['25 コンサドーレ] vs.ヴァンフォーレ甲府 〜即興ゲームで迷走〜
2025明治安田J2リーグは第7節。
リーグはここまで2連勝と復調してきた札幌。3日前のルヴァンカップ福島戦では延長戦まで持ち込まれ3-6の敗戦を喫した。公式戦はここまでの7試合でホームはわずか1試合という中、今シーズン2試合目のホーム戦。リーグ3連勝に向けてホームで良い試合ができるか。
一方の甲府は、リーグは開幕戦の山口戦以来勝利がない。ルヴァンカップは藤枝相手に勝利し勢いを取り戻しつつある。リーグの前節は首位千葉相手に先制するも同点に追いつかれ、最後の最後で逆転を許した。終盤での失点や数試合続いている複数失点を改善できるか。
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概要・スタメン
まずは試合概要から。

結果は0-1でアウェイ甲府の勝利。
札幌は64%の支配率、600本越えのパス数を持ってして勝利は掴めなかった。シュート数も連続して二桁には乗っているが無得点に終わった。うーぬ。(左下のデータ欄は諸事情によりカット)
では、試合の方に入っていきます。

札幌は前節から1枚入れ替え。タイ代表から帰ってきたチェックが先発復帰。それ以外は変化なし。好調な流れを継続するメンツで挑む。
甲府は前節から2枚入れ替え。CBの小出が欠場しセンターに孫が入り、左CBにエドゥアルドマンシャ。CHの一角には前節負傷の中山に代わり、室蘭大谷・札幌大学を経てプロとなった平塚がスタート。
デジャブ感

まずは、札幌保持時から見ていく。
4バック継続の札幌は今節も4バックで入る。
ビルドはGK小次郎+2CB+2CHが主となりボールを回していく。最前線は、相手の5バックに対して中央にアマドゥ・チェック、ワイドは近藤・青木が1v1を仕掛けられるような状態。

対して、守る甲府はベースの3-4-2-1から5-2-3で構えるイメージ。後方は5バック敷きながら前線の2-3(5枚)でpressingをかけていく形になる。



甲府のpressingは1stプレッシャーの三平が限定しながらGK〜次のボールホルダーであるCBまで追う。ワンサイドに追い込めば同サイドのシャドー(ここでは熊倉)は下がりながら背後をケア。同時に札幌のSBへ出れるように準備する。+全体はボールサイドにスライドし圧縮完了。この形は前節の愛媛も同様にやっていた形で、5-2-3から5-3-2 or 5-4-1(上図3枚目)に可変するイメージ。シャドーが2の脇(CHの横)のスペースを消す仕事を遂行する。
または、2枚目の図のように三平が方向づけして札幌のCBに持たせる。そこに対して、同サイドのシャドー(熊倉)がボールホルダー(家泉)とその外にいるSB(高尾)どちらにも行ける状態を作る。
甲府のpressingは札幌のビルドに対して、枚数的にハマるので前線3枚が少しハードワークするだけで札幌の前進に歯止めをかけることができる。また、後方5バックに対して札幌は4枚しかかけていなく、そのうちトップのアマドゥも下がって受けようと降りていくので甲府は、チェック+両ワイドの3枚を気にするだけで良い。となると、pressingのところで後方は+1,2枚になるのでWBも押し出してpressingの圧力をより強めることができる。
ボールを持つ(持たされている)札幌からすると、前節の愛媛戦同様に枚数やシステム的に相手のやりやすい形になってしまっているので、スムーズな前進は難しく序盤から探りながらの状態になる。結果、パスを回すだけの時間が多くなった印象。5-2-3(5-3-2,5-4-1)のブロックを前にパス交換するだけになっている。
戦前の戦況予想(以下のポスト)では、愛媛戦と同様な形になるので何かを変えなければ苦心するとは思っていたが、その通りになってしまった印象…。
甲府戦戦況予想。
— 鵜外 (@engjpn_ugai) March 28, 2025
札幌保持時、甲府は3421から523で構える形。構えて5バックを敷くかと予想。しかし、pressingかけると札幌側からすると愛媛戦同様に状況的に苦しくなる可能性大。甲府はボールサイドのシャドーが下がってケア。541での構えなら三平が頑張って限定する。中盤は4枚スライド。#consadole pic.twitter.com/TFoqsF68HT
pressingという武器?

ボール保持で苦戦する札幌のチャンスはわずかで、それも開始1分ごろだった。
まずは、キックオフからロングボールを近藤サイドに入れて押し込む。近藤の折り返しを受けたアマドゥがペナ内で受けて倒されるもPKはなし。甲府のゴールキックから再開となった。
そのゴールキックでのpressingはハマっていた。
上図のように1stプレッシャーのアマドゥが限定してpressingのスイッチを入れる。他の箇所を見てもある程度ハマっている。

甲府GK河田がタテパスを入れると、出足の良い札幌は受けに入った鳥海に対し高嶺と青木でサンドする。奪いきって最終的にはシュートで終えることができた。このシュートを決めていれば優位に試合を進められたか。ファーストシュートだからといって外していいわけではない。1本目なのでフィーリングがあってないという難しさもあるが。
ボール保持から進むことが難しいこの試合では、守備から攻撃を始めるのも一つかと思った。以下のポストにもあるように、pressingから奪ってショートカウンターのイメージはある。
それかpressingはキャンプからやってたそうなら、ボール捨てて相手に持たせてから奪ってショートカウンターとかは?
— 鵜外 (@engjpn_ugai) March 29, 2025
秋田戦や福島戦のゴールはそういう形あったし、他の試合でも良い守備からの攻撃はそこそこある。ただし、それありきになるとやりたいサッカーではない。あくまでも戦術の一部として。
とは言っても、この試合でpressingがハマったのはこの開始1分にも満たないシーンのみであった。

札幌のpressingがハマりにくかったのは構造的な問題。
甲府のビルドは3CB+2CHという配置。2トップでpressingする札幌に対して、3枚での入り口となっている甲府は+1の状態でポゼッションできる。
前線は相手の4バックに対して、中央のワントップ+2シャドーの3枚と両WBで合わせて5枚。4DF vs 5FWといった状態で札幌は必ずスライドしないとDFラインに穴が空いてしまう。(ところで、札幌の攻撃時は相手の5バックに対し4枚しかおらず相手のDFの方が数的優位である…)

次に、甲府がセンターから脇のCBにボールを回す。札幌は2トップのみでpressingに行っても脇のCBに自由を与えすぎてしまうので、マークのいないSH(ここでは青木)がボールホルダーにpressing。しかし、この時点で青木の背後には甲府のシャドーである鳥海が受けに行っている。鳥海は今節(他の試合でもそうだが)後方からの組み立てに対して何度も引き出して前後を繋ぎ合わせようとトライしていた。
札幌DFラインに目をやると、大外は岡田と宮崎が1v1の状況。降りていく鳥海に対しては左CBのトーヤが釣られて前に行っている。CHに受け渡しても良いのではとも思うが、CHもCHでマークがいるので(中盤は2v2)鳥海を預けることはできない。鳥海もDFライン・MFラインのライン間にいるので、札幌はCBかCHどちらかに預けるとなるとCBが引き取るしかない立ち位置に立たれている。こうなると、トーヤが釣られている状態では岡田の背後にボールが入ればカバーはいない。

ボールを手前で繋いで前進…とか難しくせずにシンプルに押し込んでくる甲府は、今の状態を作り出すと大外の背後にボールを落として押し込むことができる。札幌はこのサイドウラに出るボールに対して、対応するのはSBのみになっており、CBはカバーに入ることはできない…(っていうのを先ほど説明した通り)。なので、ロングを入れられると回収できる体制が整っていないので蹴られて押し込まれて、拾ってもまた5-2-3のブロックを崩すための手前でボールを動かさないといけないというスパイラルに落ち込む。甲府はそれを見据えたボール保持〜アタック〜守備という流れをきちんと取り組めている。

この状態に陥らないための策としては、pressingの段階でSHが出ることを決めておけば相手のボールホルダーに対するプレッシャーのかかり具合も変わってくる。+SHが出たなら2トップはSH(青木)の背後ケアとその動いたトップの穴を埋める役が必要。上図のようにチェックが青木の背後に回り込めば、高嶺のマークへのパスコースも消すことができトーヤのマークのケアに高嶺を回せる(=トーヤはマークを手放して岡田のカバーにも回れる)。
また、ワンサイドに限定できているのならば逆サイドのSH(ここでは近藤)はDFラインにinしても良いと思う。そうすれば、DFラインは5バックになるのでスライド距離も短くなるし同サイドへの圧縮もより敢行できる(トーヤはカバーにより専念できる)。サイドチェンジされても大外のSHが対応すれば良いだけである。

そして、サイドウラに放り込まれても岡田のみで対応するわけではなく、マークを手放して岡田のカバーに回れる余裕のあるトーヤがカバーに回り回収。中央の目をやると、甲府の残り2枚に対しては家泉・高尾・近藤と3枚残っているので、仮にサイドの回収でミスがあってクロス等まで持って行かれても枚数があるので対応可能。または、サイドで持たれても1枚くらいは繰り出せる。

というか、最初のところでズレが起きているのならば、枚数合わせて5-2-3ではめ込むというのが手っ取り早いと思ってしまう。しかしながら、こうすると近藤を高い位置に置いておきたい札幌としては近藤を下げすぎてしまったり、それ故に攻撃に切り替わった時に移動距離があるので出力しきれない。
とはいっても、第4節千葉戦でのpressingの形は右へ限定し5バックの大外である近藤を押し出して連動するシーンがあった。

この時には、逆サイドのSH(WB)が降りてきて最終ラインには4枚構えることができていた。左右のバランスをとることで後方のリスク管理もできるはず。こういう形なら近藤を高い位置に継続して置いておくことは可能なのでは?

また、甲府は左回しになれば左CBのマンシャがサイドチェンジするシーンが前半は2,3度あった。ここでも、札幌はpressingのズレと逆サイドがぽっかり空いてしまっている。4バックでスライドするには時間がかかるので労力がある程度かかってしまう。根本から解決するにはpressingでハメてボールホルダーに自由に蹴らせないようにすること。特にマンシャが左利きであることがわかっているとは思うので、左足で精度の高いサイドチェンジをさせないためにタテのみに限定するなどしないと、相手のやりたいようになってしまう。
pressingの問題については、開幕2,3試合の時に課題になっていてそこから改善はされたように見えていましたが、結局今の状態になり逆行していますね。元の課題を解決しきれず。
失点
コーナーキックから #荒木翔 がダイレクトで流し込む🔥
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) March 29, 2025
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J2リーグ 第7節
🆚 札幌vs甲府
🔢 0-1
⌚️ 7分
⚽️ 荒木 翔(甲府)#Jリーグ pic.twitter.com/5IDF6YEgVO
長々と失点前〜失点後の展開を書いていましたが、失点シーンも振り返っておきます。
7分、甲府の左CKからデザインされた形で最後は荒木の強烈なシュート。甲府としては練習でやってきたような工夫をしっかり結果として残せたのはでかい。しかも、早めの時間帯でセットピースなど少ないチャンスをモノにできたという展開はかなりラッキーというか、思っていた以上にその後の試合運びをやりやすくなったと思う。
札幌としてはマークのズレから。
近藤のマークだったぽいすね。
3/29土 ●0-1甲府(H) #近藤友喜 ④「...相手のやりたいようなことをやられてしまったので、ここ2試合できていたことが、できなかったと思います。セットプレーのところは僕のマークですし、そこの責任はあると思っています...」#ラボ取材メモ
— コンサラボ|UHBコンサドーレ取材班 (@UHBconsalabo) March 29, 2025
岩政監督の試合後のコメントでは、確実にああいう形でくるとわかっていたそうなのですが失点してしまったようです。2個目の引用ポストの内容から分かるように、マークの付き方とか抑え方は選手次第というのがあるので、確かにこれは選手の責任があるように思えますね。近藤のマークねぇ…。
3/29土 ●0-1甲府(H) #岩政大樹 監督③「...失点の仕方も、(この試合)1本目のCKで、相手が7人(PA内に)入れてきて、左利きの小さい選手がいるということは、ほぼ99%あのパターンでシュートまで来るだろうということは分かっているような状況でした...」#ラボ取材メモ
— コンサラボ|UHBコンサドーレ取材班 (@UHBconsalabo) March 29, 2025
3/29土 ●0-1甲府(H) #岩政大樹 監督④「...中でどのような意思があったのか分かりませんが、あのような失点をしていると、勝てるものも勝てないなというふうに感じています...」#ラボ取材メモ
— コンサラボ|UHBコンサドーレ取材班 (@UHBconsalabo) March 29, 2025
そもそも、なぜCKにまで持ち込まれてしまったのかを掘り下げてみると、札幌保持の展開からサイドチェンジで近藤のところまでボールを入れた。しかし、このボールを近藤がコントロールミスし相手ボールに。前述の通りpressingのズレも影響して、そこから簡単に自陣まで侵入されてクロスを簡単に上げさせてしまった。そのクロスも中には札幌DFが揃っていたにも関わらず、跳ね返すではなくCKに逃れるという形になり、そのCKから失点を許した。クロスを跳ね返せていればとも思うし、そもそも攻撃のところでコントロールミスしないでほしい。
今節は他の選手もパスミスやタッチミスが目立っていました。芝生の影響かはわかりませんが、前節の愛媛戦からそういうシンプルなミスが多く勿体無い感じはあります。
また、近藤は攻撃のところでのロストが多くなっている印象。仕掛けさせたいのでボールが集まるのは良いのですが、そこで受けても相手に当てて失ったりカウンターで得意のドリブルを仕掛けても味方に繋がらずにやりきれずにロストしたり。せっかくのチャンスも潰してしまっている。失っても「あー」って感じで足を止めているシーンもちらほら。切り替えて守備にすぐ回るシーンは数えるほどですかね。近藤のミスを周りがケアするほど余裕はない状況です。視点を変えれば、近藤が持った時のサポートがいないのは一理あります。
打開策

前進するには難しい札幌、手口がない。
しかしチャンスになるシーンもあった。
それは23分ごろのシーン。
保持のところでアマドゥが降りている状態で、アマドゥが空けているスペースに向かって近藤がインサイドのポジショニング。後方のGK+2CB+2CHは変わらない。SBの配置も変わらない。

次に、右CB家泉パスが渡る。この時に甲府はシャドーの熊倉がボールホルダーの家泉に出る。それに連動し、元は近藤のマークであったWBの荒木が一個前の高尾についていく。甲府としてはpressingから圧力を強めて連動から奪い切りたい。(札幌は足元でのパスが多いので甲府は足元潰しきる狙いがある)。

しかし、甲府の予想外?にも札幌はロングを利用して押し込む形を選択。甲府がpressingのところでWBを押し上げたことにより、WBの背後は空いてしまった。その背後のスペースを近藤がインサイドからランニングを仕掛けて取りに行く。このシーンは前後の狙いの共有ができていた数少ないチャンスシーン。
相手の構造を破壊していくためのポイントとしてはWBを引き出せるかどうかだった。WBを札幌のSBのところまで引きつけることができれば、それを利用してWBの背後を狙っていくだけ。札幌としては、サイドで起点を作りそこから崩しやクロスまで持っていきたい。それを実現できそうなのは以上のような引きつけからロング一発での押し込み。または早い段階で大外に勝負かけられるようにボールを送り込む。
ビルドアップのところでパスを回しているだけのように見えた、というのは確かにそうなのだが、パスを繋ぎながら相手を引きつけることが狙いなのである。=ビルド・ポゼッションは相手を引きつけるための餌撒きであるということ。そして、そこに相手が引きつけばウラ返すようにロングボールを前線に供給していく。そういうシーンは開幕戦から見えてはいた。前節はその餌撒きを我慢して取り組み続けて押し込むきっかけを掴めた。
しかし、今節は相手を引きつけられるような効果的なパス回しができていなかった。そもそも、序盤でリードを得た甲府は無理してpressingに行く必要がそこまでないのでチャレンジして取りには行かない。そういうこともあって、札幌は手前でパスを回すだけになり、ボールを前進させるために前線のアマドゥがCHやサイドの位置まで降りてボールを引き出そうとしてしまった。これが邪魔になっている可能性もある。
だが、開幕からの数試合ではビルドからロングを入れて前線で起点を作って…というのはできていたので、もう少しロングを使うことに抵抗を持たずにやってほしいとは思いますね。そうでもしないと、相手のラインは下がらず押し込めるきっかけを掴めないですから。また、前節は同じような展開の中で無理矢理でもドリブルで前に持っていこうというのがありましたが、今節はコンディションが悪いのか足元がもたついていたこともあり、CBの持ち出しなどはあまりなかった。数mでも運べばDF1枚は引きついてくるので、DFがきたら空いた味方にパスをするなど、地道ながらも前進する方法はそれなりに転がっているはずです。
もどかしい展開が続き、前半は0-1でアウェイ甲府がリードして折り返す。
後半
HTで札幌は、岡田に代えて白井を投入。
システムも変えて、3-4-2-1にして白井とチェックの2シャドー、後方は右から高尾・家泉・トーヤ。

3-4-2-1になったことで、相手の5-2-3に対してビルドの入り口は同数、前線は5v5になったことで構造的なやりやすさは見えてくる。また、両サイドのところは1v1がよりやりやすくなっている。特に、後半は近藤のところまで易く持って行けていた印象。
しかし、ビルドのところで詰まっているというか効果的なパス回しやスイッチを入れるようなタテパスがないので前進できない。ロングを入れようにも、前線でターゲットになるべきであるアマドゥが下がってきている。しかし、白井が入ったことでウラへの引っ張り要員は確保できている。
やっぱ俺でしょ


54分、トーヤに代わって宮澤を投入。
この宮澤がゲームのリズムを作っていくことになる。
今までの展開では、相手の2-3のpressingに対して同数か-1枚の状態が続いていた。しかし、宮澤が最終ラインに入ったりCHの位置からサイドに離れてパスコースを作ったりでパスの循環をよくする。宮澤が自由に動いて受けたりパスをしたりするので、甲府は宮澤を捕まえきれないまま札幌のリズム感のあるポゼッションに振り回される。札幌も前半のように停滞したパス回しではなくなる。
最終ラインのところが4枚になることで、相手の2-3の3の脇のスペースをとることもできる。上図で言えば左は高嶺がそういう位置どりをしていて、そこで受けてから持ち出してクロスや対角のサイドチェンジを行っていた(近藤のところで1v1にさせる)。=前進・押し込みのきっかけ。
なぜ4枚にしたのかというのか上記のように立ち位置の関係もある。しかし、もう一つの理由としては甲府がローブロックでpressingにあまり来なくなりGKを使った状態での+1のビルドができなくなったことが関係する。そのため、相手の3枚でのpressing(牽制)に対して優位性を作り出すには4枚での入り口にする必要があった。しかし、後方にそんなコスト掛ける必要あるのかと思ったりもするが、これだけ安定性のないポゼッション(奪われてカウンター喰らったりするので)をするには人数で補う必要がある。また、奪われた時の枚数担保のために人数を残しておくというリスクヘッジがあったのだと仮説を立てておく。
たった一人の投入で工夫が生まれ、前進する回数もそこそこ増えてきた。前半のようにアクションの少ないパス回しから脱して、スペースをうまく作りだし使えるようになる。前節も宮澤の投入後はビルドのリズムが生まれていた。やっぱ俺でしょこと宮澤の偉大さを感じることとなった。
チャンスを作り出せない
ビルドのところで工夫が加わり、ようやく攻め込めるぞっと思ってもそれほど決定機が来ない。
押し込めているもののその回数が少なく、ワイドで持っても仕掛けるまでには至らない。ボールをただ前に動かしてそこから揺さぶってクロス入れたり…くらいでもう一個深くまで入っていきたいのだが、角をとる動きもあまり見られない。
また、1v1で仕掛ける体制を作っていきたいのだが、右の近藤のみになっており甲府からすればそこさえ抑えれば良いという状況。千葉戦のように、左右どちらも仕掛ける機会を作れればチャンスメイクの幅は広がっていくがそういう選択をしなかった。左サイドは青木がワイドにいるがタテに仕掛けるなどはしないタイプ。+チェックがサイドに流れたりして流動性でスペースを空けて…どうにか…という流れ。
後半もチャンスになったのは2,3度か。
カウンターでは白井の素晴らしいドリブルからチャンスになったが、最後のフィニッシュワークのズレでチャンスを無駄にしてしまった。シュートで終えたかったが、今シーズン目立っている技術的なミスで少ないチャンスさえも活かせない。そこのこだわりや慎重さがないといけない。
3/29土 ●0-1甲府(H) #岩政大樹 監督⑨「...その面で宮澤が入ったり、シャドーにアマを下ろしたりというところで、パスルートは見せるようにしたつもりですけれども、決定的なところまでいかなかったと。それ以上の先のところは日本代表(vsサウジアラビア)のように...」#ラボ取材メモ
— コンサラボ|UHBコンサドーレ取材班 (@UHBconsalabo) March 29, 2025
パスルートの開拓など工夫はあったものの決定的なところまで行っていないというのは指揮官も感じているところ。
後半中盤以降はゴニを投入し、放り込んでいくのかな?と思っていたのだがそのようなシーンは数度に収まった。
せっかくターゲットマンが入ってきたのならロング入れて収めさせるか、その後のセカンド回収から押し込んでいけば良いのにと思ってしまう。何度も言うが、そういう形で押し込むシーンは今シーズン何度もあったじゃないか。
と、90分通して押し込むきっかけとはなんなのか、5-2-3に対する策を出せたのか?どこか懐疑的な試合になってしまった。
0-1でアウェイ甲府が逃げ切り試合終了。
総括
連勝という良い流れがあったにも関わらず、自分らでその雰囲気を壊してしまった試合になった。
保持のところでは前進する方法がないというよりも、トライできていないという方が正しいか。これまでの試合では手前で数本繋ぎながらタイミングを見計らってロングを前線に入れていた。その先にはターゲットとしてアマドゥがいたり、その後のセカンド回収を行えていた。だからこそ、押し込んで攻め続けるができていた。
しかし、今節は(前節もそうだが)ターゲットになるはずのアマドゥが下がりすぎてでもボールを足元で引き出そうとしていた。しかも序盤から。そうなると、前線のターゲットを失いロングを使いたいのに足元で繋ぐしかなくなった。アマドゥが前線に張っていればそこに当ててシンプルに押し込むことができてのではと思ってしまう。もしかして、ラマダン期間中で競るのも厳しいくらいなのか?と勘繰ってしまう。
結局、甲府の思惑通りにブロックの前でボールを持たされてパス回しになってしまった。そのパス回しも相手のpressingを引き出す(引きつける)ようなパス回しであれば良いのだが、そういうわけでもなく横パスばかりでアクションも少ない。タテへの意識があまり見られなかった。前半途中の相手WBを引き出して背後取れたシーンは良かったのだが、そういう形を作り出すためのアクションが継続してあったかというとそうでもない。
前後で狙いがあまり共有できていなく、降りてくるアマドゥもうまく使えるわけではなかった。そんな難しい展開の中で、即興的にパスを動かして打開しようとしてもそれはやってきたこと?狙いなのか?と疑われる。即興劇で勝てるリーグではない。どんな相手でも、どんなやり方をされても得点・勝利に結びつけるような引き出しの多いサッカーを展開しないと、これから地獄を見続けることになる。アイディアの限界値に達しているのならもう終わりである。プロならもっとアイディアを出せるはずだ。特に岩政監督がそういうのを選手に落とし込まなくては、表現者である選手が何もしなくなってしまう。
今季ホーム初勝利ならず、連勝は2でストップ。#岩政大樹 監督は「常々チームは成長段階と伝えているが、今日の試合をしていると成長と言ってられない。あのような失点をしていると勝てるものも勝てない。自分たちが弱いと認識しないといけない」と厳しい表情で話していました。#consadole pic.twitter.com/MCh0laXPxa
— 日刊スポーツ保坂果那 (@k_hosaka_nikkan) March 29, 2025
"弱いということを認識する"ということは策がないということとも捉えられる。前節のコメントを通じてもどうすれば良いかが明確になっていないのかなと思う。それは準備の段階で質が低いのだろう。
岩政監督のコメントからしても523に対する策はマジでないんだなと思う。「良くない試合をして負けました。」と言い、前節も523に対する誤算について言及。
— 鵜外 (@engjpn_ugai) March 29, 2025
現状を打破するには工夫しかない。待ってた怪我人もほとんど復帰してこの状態。ただ、アマドゥのラマダン明けでどうなるかに期待。#consadole
FT 札幌0-1甲府
— 鵜外 (@engjpn_ugai) March 29, 2025
即興ゲームでは勝てるわけがない。
"策がない"で安全なやり方だけでは得点は入らない。ロングで押し込むきっかけを作るなどしないと可能性も継続性も失う。数試合前は前線にロング入れたりしてたよね?
残りの31試合で25勝ないと自動昇格は...。523でくる相手は増える中で。#consadole
守備のところでは、タテパスをスパスパ通されたり相手のリズムに翻弄されたりと準備が整っているけどついて行けていない。危ないシーンも散見され、ボールウォッチャーになってフリーぎみな選手がいたり。pressingのところから自陣の守備までエラーが起きてしまっている。本来なら、pressingのところで歯止めをかけて後方の守備時間はなくしていきたかったが…。
また、甲府は前半は三平・鳥海がボールの引き出し役でターゲットになっていたり、後半は途中出場の大島がターゲットになったり。そこにボールを集めてくるのは分かってはいたが、潰しきれずに起点を作られることもしばしば。家泉がそういう相手のキーマンを潰せない限りはpressingが機能しなくなると、押し込まれる展開が増えるだけになってしまう。家泉だけの責任でもないので、ターゲットに対し複数枚でサンドするとかそういう守備意識もどうだった?と問われるような今節であった。1失点だけで済んでラッキーだったかなと思う。
次節はホーム徳島戦。
また厄介な相手を迎える。
工夫なしにやっていてもいつまで経っても苦しい状況から脱することはできない。今節の後半では宮澤が状況を変えてみたりしていた。そういうプラス要素であったり、何か感触を掴めたシーンはあるはず。もう一度、どういうサッカーをするのか整理して一貫性・継続性から結果を残せるか。
残り31試合。
時間はそこまで多くないはずだ。死に物狂いで目の前の勝利に貪欲に。
