#2ぱにがれ課長の苦悩(ワンピース風)個別面談編
定期面談でZ世代と相対する。
今の時代、面談では**『傾聴』**という技を使わないといけないらしい。
——要するに、あまり喋ってはいけない。
なるほど。現場監督の経験を語りたい私にとっては、拷問のようなルールだ。
新人から質問が飛んだ。
「現場監督のやりがいは何ですか?」
へ?
やりがい??
ちがうでしょ。
どうやって会社に貢献したらいいですかとか、
わたしのできることはなんですかとか、
なんで受身なんだよ、君は……
でも、言えない。
それは——『パワハラ』という呪文をくらってしまうからだ。
——仕方ない、静かに待つ。
私は若手の目を見て、ゆっくり語りだす。
「現場監督というのは、その現場の絶対権限者だ」
工程、職人、設計、予算、納期——
現場の全てを動かす責任がある。
誰も口出しできない、これが現場監督の醍醐味だ。
20代でこれほどの責任を背負える仕事は、他にほとんどない。
支店長よりも社長よりもその現場については責任を持つ。
だから面白い。
責任は重い。問題が起きれば解決しなければならない。
だが成功すれば、現場の空気も、工程も、施主の笑顔も、全て自分の手で生み出せる。
そして私は続ける。
「この立場になると、現場の全てをコントロールできるだけの知識と実力がつく。
設計図の意味も、材料の癖も、職人の心理も、予算や工程の裏側まで、全て把握できる。指示の文言は重く、誰もが監督の指示をまっているし、指示には従わないといけない。
つまり・・・
その時、お前は——覇王色の覇気を纏うことができる」

若手はポカンとしている。
漫画の話かと思ったかもしれない。
違う、これは比喩ではない。
現場を動かす力、それが覇王色の覇気なのだ。
最後に問う。
「権限と責任を負う覚悟はあるか?」
間があく。
返ってきた答えは——
『いや』
(ドンッ)
——なるほど。
傾聴という呪文、
パワハラという呪文、
よりも
Zの力
恐るべし
いいなと思ったら応援しよう!
現場は、正解が見えにくい判断の連続です。
この記録が、どこかの現場で
「一度立ち止まる材料」になれば幸いです。
応援としてチップをいただけると、続ける力になります。