はセンゴールと千葉が張ったままで、相手のDFラインを押し下げるような立ち位置をとっている。一方で、左シャドーの浅倉はライン間や相手の2CHの脇に降りてボールを引き出そうとする。試合を通してフリーマンになり自由にボールに関わる。守備側からするとかなり捕まえにくプレイヤーである。

(そういった浅倉の性質もある中で長崎戦の3点目は生まれた。)
※1,2点目は順を追ってこの後に貼っておきます。


形的にアンカーが世瀬になると、もう片方のCHである杉田と降りてきたシャドーの浅倉がIH的な役割になる。その結果、上図のように中盤での数的優位を生み出し、DFラインからのパスコースと局面での優位性を見出す。

とはいえ、ビルドのところで守備側の長崎は4-2-4的な形でpressingを行なっており、藤枝からすると入り口が3v4と少し不利な状況。実際に、このままパスを繋ごうと試みるも枚数的に余裕がなくスペースもないため、窮屈なビルドになりうまく前進できないケースもあった。

枚数的に合わせられている・スペースが消されている状態では、ビルドが停滞気味になりながら相手の圧力を感じてミスが多くなる。そういう特徴もあると感じる。


その対策として、GKの北村をビルドの入り口に入れておいて、4枚での組み立てにするシーンが多くあった。これは相手がpressingでかけてくる枚数によって変わるが、GKの北村は常にボールに関われるよう準備はしていて特別なことでもなさそう。日常的に行なっている形だろう。

これで枚数的な不利さは解消できた。

前進の方法としてはパスを繋ぎながら進むのが理想形だが、枚数的な問題などもありうまく進めない。なので、先ほど言及したように、左WBのシマブクまで長めのボールを入れてプレス回避するシーンがちょこちょこ見られた。サイドに脱出口を準備している。

左サイドにボールを展開するのは、シマブクのすぐ近くに足元の技術のある浅倉がいることが関係していると思われる。浅倉は受けてからの判断も良くドリブルで仕掛けることもできるタイプの選手。浅倉の近くまでボールを飛ばして、その周辺でうまく前線に脱そうという試みか。

または、前線のセンゴール・千葉がウラを狙っているので、そこへ単純に入れていく形もあった。この場面では、長崎はラインを高く設定した状態でpressingを行なっているので、それをシンプルにウラ返そうという目論見である。

※ちなみに、センゴールも千葉もロングボールを収めるような感じではなく、ウラへの動きが多い印象。特にセンゴールはバチバチのポストプレイヤーかと思ったら、ウラへ抜け出したりポケットをとって仕掛けるなどスピードタイプのアタッカーであった。


この長崎戦の先制ゴールなんかはそれが出ていた。
センゴールのウラへの抜け出しと、相手のミスを掻っ攫ってからのフィニッシュが光ったシーン。アシストした浅倉も素早い判断でウラへのスペースへ落としていた。


ゴール前やペナ周辺では、ポケットを取りながら複数枚が絡んでいく形が多くあり、それを目標にしていると思われる。

ワイドが持った時のインサイドのシャドーの動きや、そのもう一個奥のFWの動きがある。2,3枚が絡んでボックス内を細かく繋いで侵入していく形も見えたり。

以下の長崎戦の2点目はまさにポケット攻略からの得点である。


他に、逆サイドWBの川上のサイドは1v1志向で、左サイドはオーバーロード・右サイドがアイソレーションで1v1みたいなイメージであった。左サイドで作っている中で、DFをそのサイドに集めつつ、逆展開した時にはDFの枚数手薄になっているので1v1を仕掛けられる。というカラクリがあるのでは?


[第8節 vs.鳥栖]

鳥栖戦。

この試合は入りからビルドの入り口を4枚にしていた。これは鳥栖のシステムが3-4-2-1ということもあり、確定でpressingにはワントップ+2シャドーがくるからである。そこで+1の状況を作るためのGK利用でもある。

加えて、浅倉がライン間に降りてフリーになるのも変わらない。


ただ、この試合で変わったのはアタックへの道筋。

ビルドから組み立ててサイドアタックから…とかではなく、上図のように後方からシンプルにDFラインの背後に入れていくことが多くあった。前線2枚のセンゴール・千葉はウラへ動けるタイプなので、その機動力をより活かすための手段である。

鳥栖は序盤からpressing強度を高めてきていたので、藤枝はそれを簡単にウラ返す手法で進めていく。


ただ単にウラへ入れていくだけでは相手も対策しやすい。

しかし、ウラへ入れていれば相手のラインは下がり始めて、次は手前でボールを持てるようになってくる。すると、WBのサポートが活きてくるので鳥栖のpressing陣(5-2-3の2-3)の脇でWBが引き出して前に運んでいけるのである。またしてもWBのシマブクを出口に設定している


運び出してからFWの背後へ入れていくシーンもあった。

後方から長い距離でボールを入れていくよりも、なるべく相手陣に近い・ゴールへの距離を縮めた状態で背後をとっていけばゴールへの期待は大きくなる。

とはいえ、決定的な形というのはそこまで見られなかった。効果的には使えなかった。
特に、後半も同じ手法でやっていたが段々と簡単なロストをしてしまったり、球際で上回られたり、中途半端な長さのボールになりポストプレー系ではないセンゴールの手前にボールが集まってしまったりと前進が難しくなっていった。

試合後の須藤監督のコメントでは、「大胆なプレーもしよう」という意思があったということでそれなりに狙い通りに背後をとっていた。しかし、その設計の不十分さを露呈することになり、繋ぐというスタイルを発揮することができなかった。自分らのスタイルを捨てすぎてしまったのだろうか。


[第9節 vs.千葉]

千葉戦。

保持時の4枚での入り口は変わらないが、長崎戦同様に枚数的に圧力を感じている。GKの北村を入れての形は変わらない。

守る千葉は4-2-4的な配置でそこまでpressingの強度をあげてかけてくる感じではない。守り方としての特徴は、2トップと2CHで藤枝の2CHを囲んで監視すること。最終ラインにはpressingせずに藤枝の2CHを優先的に守る。そこへのパスを遮断しつつ、サイドへ流させる形で規制する。

サイド(中川・久富)にパスが出ればそこにSHが出る形で、サイドのところを狙い目にしてボールを刈り取る流れ。または、藤枝がそれでも中へのパスをチャレンジしてくるならカットしてショートカウンターに繋げたい。

保持する藤枝にとっては、CHを使えないので外回しに終始し前進できない。ロングを使って押し込もうにも、この前の試合(鳥栖戦)のようにロングから簡単なロスト→ペースを失う…ことも考えられるので慎重になってしまう。


そんな藤枝の前進方法のヒントとしては、千葉の4-2-4の最前線4枚のライン(=pressingする4枚)を越すこと。上図では、3CBを右スライドして左WB(シマブク)が下りている形になっているが、そのWB(シマブク)が千葉の最前線4枚のラインの脇に立つ。ここにパスが通れば一気にDF4枚を越すことができる。

その先では、サイドの局面での数的優位を作り出すことになる。相手のSBに対して、FW・シャドー+WBという関わりで得意のサイドアタックの流動性を発揮しつつ深くまで侵入していく。

千葉からすると、WBが前に出てくる+シャドー(ここでは浅倉)が下りていることでSBはどちらにマークをつくべきなのかが曖昧になる。局面的に1v2の状況になるので、pressingラインの最前線4枚を越されるのはキツイことである。SHが越されるかどうかで相手の攻撃の威力も変わってくるということ。


サイドをまず1個突破した先では、より深くへ侵入するためにFWのセンゴールも特徴を活かして背後を狙っていく。相手SBが前に出たことでその背後をシンプルに取っていく(=スペースを突いていく)。

シャドーの浅倉がインサイドで引き出して深くへのラストパスを送る。ここでのサイドの2,3枚の関わりからサイドアタックへ展開しゴールへ迫る。最終的にポケットinなどから得点を取りたい。それこそが藤枝のカラーである。それをやりたい。


このゴールも今の形に近いシーン。
クロスまでの流れと中の枚数についても十分である。


後半についても、同様なインサイド+ワイドのプレイヤーのコンビネーションや狙い通りの構造からチャンスメイクする。

後述するが、この試合は前半で2-3と千葉がリードしていた。
そのため、後半は千葉はリード守る+カウンターワンチャンス狙い となったため引きぎみになる。崩すには難しい状況だが、その中で藤枝特有の流動性や局面ごとでの数的優位からチャンスを目指す。

敵陣内では相手のSBに対してどう困惑を与えるかがポイントになる。
サイドの局面でインサイド・ワイド2つの選択肢を与えながら、SBに対してマークを2枚にさせるようなイメージ。複数枚での崩しや1v1の状態をサイドで作り出すこともできるので有効的。

では、千葉はSHを下げれば対応できるのでは?とも思うが…
前から枚数合わせて牽制しつつ、相手のCHに自由・スペースを与えないことが優先的になっているのでSHも前に出ないといけない(憶測であるが)。外にパスが出ればSHがそのままサイドまでpressingに出る形にしたいのだが、前に出ている時点で自分自身のマーク(藤枝のワイドのプレイヤー)が自分よりも後ろ=自陣側にいる。パス1本で前進を許すことになり、SBの対応するコストが大きくなってしまった。

藤枝は序盤のビルドの停滞感があったが、可変・シャドーの配置・ワイドプレイヤーの存在でうまく攻略し自分らのしたいサッカーを展開できた。相手が引いて押し込みやすかったという点もあるが、前半からそういった工夫で構造的な効果を生み出せた。

試合自体は敗れたが持っている力や積み上げを発揮できたのでは。

前の試合(鳥栖戦)のことも考えると、ロングを使用する位置としては後方からというよりも敵陣入ってからという方が適切であるように思える。

・自陣から放り込んでも回収される+前線に収まるプレイヤーはいない。
・⇔敵陣にうまく侵入したタイミングでFW等がウラをとれるので、そこに合わせてロングor長めのボールを入れるとチャンス。

ポケットを取るというアタックのトリガーがあるので、それを達成するための確実性を上げたい。そのための敵陣への地上での持ち出しとFWの短い距離での背後へのランニングである。


[データで見ると]

ロングボールデータ

藤枝のロングボールの使用本数はリーグ中位くらい。1試合当たり52本くらいなので平均値にとても近い。

直近の試合を見てもそこまで長いボールを使うとは思えない。鳥栖戦に至っては使った結果良くない内容になったので、これから使うタイミングやロングボールの長さは変わってくると思う。現に、鳥栖戦の次の試合の千葉戦では極力使わないように…みたいな印象を持った。ただ、DFラインの背後にFWを走らせてその先でボールと待ち合わせることはやってくると思われる。センゴールが大きい体でウラもとってくるので警戒は必要。特にサイドで収められると崩しにかかってくる。


支配率とロング頻度

という感じでロングはあまり使わないので、表の通り藤枝の支配率は高くリーグ3位。かつ、APT内におけるロング頻度ではロング1本あたり32.92秒とあまり頻度は高くない。リーグ平均よりも少し遅め。

蹴っていくというよりも繋ぎながら前進してサイドアタックへというスタイルになる。と予想。

↓以上のデータは以下の記事内で紹介してます。


もうひとつは時間ごとの得失点。

藤枝の得点のボリュームゾーンは前半終盤。全体の得点の半分程度が前半終盤に生まれているので、前半のクローズの仕方には注意。札幌は前節の水戸に失点した時間帯も前半最後だったのがあったので。

逆に失点が多いのは前半中盤と後半入りの時間
攻める側(札幌)としては、前半からペースを掴みながら中盤の時間で得点できるかというところ。そして、後半の入りで試合を決定づけるゴールを決めるか、ここで均衡を破って一歩前に出られるか…。

今節もこの傾向が出るのでしょうか。


守備

守備の方はpressingはある程度かけながら高い位置から圧力をかけていきたい狙い。ブロックとの併用もあるので、pressingとブロックを使い分けながら。


[第7節 vs.長崎]

長崎戦から。

長崎のビルドは4-2-4的な立ち位置で幅取りつつ、前線にはマテウスなど個はある。

それに対して藤枝は、pressing場面では2シャドーが相手のCBにpressingしながらサイドに圧縮・限定するイメージ。合わせて同サイドのWBも前に出つつ相手のSBへ出れるよう前進する。


ただ、この状況で長崎のSBまでぼボールが渡ると、前に出ているWBの背後に入れられ前進を許すケースが多くあった。WBがワイドに出ているときに残りのDF4枚はスライドしているが、局面的に同数で対応することになるなど危険はある。


そもそも、長崎のWG(増山)がインサイドに入ると後方に3枚密集する形になる。5バックぽくなる藤枝だったが、左はシマブクが前・残り4枚で相手3枚を見ることになる。なので、サイドまで持って行かれてWBが抜かれると押し込まれやすい。

また、長崎はアンカーの山田が最終ラインに降りて入り口を3枚にすることもある。藤枝がpressingの枚数が3枚であることでそれに枚数合わせることになる。この場合は、3v3でそのまま対応する。


サイドのところから前進させたくない藤枝は、シャドーの浅倉がCBとSBまで二度追いできると対策が取れる。

後方に5枚敷いているので背後を取られる心配もない。しかし、その反面浅倉の負担が大きくなってしまう。本来であれば、センゴールがCBにpressingしてSBに浅倉を当てれば良いのだが、試合を見ているとセンゴールはCHの山田を背後に置きつつコースを消していたり、先ほどのように最終ラインに入ってくるならそのままpressingする。山田を消す役割があるのでpressingに出られない。結果、浅倉が負担するかシマブクを前に出して背後取られるリスクを負って…となる。


後半のところでもサイドの数的不利な状況が見られた。

浅倉がワイドに出てシマブクが下がっていることで、背後は取られないようになっている。しかし、そこで浅倉の内側に長崎のCHが寄ってくる。その結果、浅倉は1v2の状況で対応しないといけない。また、シマブクのところはそもそもCBが相手FWを見なくてはならないのでカバーをつけれず1v1。


合わせて2v3の局面からサイドを破られ深くまで侵入されるのがあった。

長崎戦は3-2での勝利だったが、失点はどちらも藤枝から見て右サイドを破られての失点だった。前半や多くの時間帯は藤枝の左サイドで長崎が攻めていたが、後半に長崎は左SBに米田を置き仕掛けられるプレイヤーを配置した。火力が上がるのでチャンスもガンガン仕掛けるようになり、1,2分で同点に追いついた。

左寄りの守備をしている中で逆の右で守備をすることで、意識的に右で守りにくくなったのか。サイドが変わると景色も変わる+相手の火力も上がっていることでエラーが起きた。


[第8節 vs.鳥栖戦]

鳥栖戦。

鳥栖は藤枝と同様に、GKを入れながらのビルドになる。藤枝の3枚がpressingにくるのでそれに対抗して4枚で入れるようにする。

ただ、鳥栖の狙いはロングで押し込んでいくor守備のHigh-pressingからショートカウンターに繋げるという狙いがある。なので、保持時はシンプルに最前線に当てていくことになる。

ターゲットになるのはワントップのスリヴカだが、ここはCBの森がマンツーで対応して収めさせない。スリヴカは前半のみの出場で収めた回数は数えるほどだったかと(具体的な数字数えられてねーじゃんというツッコミは置いておき)。

ワイドのWBは背後を狙っていく。
藤枝は前線からpressingを仕掛けて蹴らせる。それに合わせて全体はライン高く保っているので、その背後をシンプルに狙っていきたい。鳥栖は自陣ではそこまで難しいことはせずに、シンプルに敵陣に押し込みながら押し込んだ先で仕掛けようという狙い。

しかし、上図の1枚目の配置のように、鳥栖はシャドーが藤枝の5-2-3の2の斜め後ろをとって引き出そうとしている。ここを藤枝はケアできているのか?と思うが、鳥栖はここを使ってこなかった・pressingすれば蹴ってくる ということもありそのまま放置していた。


サイドまでパスを出させればそこ周辺で囲い込むことはできていた。スライドもはっきりしており、CHがサイドまで圧縮する・WBやCBも果敢に前に出ることで圧力を与えていた。

また、鳥栖はスリヴカがウラに抜けるタイプでもないので藤枝はDFやライン自体を高く設定することができる。攻める側としてはウラへの引っ張り要員がいないと、手前で詰まってpressingの圧力を受けてしまう。



後半になると、鳥栖はロングで押し込む時間を増やして敵陣でもやるし、自陣からは降りているシャドーに入れるなどして前進する。藤枝にとっては、自分らの攻撃時にロングを使いすぎて簡単にロスト→逆に鳥栖に持たれる時間が続き守備の破綻ぽさを露呈してしまった。結果、押し込まれる時間が長く続き、CKからの失点が決勝点になってしまった。

ロングを蹴らすためのpressingはまあできている。ターゲット(ここではスリヴカ)を抑えるためには森が身体能力を活かせている。前後で良い守備ができているかのように見えたが、抜け落ちている問題もあるような印象だった。そして、攻撃の手数の少なさ(手抜き的な?)が守備の時間の増幅に関与し、守る時間が増えて相手に押し込まれラインが下がり…となった。

攻撃の項でも書いたが、ロングをあまり使わずに繋ぎつつタイミングを慎重に合わせるというスタイルの方が藤枝にとってはうまくいくのでは。攻撃の話だがそれは守備にも影響を与えることである。


[第9節 vs.千葉]

千葉戦。

千葉はビルドの入り口は1(GK),2+アンカーの田口。
ワイドは特徴的なSHをおいており、札幌もやられたようにSHは足が速すぎる。

藤枝はアンカーのところをセンゴールがケアしつつ…というのは長崎戦もあったので、センゴールはpressingに行くこともあるがアンカーがいる相手ならそのアンカーケアの役割がある。

シャドーはそれぞれのサイドのCBにpressingいきながら。ただ、そうなると構造的にワイドのところがスカスカになるのでSHをどう抑えるのか?という疑問が生まれる。


その対策が取れないままSHに走られてウラを取られるシーンがあった。

それこそが1失点目(以下ポスト)なのだが、このシーンでは足の速い椿に対して同位置から川上がスタートしておりこれでは簡単に抑えられない。しかも、川上は下がりながらなのでより難しい対応になる。

また、ボールホルダーに対するpressingもずれており、右シャドー千葉がCBとSBに二度追いしないといけない仕組みになっていた。そのため、ボールホルダーへの圧力がかからないので自由にパスを出されてしまう。前で取りたいという意思を持ってWBも前に出していたが、そもそも前線のpressingのところでエラーが起きていたので、簡単にウラを取られて(ジェフ)千葉の狙い通りにやられてしまった。


もうひとつのズレがあった。

ズレというよりもケアの問題なのだが、ビルドに停滞感のある千葉はトップのカルリーニョス(上図の表示はCジュニオ)がキーマンになっている。

ライン間での引き出しとサポート、そして受けてからアタックへ繋げるまでのテンポがとても良いプレイヤー。タテパスが彼に入れば決定機に繋がるといっても過言ではない。

藤枝はそのカルリーニョスを捕まえきれておらず、そこへのタテパスのコースを遮断できていなかったり、タテパスが入った瞬間の潰しも準備できていなかった。

以下の3点目はまさにそれ。
動かないタイプのターゲットは森などが抑えられる(鳥栖のスリヴカに対してなど)が、今回のようにムービングのあるターゲット・FWに対してはうまく対応できていない?
カルリーニョスのうまさもあるがそこを潰せず、そこへのパスコースも開けてしまっていたりと隙も見せてしまった。


カルリーニョスについては以下のポストで評しています。
他の試合を見てもビルドが詰まりがちな千葉の打開策(出口)として最適解かと思う。


その後は藤枝は5バックを敷いてまずは失点を積み重ねないように対応をとっていた。SHにタテのスペースを与えないというのも実行できていた。カルリーニョスが動けるスペースも最小限にしながら。

後半は千葉が引いてきたため攻撃の時間が長くなり、守備の時間はあまりなかった。なので、前半で簡単にやられてしまったのは惜しかった(前半で無失点なら後半の千葉のやり方も変わっていたが)。

結果的に2-3での敗戦となった千葉戦。
前からのpressingで規制をかける(=前線に入れさせない)ようにしたかったが、pressingの中でのズレや隙を見せてしまい序盤で失点を重ねてしまった。前への意思をひっくり返されるというのは何度も見てきたなあ…。


戦いの目安

直近3試合を見ていると、攻撃面では力もあるしそれなりにやりたいことがあって、それもハマる確率がとても高いのかな?という印象。

特にサイドから流動性を活かしながら侵入してフィニッシュへという形を得意としており、そのサイドまで入り込むための道筋も共有されているので狙いをしっかり持ってやってくるはず。加えて、FW陣もウラへ動いたりとDFに捕まらないような動きを見せてくる。

守備は前から枚数合わせながらpressingをかけていく。それに合わせてDFラインも高く保ち、ワイドはWBも押し出してサイドのところでプレーを切る狙いがある。しかし、そのため背後のスペースが空いていることもある。+構造的な不利さを見せてしまっていることもありそこへの対応も十分とはいえない。


札幌としては、保持〜攻撃ではうまく相手のpressingの構造にズレを引き起こしながら剥がしていきたい。局面で+1の状態が作れればそれなりに前進も容易になってきそう。+WBも前に出てくるなど前への姿勢が強いのでそれをウラ返せるかというところ。

アマドゥのポストプレーも使っていきたいが、端からそれだけになるとコンパクトな守備陣形を保つ藤枝に前後圧縮されて失う確率が高い。CBの森も高身長FWに対抗できるプレイヤーなのでどうかなあ…。

なので、ウラへの動きやそこへのロングボールも入れながらラインを押し下げたい。あるいは、そのままサイドウラをとってシンプルにフィニッシュまで持っていけるか。

前節の水戸戦はビルドのところではめられて蹴る体制も作れなかった。そういった反省も踏まえて、可変や立ち位置、局面での数的優位性など相手の守備にズレを引き起こせるようにしたい。そして、直接的にアマドゥを使うよりも序盤はサイドのウラに入れていく形の方が好ましいか。それで手前やライン間が空いてくるならアマドゥに入れて起点を作るなど。単純ながらも工夫が必要になる。

守備では前からpressingして枚数のズレなく嵌め込めれば取れるのではと思う。しかし、その中でCHやシャドーの浅倉へのコースは断ち切っておきたい。特に浅倉にボールが入ればそこからチャンスを作られてしまうので、そこへのコースの遮断 or CBが前に出て潰し切るというのが必要になる。

奪いどころとしては繋いでくるなら左WBのシマブクのところ。ビルドの出口はシマブクになっているようなので、そこまで誘導して取り切るか前進に歯止めをかけたい。ロングを使わなくなってきているので、藤枝としてはうまく敵陣に入り込みたい。なので札幌は、自陣に入られる前で対処しておくことが重要になる。

後方ではセンゴールのサイドウラへの抜け出しもあるので、そこをしっかり抑えるかそこに出させないpressingが必要。札幌はpressingでSBも前に出るので、その背後を取られてしまう可能性が高くなる。よって、pressingのところで蹴らせない・前進させないことがより重要になってきそうである。

とにかく侵入させない守備と自陣では集中して球際に強くいくことが大事になる。水戸戦のように緩い守備があってはあっさり失点するだろう。それなりに崩しには力のある相手なので集中したい。


J2はもう10試合目になる。
ここで負のムードを断ち切って、勝ちだけを手にできるようにしたい。ホームで立ち直り、ここから一気上げていかないといけない。それができる最後のチャンスと言ってもいいのかもしれない。本気でJ1昇格するためには負けは絶対に許されないし、これ以降負けたら終わり!というレベル感でやってもらいたい。

昇格に向けては崖っぷち。残留するならまだ余裕はある。
昇格するんだろ?勝ち以外いらない。水戸での敗戦を最後にしよう。

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