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機械学習とは?AI・ディープラーニングとの違いと仕組みをわかりやすく解説

会議で「そこは機械学習でやってます」と言われて、AIと何が違うのか分からないまま頷いた。

ディープラーニング、機械学習、生成AI。

どれがどれに含まれるのか、聞くたびに曖昧になる。

「AIが学習する」とよく聞くけれど、実際に何をしているのかは想像がつかない。

心当たりがあるなら、この記事はそのために書きました。読み終わるころには、この3つのモヤモヤは片づいているはずです。




この記事は、こんな人に向けて書いています

AIツールを仕事で使っている、非エンジニアの方です。数式は出てきません。モデルを作る方法も扱いません。

代わりに、こういう場面で困らなくなることを目指します。

  • 社内でAIの話が出たとき、用語の関係が頭に入っている状態で聞ける

  • 「これは機械学習で解ける話か、そうでないか」を自分で見当がつけられる

  • AIがなぜ間違えるのか、なぜ学習にお金がかかるのかを、仕組みから説明できる

シリーズ最終回として、ここまで9回ぶん積み上げてきたものの土台を見にいきます。第4回の入れ子図で名前だけ出てきた、あの部分です。


結論:機械学習とは「例から規則を学ぶ」こと

  • 機械学習とは、判定条件を人が書く代わりに、データからコンピュータが規則を学ぶ仕組み

  • ディープラーニングとは、機械学習の一種。最大の違いは**「どこに注目するか」を人が設計するかどうか**

  • この仕組みが分かると、AIが間違える理由学習にお金がかかる理由も同時に腑に落ちる


従来のプログラムと、何が違うのか

いちばん大きな違いから。

従来のプログラミングでは、人がルールを書きます。 迷惑メールを判定するなら、「この単語を含む」「送信元がこのドメイン」といった条件を人間が考えて書き出す。

機械学習は、そこが違います。 迷惑メール10万通と普通のメール10万通を用意して、「この2つを分ける規則を学んで」と任せる。判定条件を1つずつ書き込むのではなく、例からパターンを学ばせるわけです。

だから、人間が言葉で説明しきれないものも扱えます。 「猫らしさ」を条件式で書ける人はいませんが、十分な量と質の猫画像を学習させれば、共通するパターンを捉えて新しい画像も判別できるようになります。

逆に言えば、ルールがはっきりしている作業なら従来のプログラムのほうが正確で速い。消費税の計算にAIは要りません。第8回で書いた「賢いほうではなく、合うほうを使う」と同じ話です。

機械学習の3つの学び方

学ばせ方には、大きく3種類あります。

教師あり学習は、正解つきの例を大量に用意する方法。AWSの解説では、何百万枚もの画像に「リンゴ」「バナナ」とタグを付けて学習させる例が挙げられています。解約予測や迷惑メール判定など、仕事で使われる場面が最も多いのがこれです。

教師なし学習は、正解を与えず共通点を探させる方法。顧客の分類や、購買傾向の発見に使われます。

強化学習は、試させて結果に点をつける方法。囲碁AIが人間のプロを破ったときの手法です。正解が分からない問題でも、うまくいったら報酬を与えることで上達させられます。

なお、これらは組み合わせて使われます。 1つの課題に複数の学び方が使えることも珍しくありません。


最大の違いは「どこに注目するか」を誰が決めるか

ここが最終回のいちばん重要なところです。

最大の違いは「どこに注目するか」を誰が決めるか

従来型の機械学習では、「どこに注目するか」を人が設計することが多くありました。 これを特徴量と呼びます。猫を見分けたいなら「耳の輪郭」「目の位置関係」を人が指定する。だから、その分野の知識を持つ人の関与が必要でした。

ディープラーニングでは、判断に役立つ特徴もデータから自動的に学習できます。 AWSも比較ページで、深層学習は機械学習の一部分であり、より大きなデータセット・インフラ・コストを必要とすると説明しています。

つまりディープラーニングは機械学習の一種であって、別物ではありません。人の神経回路から着想を得た計算の仕組みを何層も重ねた手法で、脳をそのまま再現したものではない、という点も押さえておくと正確です。

違いはほかにもあります(必要なデータ量、計算量、説明のしやすさ)。ただ、まずこの1点を押さえれば十分です。

そして現在主流の生成AIは、このディープラーニングを基盤にしています。 第4回の入れ子図が、ここでようやく全部つながりました。

AIの中に機械学習があり、その中にディープラーニングがあり、そこからLLMや画像生成モデルが生まれている、という関係です。


この仕組みが分かると、腑に落ちること

シリーズを通して書いてきたことの、答え合わせをします。

なぜAIは間違えるのか。 第5回のハルシネーションです。AIは保存された事実をそのまま取り出しているのではなく、学習したパターンをもとに、続きとして自然な言葉を生成しています。 だから学習範囲の外だけでなく、質問が曖昧なときや複数の知識が混ざったときにも、もっともらしい誤答を作ることがあります。

なぜ再学習は高いのか。 ここで「学習」と「推論」を分けておきます。学習は、大量のデータを使ってモデル内部の調整値を更新する工程。推論は、学習済みモデルに質問を渡して回答を作らせる工程です。

第9回で「モデルの再トレーニングはコストが高い」と書いた理由がこれです。学習は膨大な計算と時間を要します。

だから、社内情報を足す目的なら、再学習よりRAGのほうが低コストになりやすい。 学習し直す代わりに、答えるときに資料を検索して読ませるからです。ただし資料整備や検索基盤、権限管理の運用コストは別途かかります。

なぜトークンで課金されるのか。 第2回です。

APIでは、推論時に処理する入力・出力のトークン量に応じて料金が設定されることが多い。使った分だけの支払いになるのは、そのためです。

なぜ「学習データ」が話題になるのか。 偏ったデータを中心に学べば、出力にもその偏りが表れやすくなります。ただし原因は学習データだけではありません。モデルの調整方法やプロンプト、RAGで参照する資料、運用時の評価も結果に影響します。

よくある質問

機械学習とは簡単に言うと何ですか? 判定条件を人が書く代わりに、データからコンピュータが規則を学ぶ仕組みです。

機械学習とAIの違いは何ですか? AIが大きなくくりで、機械学習はその実現方法のひとつです。ルールをすべて人が書くAIも存在します。

ディープラーニングと機械学習の違いは何ですか? ディープラーニングは機械学習の一種です。従来型は注目点(特徴量)を人が設計することが多いのに対し、ディープラーニングは特徴もデータから学習できます。

ディープラーニングと深層学習は同じですか? 同じです。深層学習はディープラーニングの日本語訳です。

教師あり学習と教師なし学習の違いは? 正解のラベルが付いたデータで学ぶのが教師あり学習、正解を与えずデータの構造や共通点を見つけるのが教師なし学習です。

ニューラルネットワークとは何ですか? 人の神経回路から着想を得た計算の仕組みです。これを多層に重ねたものがディープラーニングです。

生成AIと機械学習の関係は? 現在主流の生成AIは、ディープラーニングを基盤にしています。機械学習の応用のひとつです。

機械学習を使うのにプログラミングは必要ですか? 自分でモデルを作るなら必要ですが、完成したAIツールを使うだけなら不要です。

AIが間違えるのは学習が足りないからですか? それだけではありません。データの不足や古さに加え、質問の曖昧さ、知識の混同、もっともらしい文章を生成する仕組みそのものも原因になります。

モデルを学習し直さずに社内情報を扱えますか? できます。第9回で扱ったRAGが、まさにその方法です。

まとめ|シリーズ全10回でわかること

機械学習とは、例から規則を学ぶこと。ディープラーニングは、その「どこに注目するか」までデータから学べるようにしたもの。生成AIは、そのさらに上に建っています。

API、トークン、プロンプト、ハルシネーション、RAG。設定画面や会議で出てくるたびに、なんとなく止まっていた言葉たちです。

もう、止まらなくて済みます。

次にAIの話題が出てきたら、今度は自分が説明する側に回ってみてください。「これは何をしている仕組みなのか」を説明できれば、道具が変わっても、自分で判断できます。

基礎編はこれで完結です。次回からは、RAGをどう評価し、どう運用するかという、実際の社内導入の話へ進みます。

長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。


もっと学びたい人へ(2冊)

まず読むなら:ITパスポートの入門書 AI・機械学習・API・クラウド・SaaSといった基礎用語が、非エンジニア向けに一冊で整理できます(ITパスポート試験のシラバスには生成AIに関する項目も追加されています/IPA)。

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