Apple Watch を初めて使ってみた2ヶ月のこと
私は日頃運動やスポーツをしないため、また夫から10年前のクリスマスに貰った腕時計が気に入っていたため、これまでスマートウォッチをこれまで使ってこなかったし、長年興味もあまり持たなかった。なぜか機械に疎い母のほうが先に使い始めて、「通知にすぐ気づけるから便利」だとか「交通ICカードを腕でできて便利」だとか教えてくれたけど、正直なところ、そんな些細なことのために毎日充電が必要な数万円もするデバイスを買う意味がよく分からなかった。充電せずにいつまでも使えるソーラー電池腕時計のがええやん、と思っていた。
突然、購入を決めたのは、近年のApple Watchでは皮膚体温からかなり正確な排卵日を推定できる、と知ったからだ。まだ子供を持とうと決心したわけではないが、正確な自分の身体の周期把握は早めに着手したほうがいい。毎朝、基礎体温を測ってメモを記録し続けて曖昧な周期推定しかできない苦痛と比べたら、装着しているだけで勝手に正確な周期を可視化してくれるなら、5万円の買い物は安いと思った。
またもう一つの理由は、起床時に疲れが取れてないことが続いていた。浅い眠りのときに起こしてくれる賢い目覚ましを使うのに、スマホよりスマートウォッチのほうが精度が高いのは間違いないだろうと思った。こちらも、この先ずっと毎朝気持ち良い目覚めに変わるなら、5万円は良い投資だと判断した。
そんなわけで、Amazonでセール時を狙って、Apple Watch series10を買った。翌日に届いた。
使い始めて約2ヶ月で実感したことがある。「スマホ脳」で書かれているように、スマホは視覚的な仕掛けや無限の情報から、操作の度に脳からドーパミンを出し続けさせるデバイスである。その刹那的な快楽に溺れ、勉強や読書や仕事、日常生活に必要なあらゆる集中力を削いで非効率にしていく。それ対し、Apple watchは小さな画面からの適度な刺激のために、これまで「めんどくさくて」やってこなかった多くの良い習慣のモチベーションになることに気がついた。
これまでスマートウォッチは、運動が好きでその成果を計りたい人のためのデバイスだと思っていたが、むしろ逆で、私や夫のように運動が死ぬほどめんどくさくて嫌いな人にほど、効果がある可能性がある。
例えば、既存のアプリである「フィットネス」では、ムーブ・エクササイズ・スタンドという3つの指標について、日々達成したかどうかをリマインドする。そのアプリでは毎日の歩数と歩行距離、上り下りした段差などを示す。他にもHopsとかStandlandとか最初は若干うるさいなと思っていたが、いつのまにか「今日は達成してるだろうか」と気にし、身体を動かすように意識を始めていた。
眠りの質を高めたり、仕事や勉強の集中力向上にも、ほんの少しでも運動することで大きな効果があることを実感しつつある。
StressWatchというアプリは心拍数から導き出せるHRVという指標から、リアルタイムでストレス度合いを評価してくれる。私の場合、会議中に継続的にストレスが最大値まで高くなっていること、逆に1人で在宅勤務で作業しているときは適度なストレスで、休日にガーデニングをしているときや寝る前にヨガをやったりするとかなり低くなっていることが分かった。ストレスが低いばかりが良いわけではないが、ストレスが高い時間が続いた日は、ストレスが低くなる活動をしようと自然と心がけるようになった。すると、週の途中にイライラしすぎたり、思い詰めてしまうことがなくなっていたことに気づいた。
睡眠はAutoSleepというアプリで記録をつけるようにした。そして、私は意外と睡眠の質が常に高いことが分かった。すぐに眠りにつくし、朝まで起きない。朝の目覚ましは眠りが浅くなったタイミングで、さりげなくApple Watchが腕への振動と音で起こしてくれるようになった。寝起きのだるさがなくなった。
なお、肝心の周期把握は、皮膚体温等でより正確な周期を測ろうとしてくれているようなのだが、何周期かApple Watchをつけ続けないと示してくれないらしく、着けて2ヶ月の今現在では、まだどれほどのものかよく分からない。
自分がApple watchで良い効果を感じたこともあり、夫にもApple watchを買い与えた。ADHD特性が非常に強い夫は、特に運動することで日頃の生きづらさが改善する可能性が高いと本に書いてあったからだ。Apple Watchが運動のモチベーションになるに違いない。
そして、予想以上に効果は抜群だった。
夫は、汗かきにも関わらず、普段あまり水を飲まない人だった。1日で、コップ2杯くらいしか飲んでいない。これまでずっと水を飲むように勧めてきたが、めんどくさいのかいっこうに飲まなかった。体内の水分が少ないことは血液の循環や自律神経や、いろんな悪い効果があると考えられる。WaterMinderというアプリは、数時間に一回、水分を摂るようにリマインドしてくれる。Apple Watchから飲んだ水分を記録できる。体重と身長と性別から導き出した目標水分量をクリアすると、「おめでとう!」と褒めてくれる。こんな単純なアプリだが、夫はせっせと水を飲み出し、毎日目標水分1800mlを達成するように努めるようになった。驚くべき変化だ。
運動も想像していた以上に張り切って行うようになった。これまでずっと家にいて一歩も外に出ない日も多かったのに、「2km先の図書館まで歩いて行く」「クリニックの時間まで少し時間があったから、歩くことにした。2km余分に歩いた」「ドラッグストアへの買い物は自転車じゃなくて歩いて行く」と自ら進んで歩き始めた。
さらにNikeTrainingAppでたくさんダンベル体操が紹介されているから、ダンベルを買って欲しい、とまで言い出した。(ちなみに我が家、というか夫はお小遣い制ではなく、妻への許可申請制である。これは経済的ハラスメントではなく、財布にお金が入っていると、ついついおやつや煙草を買ってしまう夫が自ら「管理して欲しい」と言ったためだ。)夫が何かをねだることはほとんどないので、購入した。翌日からせっせとダンベルを始めた。
運動の効果が確かにあるのだろう。活動的になった夫は見違えるほど元気になった。これまで「やる気がでない」「悲しい」「何もやりたくない」と過ごしていたのに、今では楽しそうに今日は次に何をしようか、と話している。図書館で借りた本も集中して読めるようになった。ここ何年もあまり読書をできていなかったのに。
また、Apple Watchは夫が夜中に10回以上も無意識の覚醒をしていること、レム睡眠と深い睡眠がほとんど取れていないことも教えてくれた。彼が変な夢をよく見ることや、日中も眠いことが多い原因なのかもしれない。自律神経の不調なのか、日中の行動や漢方などで改善できるのか、目下検証中であり、改善に向けた取り組みを試している。
結論、めんどくさがりで運動嫌いな人ほど、Apple Watchを試すといいことがあると思う。たぶんADHD特性の強い人はさらに良い。
スマートウォッチは我々のヘルスケア情報を収集して、Appleやアプリ開発企業はそのデータでどんどん金儲けをしているだとか、確かにそのとおりだと思うが、それがなんだというのだろう。Apple Watchをつけ始めたおかげで、めんどくさがりな私たちの日常はずっと健康で豊かで楽しくなったし、こんな利益を得られたのであれば我々の些細なヘルスケア情報なんていくらでも使っていただいて、これからも良いサービスを提供し続けて欲しいと思う。
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長文読んでいただきありがとうございます。
夫にApple Watchを買うまでの経緯のことはこちらの記事で(さらに長文)
