最初の15分をブラッシュアップするための「1on1オンライン試遊」
なんかこう意識高い系の啓発記事みたいなタイトルになってしまいましたが、インディーゲーム制作をやっている中で先日ふと初めた取り組みについて紹介しますという趣旨の記事です。
先に言っておくと結論は↓コレだけですので、「お、おう…」と思った方はここで華麗にLet's go back!
ゲーム開発していてリリース前にフィードバックが欲しい方、協力者を募って1on1形式で15分の試遊をしてもらうという取り組みはいかがですか?
取り組みのきっかけ
では以下、まずこの取り組みに至った考えです。
最初の15分って大事
私は自分が制作者である以上、他の制作者さんが作ったゲームもできるだけ少しは触ろうと心がけているのですが、最初の15分くらいプレイすれば、だいたいのクオリティや自分にとって楽しめそうか?が8割くらいの精度でわかるような気がしています。
初めからある程度のクオリティの保証されているAAAゲームならさておき、どこの馬の骨が作ったのかも、面白いのかどうかもよくわからないインディーゲームや個人制作ゲームでは最初の直感が大事だな、と。
実際にはスルメゲー的なものも多々あるはずなのですが、少なくともスルメゲーの予感がないとそこまで続けようという気もしませんし、スルメを期待したらどこまで経っても味のないガムだったかもしれないので、最初の15分くらいでびびっと来なかったゲームを粘り強くプレイする時間も気力もないのが正直なところです。
インディーゲームイベントの試遊も15分くらい
ということは、自分のゲームを手にとってくれた人を失望させないために最初の15分というのは非常に大事だなと思うわけです。
とそんなことは当たり前なのですが、一流ではない多くの制作者の場合、自分ではわかりやすく作ったり面白さを詰め込んだつもりでも、他の人がプレイすると自分の思うように操作してくれなかったり、誘導しているはずのことに気づかなかったり、ということが多く、結果「なんだこのゲームは、クソだな」と思われたりするわけですね。
これを実感したのが、数ヶ月前にTIGS2025というイベントにDungeon Antiquaというリリース済みのゲームを出したときのことです。
一例として、このゲーム(RPGです)では武器を装備しないと敵を攻撃できないので、プレイ開始直後に商店で武器を買って装備する必要があるのですが、それをしないでダンジョンに突っ込んで敵と戦い、攻撃できていないことにすら気づかずに最初の敵にボコられてしまう方が現れたりしました。

そうならないようチュートリアルなどできるだけ充実化させたつもりですが、それでもやっぱり足りないものだなあ、と痛感しました。
そうだ、オンライン試遊会を自主的に開いてしまおう
対策としては一般的には「テストプレイを人に頼む」だと思いますが、テストプレイしてフィードバックしてもらう場合、テストプレイヤーの言語化能力や気遣いなどによって濃度やニュアンスが失われることもどうしてもあります。
また、前述のTIGSやゲームダンジョンのようなインディーゲームのイベントがまさにそのリアルタイムのフィードバックを得られる機会として活用できるわけですが、イベント自体がお披露目の場なのでできればこの前段で質を上げたい。
そこで「試遊版のクローズドテスト」みたいな取り組みを自主的にやったらどうだろう、という発想に至りました。

幸い、制作中のゲーム「Dungeon Anitiqua 2」は名前のとおり続編で、進捗ポストも定期的に行っていたので、(自分の周辺に限れば)興味を持っていただけていた人も多少いらっしゃったようで協力者はすぐに得ることができました。
やってみた成果
ということで、実際にやってみました。
先ほどの画像にもある通り、Discordの通話機能を使って画面共用してもらいながらオンラインで適宜しゃべる、という形式です。
記事公開時点でもまだ進行中なのですが、5回くらい実施した時点で以下のような成果を得られました。
(そんな細かく語られても、という内容ばかりですが雰囲気だけでも伝わればと思い。)
①普通にバグが見つかる
まだデバッグが十分にしきれていない段階というのもあるのですが、やはり自分だとどうしてもプレイのクセがあるので、協力者の方の何気ない操作によってバグが見つかることがありました。
(これは本来、クローズドとはいえ外に出す前に気づくべきなんですけどね。)
②チュートリアルの意図が伝わらないことを知る
本作にはメンバーの前衛/後衛の概念があり、チュートリアルで「魔法使いとかは後ろに下げたほうがいいよ」と言わせていたのですが、「並び順が後ろであるほど狙われにくい」というドラクエ的な隊列方式と解釈したプレイヤーはメニューを開いて「うん、魔法使いが最後尾にいるね、オッケー」と先に進んでしまいました。
なので、少しくどいくらいに「並び順と前衛・後衛は別だよ」とチュートリアルキャラクターに言わせたり、ならびかえメニューの画面でも前後に動かせることがわかる矢印を表示したりする改良を加えました。

③プレイヤーの無意識の操作に合わせる
ある協力者さんはキャラクターの名前を変更しようとして、無意識に入力し終わった時にSTARTボタンを押して「あれ、カーソルがおわりのところにいかないのか」と呟いていらっしゃいました。
STARTボタンで「おわり」にカーソルが行くのが一般的なのかはぱっと私には思い当たらなかったものの、少なくとも他にも同じことを無意識にする方がいるということでしょうし、対応することでデメリットは何もないのでその方のプレイ後に実装しました。
こういうの、本当にきっかけがないと気づかないものですね…!

④”読みづらいセリフ”に気づく
協力者さんの中には、配信者の方で日頃から習慣づいていたり、そうでなくても私へのサービスとして、ゲーム内のセリフを読み上げなからプレイしてくださる方がいらっしゃいました。
「セリフはできるだけ端的に、読みづらくならないように」ということは気をつけているのですが、実際に声に出してもらうと「ちょっとこの表現は不自然だな」と気づく部分があって後でこっそり修正したりなどしました。
これは自分でも読みながらプレイすればいいだけのですが、一人で延々と喋りながらテストプレイとかしていたらもはや人としてどこか遠くに行ってしまう気もするので、やっぱりなかなかできないかもしれないですね。

おわりに
というわけでゲーム制作者のみなさんどうでしょう、案外良さそうと思いませんか?
デメリットがあるとしたら、当然ながら多少の時間を割く必要があることや、人によっては「あんまりオンライン通話とか得意じゃないので初対面の人との通話はちょっと…」と思うかもしれないことなどでしょうか。
が、その辺がクリアできそうならメリットは十分にあると思います。
あ、私とnoteやXで相互フォローの方でしたら、私自身がプレイ側に回ってご協力することも全然やれますので、お気軽にお声がけくださいませ!
